第13話
ようやく第13話目になります。
内容としては播磨国(現兵庫県)での『三木の干殺し』中心の話になるかな。
『あの○リコな食材』達を売りつけたり、珠ちゃんとの正式な式を挙げたりと……
書きたいように書いていたら、それなりの長さになってしまいました ^_^;
天正6年【1578年】3月
ここ最近、織田の義兄上は『京に居る』ことが多いので、久しぶりに今現在『淡津屋に居る身内のみ』で、『ささやかな酒宴』を行うことにした。義兄上が居ると場の空気がさぁ~……わかるでしょ?
で!安土に居ない間にやろうと計画し、それは成功はした。成功はしたんだ。
作ったのは、ジャガイモが無いので『里芋の肉じゃが』に、鶏の各部位を使った『唐揚げ』、『猪肉のローストンカツ』、『筑前煮』、『餡掛け豆腐』、唐揚げにできなかった部位で作った『ハンバーガー』、『煮豚』、『猪の粕汁』などを久方ぶりに自分で作ってみた。
今の身代になってから、料理専門の働き手を雇っているからね~wもちろん手伝ってもらったんだけどねw
だけどね……
その『ささやかな酒宴』を終えた翌日には、何故か『京に居るはずの義兄上からの書状』が届き、その内容を簡潔に書くと、こうなる……
「那谷よ、お主らだけで狡いぞ!安土に戻ったら、同じ食事を食うから用意しておけ!」
義兄上……どこまで食い意地を張るんですか?と言うか、昨日の今日で都からどうやって、この事知ったのさ!?
もちろん作らされる羽目にはなったぞ……。
天正6年【1578年】4月~5月
天正六年四月、丹後、丹波、播磨の戦線が膠着状態になった。
膠着の引き金は、秀吉の『上月城の諸行』だ。その諸行が短期間で近隣国に広まり、国人達の兵が集まらなかったのもあった。
秀吉に協力してもしなくても、「自分達も後横から、上月の者達のように殺されるのではないか」と、疑心暗鬼に陥っていた。
その上月城には、秀吉が保護していた尼子残党軍が、史実通り入っていった。
その膠着状態の際に、毛利が上月城に攻めの一手を打ち込まれ、秀吉は救援のために三木城の包囲を、完解しなくてはならなくなった。
包囲に加わっていた武将達も、一部は所領に戻らなくてはならない事態にまで陥っていた。
播磨方面での情勢が、その様な膠着状態になっているとは露知らず、俺は山城国は京の都の、室町通りに来ていた。
都に出店の為に、京商人達に挨拶に来ただけ……のはずだっだ。
それでも、耳聡い御公家さん居る者で、翌々日には公卿達や帝にまで話が届き、三日後には帝直筆の『御用達の印状』が、義兄『織田右府』を通し届いた程だ。
しっかぁ~も!何故か『内蔵助』の寮役職が付いてきた!役職としては『上から二番目』の次官役職だがそれでも官位だ……、公家衆の方々はどれだけ、うちの商品に飢えてるんですか!?
以前頂いた『従五位』と合わせると『従五位内蔵助』になったってことか……、狙ってやったのかな?
その御蔭様で俺の呼ばれ方も『淡津従五位内蔵助那谷右衛門』と、茶化しも込めて、周りから呼ばれるようになった……こそばゆいわw
六月手前には、支店の外観がようやく完成した。
天の声【内蔵寮は宮中の宝物、日用品の調達管理等を司っています】
天正6年【1578年】6月
京の室町通りに出店準備をして、外観も整い、一時的に安土本店に戻っていた頃に受けた報せだ……
4月に播磨を攻め、織田家に反旗を翻した別所家の者達が籠る、三木城に対し「兵糧攻め」を秀吉が始めた。
別所家の使者も受け付けず、城の前で盛大な茶会を開いたり、「白鳥汁」などを飲んで、城内の者達を「干乾し」させていった事を、俺は伝え聞いた……
これが後の史実にて、一年半近くに及ぶと伝わる『三木の干殺し』であった。
そして、この知らせ……その詳しい内容が届いたのは、兵糧攻めが開始されてから、約2ヶ月後の6月のことだった。
別所家が反旗を翻した時期は、史実とほぼ同じ時期、荒木の伯父上も相当な、憤りを感じているようだ。
此処まで報せが遅れたのは、猿面髭鼠が甲賀者を使い徹底的に、情報遮断をしていたからだ。
