第19話
次回の投稿は10月13日(日曜日)までの予定です。
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ルミスクは落とした剣を拾い上げフィズキと脇目も振らず走り出した。
「逃がすと思うか?」
オーガは飛ぶような速さで二人に近付く。残り数歩で外に出られるところで追いつき両手剣を一撃で屠るため頭を狙い軽々と横に振る。二人は前につんのめるようにして避ける。頭があった場所には風を切る音と重々しい両手剣が通り過ぎる。オーガは避けられたことを意にも介さず体勢を崩した二人に追撃を仕掛ける。そこへフィズキが鎌をオーガの顔に投げつけダンジョンの出入り口へ走る。オーガは追撃を中断し鎌を両手剣で弾き出入口を確認すると二人は見えなくなっていた。追うことも出来たがここをゴブリン二人に任せるわけにはいかないためダンジョンに残る。
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俺は大部屋へ続く通路からその戦闘を全て見ていたが、目の前で本気の殺し合いが行われていることに戦慄した。これが現実。見たくないものを無理矢理見せられたそんな気分になる。何故戦わなければならないかという疑問がよぎり、オーガの傍により尋ねる。
「何故人と戦うんだ?」
「無事だな主様。百聞は一見に如かず、これを見な。」
オーガは潰されたゴブリンまで歩いていき死体を漁りだす。うっ。思わず目を逸らす。グチャグチャと内臓を掻き回し、捏ね繰り回す音が聞こえるがすぐに終わった。
「これだ。」
オーガの後ろにある潰れた死体が見るも無残な姿になっているのは気にせず、持っているものに目を向ける。細長い8面体の赤黒い石だ。
「それはなんだ?」
「魔石だ。魔法の元である魔素が石の中に蓄えられていて、色は様々だが魔物の中には必ずある。これを集めるために魔物が殺されている。魔物の体表なんかを素材として狙うこともあるけどな。」
「そんな石ころを集めて何に使っているんだ?」
「いろいろだ。自分の魔法を補助するためや、魔法陣に使って常時魔法を展開するために使われているらしい。私は使えないから詳しいことは知らない。」
「そうか、ありがとう。」
「それと自分で呼び出した魔物以外には気を付けろ。魔物も殺されたくないから人を見たら襲ってくることがほとんどだ。このダンジョン内にいても外から来る魔物には近付かないほうが良いからな。」
「分かった。気を付ける。」
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