Eight frigates(エイトフリゲーツ)
STRSの他部隊(他方面隊)は、それぞれのエリアを守るのに手一杯で、とてもではないが、他方面部隊に援軍など、出せるような状況ではなかった。
それでも、同士の為にと支援してくれた、西部方面隊の為にも、リスターはサウィノスからジャスミン小隊を救出せねばならなかった。南部方面隊は勿論、それぞれの主力をかき集め、エイトフリゲーツ(eight frigates)ではあったが、サウィノスを守る戦力に比べれば、ゾウと子供位の戦力差はあった。
リスターは、この作戦から少尉として司令官になる事になった。流石に指揮官が見習いの3等兵以下の学生ではいかんだろうという事で、この地位をリスターは拝命した。まぁ、ここまでのリスターの活躍が評価されたのもなきにしもあらず、であった。
だが、士官になったとは言え、少尉程度では部隊の指揮は難しい。部隊を率いるなら、最低でも少佐クラスが望ましい。ゴードスが中佐で頑張っている所を見ると、指揮命令系統の観点からも、一刻も早くリスターは昇進しなければならなかった。
司令官に任命されたならば、3等兵だろうが大将だろうが関係ない。指揮官、司令官に従属するのは、部隊運用の鉄則である。指揮官を任命するのは、方面隊司令官である。その方面隊司令官を任命するのは、アイザー・ゼルト元帥閣下である。その任命者の指示に従わないというのは、アイザー・ゼルト元帥閣下の命令に背く行為である。
話が脱線してしまった様であるが、リスターはこうして少尉となり、更なる難易度の高い任務に従属する事になったのである。
そして、いよいよアミノルドを旗艦とする宇宙戦艦8隻、A級宇宙駆逐艦8隻の(エイトフリゲーツ)は、アリスガを出発し、DASの本拠地であるサウィノスに向かって出発した。リスターは、成功率の低い作戦だと思いつつも、司令官としてベストを尽くす事を、サウィノスで待つジャスミン小隊に誓った。