「恥知らずめ!これが同じ人がすることか。俺に『同じ農民出身なので、仲良くしてくだされ。農民が食いっぱぐれる事の無い世を創りたい。儂が天下を取るため協力してくだされ。』と、岐阜で俺に言ってきた事は偽りか!貴様は俺と同じ苦しみを知る農民出身者じゃない!秀吉は鬼だ!秀吉なぞには天下は取らせん。この手で、滅びを与えてやる。」
そう、淡津屋の自室で叫んだのだった。
兵糧攻め故に、兵糧攻めだからこそ、その様な事になるのは理解は出来る……出来るのだが、それでも受け入れがたい、思いと物があったからだ。
天の声【光秀も丹波攻めの際に兵糧攻め等していますが、最終的には降伏を受け入れ、城の者達は生かしたらしいですしね】
そこから、気分を落ち着けるのに、30分程の時間をかけ、ある程度落ち着いたのを、確認してから……
「確か荒木の伯父上と村次義兄上が、奴の与力扱いにさせられていたな……。よし、丹波、丹波は居るか!?」
と叫び、配下として雇い入れている百地丹波を大声で呼ぶのだった。
「お呼びでしょうか?」
「あぁ、呼んだとも!丹波、急ぎ摂津の荒木の伯父上と、村次義兄上に繋ぎを取って貰いたい。それと明智の義父上にもな!秀吉の兵糧攻めを妨害するために力を貸してくれとな!」
「筑前守様をですか!?」
唐突な秀吉への敵対発言に、驚いた百地丹波に対して、
「そうだ!つい先ほど、荒木の伯父上から届いた書状だ、読んでみろ。明智の義父上が今現在も行っている、四国政策も阿波の三好家を使い、きっと邪魔をして来る。邪魔をさせないためにも、繋ぎを付けてほしいのだ!」
「理解は出来ますが、反発を受けるのではありませんか!?」
その内容を見た丹波も何故、俺がその様な行動を起こそうとしているのかを、書状内容を見て理解はしてくれたが……
「別所家側の降伏の使者の首を斬り、五体を刻み城に放り込んだとも、書かれてある」
「……分かりました。必ずや、お三方に秘密裏に繋ぎを付けます」
「頼んだぞ丹波!入念かつ、素早く計画を立て、行動に移さねばならない!状況によっては、包囲軍と一戦交えることになるかもしれん。女子供だけでも、何としてでも助けるぞ!」
「畏まりました!」
「もし、渋るようなら『秀吉が三好を使い、義父上の四国案件の邪魔をしているようです』と伝えてくれ」
丹波を通して、配下の伊賀衆に仕事を依頼した形になるだろうか。
「義兄上からの、御叱りを受けて尚、其れでも自分の行いが正しいと、先の世と同じ愚行を繰り返すか。」
拳を震わせながら、一人ボソリと呟くのだった。
義兄上には悪いが、本願寺も利用させて貰うぞ!
本願寺には、「摂津と播磨の国境沿いに、二千の兵で良いので、越境せずに展開していただけないか。見返りとして、兵糧に各種薬も出しますよと……」と、書状を送った。
荒木の伯父上に義兄上も早まった事【謀反】なんてしないでくれよ。
「柿崎、居るか!」
「此処に」
「淡津屋各支店に通達を出せ!羽柴家と、その関係各所との取引や、商談は一切受け付けるなとな!」
そんな行動と発言を、陰から見ていた妻の綾から、義兄の信長にひっそり?と伝わるのだった。
そんな事とも露知らず、『無限の水瓶』や『丼の実』、『骨付き肉の木【牛】【豚】【鶏】』、『サーロインリーフ』の種木を用意して、中継点となる有岡城に向かう準備をしていた。
その『柿崎』と言う者、出した指示をどう受け取ってしまったのか……
『『羽柴家との取引中止の指示を受ける』↓
『羽柴家は中国方面担当で、生活の場もそっちに移ったよな?』↓
『中国方面の生活物資・兵装供給の全て停止指示って事?と考える』↓
『中国方面軍への生活物資と兵装供給の全停止を、各支店の関係各位に伝達する』↓
『同じ中国方面の丹波、丹後の明智軍、細川軍の生活物資と兵装供給にも、影響が出ることになった』↓
『中国方面全体の、侵攻全てに遅延が起こる』』
……と言った具合に、たった一人の指示の受け取り違い……そして『秀吉の上月城での諸行』話も加わり、遅延どころか停滞を起こすのであった。
淡津屋が、織田軍の兵站の半数以上を担っていたため、このような事態に陥るのだった。
数ヵ月後、それを知った信長は「やり過ぎだ!至急物資供給を戻せ!」と、厳重注意勧告を俺にして来たが……
