南部方面隊第2艦隊指揮下第505遊撃隊
イーグラス中将とウェントハット中将の指揮する東西連合方面隊と、ノーチラガル中将とサウザイガム中将の指揮する南北連合方面隊の2隊に、SFF艦隊(スペース・フォース・ファイブを中心とする護衛部隊)の3本柱で、サウィノスを攻め落とす作戦だった。
誰がそうしようと言った訳ではなく、指揮命令系統を考えるならば、こうやって部隊を統合的に運用した方が良いと思うのは、当然の事である。東西・南北の両部隊がまず先行して突入し、もし仮に増援が必要ならば、その時はリスター達SFF 護衛部隊にお声がかかるわけである。
案の定この作戦は上手く行った。東西南北の4方面隊の兵力のほとんどを注ぎ込んだ攻撃は、ブラックキャット(BK)の想定を遥かに越えるものであった。足止め出来るかと思っていた筈のDAS 部隊は、STRSの集中攻撃を受けて、戦前の作戦通りには事が運ばなくなっていたのも事実である。
ここまではSTRSの力が優勢で、反撃の狼煙を上げるには、充分な戦果を上げていたのである。と、ここまでは物見遊山とばかりに、高みの見物を決め込んでいた、リスター達宇宙戦艦コバルニトフのメンバーであったが、サウィノスの中心部に攻め行って強敵がぽつぽつと現れ始めた。最難関のミッションは、実戦経験もあり力もあるリスター達、南部方面隊第2艦隊指揮下の第505遊撃隊に任される事になったのである。
要するに外は固めとくから、中は頼んだぞという事である。確かに、侵入戦のセオリーからすれば、後続を断つ殿の部分は信用の置ける人物を置くのは定石だろう。お膳立てはしっかりやってやるから、花を持たせるともとれるし、リベンジのチャンスをやるぞ!と、そういう風にも感じられた。
とにかく、リスターもブラックキャットも次はない。その覚悟でリスター達はDAS-4(四天王)以下精鋭の待ち構えるサウィノス中心部へ入って行った。そこにどんな困難が待ち受けていようとも、リスターはその重圧をはねのけるほどの力を身に付けていた。未来も切り抜ける力も持っていると信じて。




