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後ろの席の美少女(プレデター)に恋をする  作者: はるゆめ


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第四十一話 懐かしき再会

申し訳ありません。連載を再開します。

 縲ゅ≠ュユョ。リルレ縺励。ヱヲ繧ソ繝シ繝ウヷヸヹヺ。


 前回のあらすじ。謎の空間に飛ばされた僕は、そこで寝ている河野、そして彼女と全く同じ姿をした河野の魂を名乗る女子に出会う。

 彼女はこの空間の支配者を探すよう僕に告げた。


 河野の家を飛び出したものの、空間の支配者ってどこにいるんだ?


「おぉーい! ここの支配者! いるなら出てきてくれ!」


 まずは呼びかける。確信はないけど届くんじゃないかと思ったから。

 河野(魂)によれば、河野も僕もここにとっては異物、つまり侵入者みたいなもの。

 知らん顔はしない……はず。



 ───結果として無駄だった。

 時間にして体感で一時間近く呼びかけてみたけれど何も反応は返ってこなかった。

 喉が痛いしその上に空腹だ。

 ここに来てから何も口にしていない。

 不思議と疲れは感じない。かなりの距離を歩いたんだけど。


 河野を早く目覚めさせたい、この空間の主が見つからない、焦る気持ちばかり膨らんでいく。

 ああダメだ、落ち着け。

 僕は深呼吸をする。 ここの主が僕に気づくようなことを考えているけど、さっぱりアイデアが浮かばない。


 もっと大きな音、例えばお寺の鐘みたいな……ダメだ。全てが紛いもので、まるでハリボテみたいな街じゃそれは期待できない。

 たとえお寺があったとしても他の家と同じで彫刻みたいなモノのはず。


 狼煙(のろし)……燃やせるものがありそうにないし、そもそも火をつける手段がない。


 大きなサインはどうだ?

 山で遭難した人達が木の枝でSOSって字を作る……ダメだダメだ。


「一体どうすりゃいいんだ!」


 思わず声に出してしまった。


「お? 霧丘君?」

「わっ」


 不意に後ろから声をかけられ、僕は驚いてしまった。

 そこにいたのは、ヒロア君?! 


 僕と河野が飛ばされた異界で出会った魔導を使う――見た目は僕らと同じ年頃だけど、中身はおじさん――少年だ。


「ひ、ヒロア君?」

「ああそうだよ。久しぶり……でもないかな」


 そんなに日が経ってないけど、ものすごく懐かしい感じがする。

 ヒロア君は以前と違って清潔感のあるパリッとした服を着ていた。


「でもどうしてここに?」

「話せば長くなるから端折るけど、君と河野さんが困ってるから助けるようにって、ここへ送られたのさ」

「ええっ? 誰に?」

「そういう魔導を使う皇女さんだ」

「セルアさんとは別の?」


 ヒロア君と恋人みたいに仲良かった皇女であるセルアさん。美人だったなぁ。


「そう。皇女も数が多いから。それより色々と説明してもらっていいかな?」

「あ、うん」


 僕は簡単にのれまでのことをヒロア君に説明した。


 まず僕が黒い薔薇に攫われ、河野に助けられたこと。

 僕の護衛のため、河野と狐である山田さんが向かいの家に引っ越してきたこと。 


 次に体育の授業中に河野が攻撃を受けて倒れ、保健室で僕も白い薔薇に襲われたこと。

 それを山田さんに救われたこと。


「おいおい、物騒な高校だな」

「うん。あの侵略者達は河野達を感知できるけど、こっちからはそれが出来ないって」

「そりゃまた厄介だ」


 それから河野は影武者と入れ替わり、学校に来なくなったこと。

 同時に僕の身体能力が上がったこと。

 そして。

 テレビを見ている人に幻術のようなものを仕掛ける一斉攻撃。


「なにっ! そんなことが……」


 ヒロア君は驚いて僕の肩を掴んだ。


「うん。街の人達を助けるために皆で、日本中で動き回って。僕もイタチの子と一緒に近所を回ったんだ」

「そうか……かなりの大事件だよな。そんなの聞いたことないけど……政府が隠蔽した? いや、それって可能なのか?」


 ヒロア君は何やら考え込んでしまった。でも僕に気がつくとバツの悪そうな顔をして口を開いた。


「あ、ごめん。続き、頼むよ」

「うん。そしたら……」


 さらに現れた“黒い太陽”。

 それから何かが降ってきたかと思うと、僕はこの空間にいた。


「……そんな経緯があったんだね。君がここへ来たのは黒瀬の妹さんの力ってわけか」

「そうだと思う。で、向こうに僕と河野たちの家があって、あ、偽物だけど、その中で河野が寝てて」

「いるんだね?」


 河野の魂を名乗る河野そっくりな女子に、この空間の主を探すよう言われたこと。

 でも良い手が思いつかなくて途方に暮れてたこと。


「そうか。霧丘君、頑張ったな」

「でも何も出来てないよ」

「俺がここへ送られた理由ははっきりした。さてどうしようか」


 ヒロア君は魔導を使う。それがあればどうにか出来そうだと僕は期待に胸が高まった。


「この空間、ちょっと見て回るか。霧丘君、一緒に行こう」

「うん!」


 ヒロア君のテレポート、転移魔導って言ったかな、とにかく瞬間移動で街のあちこちへ移動した。


「昭和の街並みだなぁ」

「?」

「ほら、例えば電話ボックス。あれは平成じゃほぼ見かけないんだ」

「そうなんだ」

「それにコンビニがない」

「コンビニ?」

「後で教えるよ」


 そんな会話をしながら、次の地点へと移動した僕とヒロア君は、そこにある光景に驚くことになった。


 街のはずれ、その向こうは来たらグニャグニャしたモノが見渡す限り広がっていた。


 イメージとして“貝の中身”だ。ベージュの肉のようなものが、どこまでも広がっている。


 地面も空も。

 そう、まるで巨大な貝の内側に僕達がいる、そんな感じ。


「何だあれ?」


 ヒロア君がどこからかナイフを取り出し、その肉壁を抉ると、切れ目は音もなく消えていく。


「ふ〜ん、有機物っぽいな」

「まるで貝みたい」

「霧丘君、河野さんの魂?によると、この空間は入り込んだ者の意識を読み取って紛い物で再現する、ってことだったよね?」

「うん、そう言ってた」


 僕が答えるとヒロア君は目を瞑り何やら集中しているようだった。

 僕はじっと見守る。

 するとどうだろう!


 目の前に広がっていたベージュの肉塊?がたちまち姿を変えた。

 何だろう?

 どこまでも広がる草原と森。遠くには高い山が見える。


「ふっ」

「ヒロア君の記憶?」

「そうだよ。一番よく覚えているのは生まれ育った故郷、東の王国、その山奥さ」

「日本とあまり変わらない感じだね」

「そうそう。植生がよく似てるんだよ。ま、環境が似ていれば、そこに住む生き物も似たようなモノになるって説があったような気がする」

「ふ〜ん、そうなんだね」

「よし。あの山の頂上へ行こう」

「え?」


 一瞬で風景が雪の積もった場所に変わった。


「わっ、寒い」

「富士山よりは低いけど、山の上ってのはこんなものさ」

「そうなんだ」


 そう言いつつ、ヒロア君が何かを取り出して口に入れる。


「さて派手にいくか」








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