「兵糧攻めは攻城戦には確かに有効でしょう。それは分かります。それを行った奴は、された側の思いは知るはずもない。今後とも知ろうとは、微塵にも思わないでしょうとも。その思いを知って貰うためにも、奴にはされた側に立って貰っただけです。」
と「もうどうにでもなれ」と開き直り発言を言い放っていた。それを聞いた中国方面以外の軍団長は……
「「「某達も『奴』と同じ二の轍を踏まないように、注意を払っておこう……」」」
と何故か心を一つにするのだった。
天正6年【1578年】7月
本願寺への補給物資が届かぬように、海岸線を封じる策に義兄上は出たようなのだが、口約束程度だったのだが本願寺勢約三千の兵力が、花隈城を占拠に至った。
この時、花隈城の兵は三木城包囲に参加していたため、守備兵は最低限しか居らず、一時的占拠に至るのだった。
秀吉が毛利に攻め立てられた、上月城の救援に向かわなければ為らない状態【尼子残党の保護責任】も作り、三木城の包囲網を一時的に解かせることには成功はした。
その緩んだ包囲網の中、俺は三木城城主、別所長治に面会していた。
城に詰めている者達は、満足な食事も出来ていない為に、痩せ細った状態だった。
城内に居た足軽達も痩せ細っており、餓え渇きを癒させる為に、大量の『真桑瓜』を足軽達にばら蒔いて置いた。
「此れで喉を潤して、身体に負担が掛からないようにしてくれ。飢餓状態で食い過ぎると、死するかもしれんから、ゆっくり咀嚼して食べろよ」
と、城内の餓えた者達に渡していった。そして三木城天守にて……
「御初に御目にかかります。某、近江淡津屋が主、淡津那谷右衛門と申します。どうぞお見知り置きのほどを」
「こんな時に、この様な処に来るとは奇特な商人が居るものだな。この三木城城主、別所長治だ。してどの様な御用かな?織田の義弟殿は……?」
あら、知られてましたか。そりゃ一時的にも織田家の傘下に居たんだし知ってて当然か、気にしても仕方がない、商売話と行きましょうかね。
「何、商売をしに来ただけですよ……独断で!此方が商品目録になります。目録商品以外にも、米も火薬も御用意できますよ。」
そう伝えると、じっと商品目録を見て質問を言ってきた。
「此れは何時までには用意できる。特にこの『無限の水瓶』なる物に、『骨付き肉の木』、『さーろいんりーふ』?なる物の説明も聞きたい。」
「はい、幾らでもお聞きください。先ずは『無限の水瓶』ですが……」
と順番に説明していき、どの様に使い、育てるのか等も詳しく教えていった。
「商品の納入ですが、直ぐにでも行うことは出来ます、少し離れた所に、商隊を準備させて居ますので……」
「では、水瓶を十五個、肉の木を十本、肉の葉を同じく十だ。米は取り敢えず、四万石は頼めるか?火薬は壺で三壺用意してくれ。それと塩と酒、油もだな!」
「御注文、しかと承りました」
「代金の一部として、これを持っていけ!」
そうして渡してきたのは、螺鈿潤塗笹波組大名結の無駄に豪華な鞘に納められた、静形薙刀の刃だった。
鎬には銘が刻まれており『備前国・則宗』と、あった。
「その薙刃は、我が家の蔵奥から見つかった年代物の古刀だ。それと、商品目録には武器は無いが、扱ってないのか?」
「有るには有りますが、物によっては出処を調べられるので、書いてはいないんですよ。精々、堺の火縄銃位でしょうか。古刀にしては、鞘が派手すぎやしませんか?曰く付きじゃ無いですよね?」
「気にするな。見つけた時には、既にその鞘だったのだからな。布で表面を拭いたぐらいだぞ?曰く付きかどうかは、伝え聞いては居らんか、大丈夫だろう」
武器に関しては、後々足が付きそうなので除外したと話した。
「後は城の女子供は出来る限りで構わん、其の方が安全と思える場所まで連れていってくれ。上月城の者達の様にな」
その言葉を聞いた瞬間思わず顔を上げ「なぜそれを!?」と驚愕の表情を面に出してしまった。
「波多野家の村上衆から、その報を買ったのよw何でも、『巨大な乗り物に女子供を乗せて逃げ延びた』とな」
うわ~、油断した……まさか見られていたとはね~。
