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第九話 寝起きの奇声と見知らぬ同居人


「んぅ……ふぁぁあ……」


あぁ、もう朝か。

酷く喉の渇きを感じる。

ふかふかのピンクのベッドから起き上がり、背伸びをする。

あれ、なにこのプリンセスベッド?

私がいつも使っていたのは白くて安そうな敷き布団だったはずよ!? ……、自分で言ってて悲しいな。

ってか、目がチカチカする。この部屋、ベッドも床も壁もタンスも全部ピンクじゃん!


あ! そういえばここ、ロシアでしたね。

ヤベぇ、忘れてた。認知症の検査言った方がいいかもしれん。最近、老化ヤバいんだよなぁ、前世も合わせて今年23歳の筈なんだけどね。


あれ、そう考えるとイセラさんやイヴァンさんって私と同い年位じゃない?

後で、年齢も訊いてみるか。あと異能と職業ね。異能はあんまり人に言って良いもんじゃないから、そんなに期待出来ないけど。


まぁ、職業ぐらいは教えてくれるでしょ。だって、まさか幼い子に言えないような仕事してるわけないもんね。


ベッドの横にあったスイッチを押すと、シャンデリアから放たれている柔らかいオレンジの光は目が眩むくらい明るい昼白色に変わった。

そう。

シャンデリアだ。

天蓋付きのプリンセスベッド。

大体の物がピンクな部屋。

目がチカチカする。ライト変えたからもあるけど、部屋がピンクだからっていう二重の意味で目がチカチカする。もうやだこの部屋。センス皆無かよ。

いや、でもこの部屋数十万、いやワンチャン百数十万は装飾に掛かってそうだから、文句とか言えない。絶対に言えない。


ふと、ピンクの時計をみるとまだ五時頃だった。

リビングに行くには、早すぎるね。部屋で暇潰しでもしてるか。

ベッドからスクッと立ち上がり、鏡を覗く。縁が青白い月白色でピンクの多いこの部屋では妙に存在感を放っていたのだ。


鏡の中にはミディアムボブの黒髪に三房の白髪のある美少女がいる。ライラック色のネグリジェを着こなし幼気な天使さと大人びた品の良さの矛盾を同時に醸し出している。

何を言ってるか分からないって? 私も分からないぜ。

まぁ、とりあえず狂偽()が可愛いって話さ。


やぁ、可愛いね。狂偽ちゃん。そういや、前世で『ロリ狂偽たん』ってタグが◯ixivであったっけ。うーん、タグが出来るほどの罪深き可愛さ、ロリコンホイホイだよ。


流石は乙女ゲームの世界、イセラさんやイヴァンさんもそうだけど皆、顔面偏差値マサチュー◯ッツ工科大学だよ。鏡に映る自分に惚れそう。あ、ロリコンじゃないけどね?


「あぁ、ほんと私カワユ……」


コンッコンッ


「フィヤッホイッ!?!?」

「く、狂偽ちゃん? 起きてるみたいだね、なんか……大丈夫?」


扉の奥からイケボなイセラさんの声が聞こえる。

どうしよう、さっきのスーパーぶりっ子発言聞かれてた?

だとしたら、ヤベぇ。朝から自分カワユイとか言ってる、五歳児はヤベぇ。

いや、ワンチャン聞こえてないかも?

否、だとしても「フィヤッホイッ!?!?」という、女の子云々ではなく叫び声として心配になるこの声は確実にあの扉の向こうのイケメンの耳に届いたはずだ……!

どうしよう、なんだよ、フィヤッホイッ!?!? って……。


「う、うん、だいじょうぶ……」


いや、全然だいじょばない。


「入ってもいいかな?」

「うん」


そそくさとベッドの上に移動し腰を下ろす


すると、若干の困り笑顔をしたイセラさんが静かに入ってきた。


Oh……ここで、私のホームステイ終了のお知らせ。

死にたいね!

イケメンにぶりっ子発言聞かれたかもしれない挙げ句、驚いたときの奇声を聞かれる。


絶望したーー! もうやだ、ハズい死にたい。


「そっか、昨日狂偽ちゃん二時頃寝たからそりゃ早く起きてるよね。お腹空いてるよね、下行ってご飯食べよっか」


ん”ん”ん”ん”……! イケメン!

見事なスルースキル。

白いセーターの上に紺色のカーディガン、スタイリッシュです! 惚れました!


イセラさんのイケメンさに内心ハァハァしながら(私は変態じゃない)、その後に続く。螺旋階段を下り、リビングに入るとイヴァンさんがソファに座りながらテレビを見ていた。モダンなデザインのリビングは彼の存在感を引き立て、絵になっていた。


大理石なのかは分からないがとりあえず高そうなテーブルの上には、三人分の切られたフランスパンが置かれている。フランスパンの上には鮮やかなオレンジ色の分厚いサーモンがのっており、昨日の昼から何も食べていない私の空腹を刺激した。


「じゃあ、食べよっか」


イセラさんはそう言うと、自分と反対側の席を勧めたので私はそこに座った。いつ移動したのか、イヴァンさんはもう無言でパンにかじりついていた。そういや、ロシアっていただきますの習慣無いんだっけ、食べ終わった後に「スパシーバ」っていうだよね。じゃあ、私も早速食べ……。


「異能はまだ発現していないよね?」


明るく響いたその声に耳を疑う。先程とは声のトーンが違い、こちらを訝しむような試すような顔をしている。


「なんか、君。妙に馬鹿っぽさを出していて、まるでそう見せたいようだ」


じょ、状況が読めねぇ。どういうこと、馬鹿演じてんのバレてる……?


「精神年齢を上げる異能とか?」


こ、こんな時は、笑って誤魔化そう!


「んー?」

「なぁ、分かってんだろ?」


「腹割って話そうぜ? 利害は一致してそうじゃねぇか、俺ら」


どちら様でございましょうか……?


こんばんは、作者です。

ここまで読んでくださった方……、いや、もうほんと、尊い。

因みに、ブクマをつけてくださったり、感想が来たら泣いて喜びます。誤字報告でも喜びます。あ、いや、それは駄目ですね。


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