「うわ~波多野殿ったら……、この後行く予定だったんですよね。ちょっと高めの御値段にさせて貰わないと、駄目になったじゃないですかw」
と、『獲物を見つけたから、食いつくしてやろう』と言う、獣の様な顔をしていた。
その顔を見た別所長治は、後世に残された日記に『背筋に薄ら寒い物を感じた』……そう書いたと言う。
三木城の者達はどうしたって?現在、播磨東半国は荒木の伯父上が担当だからね!女子供と別所長治殿の御子の4人、竹姫、虎姫、千松丸、竹松丸も預かることになった。
「元服した後、武家の子として生き抜くも良し。其処者に着いて行き、商人として平穏に生きるのも良し。どの道も選ばず、己が思うままに、生きていくのも良し。竹、虎、千松丸、竹松丸、この城を出たら元服・髪結いの儀を行うまでは、其処者を親と思い学べる物を学び、この乱世を生き抜く力を身に付けよ!さあ行け、生きて血を……家を残すのだ!」
子供達を抱きしめて、最後の別れをするのだった。子供達も普段と違う雰囲気を感じてか、涙を流しながらも、気丈に答えるのだった。
「「「「はい!父上」」」」
「別所殿もしも、もう駄目だと言う思いが過ぎり降伏をする時は、荒木村重様の陣に御行きください。現在この播磨東半国を織田右府様より預けられている方です。羽柴の髭鼠にするよりは良いかと……。村重様の子は私の義理の兄上になりますので、その事柄を有効にお使い下さいませ。」
「よろしく頼む」
と言い頭を下げ、手を差し出してきたので、握り返した。
「別所殿、先に避難させた上月の者達と、必ず合流させますのでご安心くださいませ」
と別れ際に別所長治殿は、御子を俺に押し付……託して城奥に戻っていった。俺を信じて?頼って?託してきたからには、無碍には出来ないよね~。
半刻後、俺の指示を受けた伊賀者達が、別所殿に言われた物品を届け入れ、一部の女子供は伊賀者達の持ってきた葛籠に入り込ませて、城を脱出……、安全圏に入った所で乗り物を変え、避難させた者達は、上月の者達の乗る沖合の船に無事合流させた。
天正6年【1578年】8月
翌月末、何故か都合良く同じように籠城状態に追い込まれていた、丹波の波多野家から、相場の三倍額で米と塩のみだが売ってあげた。包囲網に加わって居た義父上の許可をもちろん貰ってだけどねw
三倍額とは書いたが、実際は城にある金品全部とだけどね。死んでしまえば、金品など意味にない物になるしね。
上月城での戦いは、此方が敗退し、尼子家残党は毛利の捕虜になり、数日後処刑された。
八月も半ばにはいる頃、近畿・播磨国内の織田全軍が三木城に向け、再包囲を開始した。
補給物資は、御希望通りの物を揃えておいてきたから、無駄遣いしなければ、一年は確実に持つだろう。
天の声【この時点で、中国方面への各物資の流通は、元に戻っています】
八月十五日……史実では、明智珠と細川忠興との結婚が、この日行われたのだが、歴史が変わっているため、俺と珠ちゃんとの結婚式が行われる。
約二年前のは輿入れ準備で、『顔合わせ』や『どの吉日が良いか』など話はしたけど、結婚式は挙げてはないぞ!
天の声【明智珠、天正6年辺りで約15~16歳です】
織田家の重鎮となっている、明智家の娘との婚姻だ!これでもかと内外に、派手に広めてみるか。岐阜に尾張、近江に山城……淡津屋の商品をご祝儀価格で、全品三割引と謳ってみようかw
それと一品でもお買い上げの方には、紅白の丸餅も進呈とかやってみるのも良いな!
それから暫くたった後、周囲の商家や武家の家々では、結婚式の祝い品に紅白餅を振る舞うと言う、風習が出来てしまったと言う。
綾さんの時は、店が此処まで大きくなかったから、出来なかったのは、悔やまれる事案だ。
翌月の九月、義父上と義兄上を沖島の別荘に呼び、秘密会合を行うのだった。上杉景勝殿から届いた書状に関してだ。
第14話も現在頑張って書いてますよ~w
ただね……オンライン系ゲームの影響か……
キーボードの『 W 』のバネが死んだwww
まあ呼びのキーボード買ってあったので、事無きを得てはいますが……
やっぱ図書館が使用出来ても、椅子がないから使えるのに使えないというのがね~
早くそしてゆっくりと図書館使えるようになりたいですわ~w




