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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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第7戦記 勇猛果敢⁉︎ 杏花・E・ティアー‼︎

 時を遡ること、三日前。


 ギャラクシア・ヴァース帝国の宣戦布告を受けた宇宙連邦政府は、ラニアケア超銀河団の境目に防衛網を張り巡らせた。




【ラニアケア超銀河団 境界宙域】


政府軍兵A「12時の方向にワームホールが出現‼︎ ギャラクシア・ヴァース帝国軍が現れました‼︎」


政府軍艦長A「奴らめ、「ワームホール航法《こうほう》」で来たか‼︎ 総員、戦闘態勢に入れ‼︎」


G・V軍艦長A「進め‼︎ 蛮族ごとき蹴散らせ‼︎」


 ギャラクシア・ヴァース帝国軍は宇宙巡洋艦「ラードーン級《きゅう》」と、宇宙護衛艦「アンピプテラ級《きゅう》」の艦隊で攻め込んできた。


 これに対し、宇宙連邦政府軍は宇宙巡洋艦「ネバダ級《きゅう》」と宇宙護衛艦「アラスカ級《きゅう》」の艦隊で迎え撃ち、両陣営は激しい艦隊戦を繰り広げた。


政府軍艦長A「全砲門開け、一斉発射‼︎」


G・V軍艦長B「怯むな‼︎ フレア砲を撃て‼︎」


 両陣営とも一歩も引かぬ攻防戦を繰り広げている。


 宇宙連邦政府軍は、スチュアートに加え、「ファイター・ギア」、「スカイフィッシュ」を出撃させた。


 対してギャラクシア・ヴァース帝国軍は、第二次宇宙大戦の主力量産機でもあった「ゲイザード」に加え、ファイター・ギア「ガーゴイル」を出撃させた。


政府軍兵B「当たれ、当たれ‼︎」


政府軍兵C「よし、一機撃墜‼︎」


G・V軍兵A「くそぉ、蛮族ごときに‼︎」


 ガーゴイルが一機撃墜された。


G・V軍兵B「おのれ、我らも負けておれん‼︎」


 ゲイザードはクローアームからビームを連射した。


政府軍兵D「前大戦の量産機など…。う、うわぁ‼︎」


 スチュアートが一機撃墜された。


政府軍兵E「やってくれたな、このぉ‼︎」


 スチュアートやスカイフィッシュもプラズマライフルやプラズマレーザー砲で、ゲイザードに反撃する。だが、攻撃はあまり通じていない様子だった。


政府軍兵B「バカな、強化されているのか⁉︎」


G・V軍兵C「ハハハ、ラニアケアの者どもよ、我らを甘く見るなよ」


G・V軍兵D「我らギャラクシア・ヴァース帝国は、マルチヴァースからもたらされた科学力によって、戦力を大幅に増したのだ」


G・V軍兵E「《《強化型》》ゲイザードの力を思い知れ、《《レベル3》》の文明人‼︎」


政府軍兵C「うわぁぁぁ‼︎ 地球に栄光あれ‼︎」


政府軍兵D「ジーク・アース‼︎」


 スチュアートやスカイフィッシュが次々と撃墜されていく。ネバダ級やアラスカ級も負けじと攻勢に出る。


政府軍艦長B「アラスカ級対空砲火、プラズマバルカン砲で敵アーマード・ギアを迎撃せよ‼︎」


政府軍艦長A「ネバダ級、主砲発射準備‼︎ メガプラズマキャノン、撃てー‼︎」


G・V軍兵たち「ぐぁぁ、セ…、セント・ギャラクシアァァァ‼︎」


 前線にいたゲイザードが一掃された。だが、第二陣がすぐに現れ、ラードーン級やアンピプテラ級も一斉に砲撃を開始した。


G・V軍艦長B「アンピプテラ級、フレア砲発射‼︎」


G・V軍艦長A「ラードーン級各砲座、敵中央に照準を向けろ‼︎ ハイパーフレア砲、撃てー‼︎」


政府軍艦長B「ぐあぁぁぁ、アラスカ級総員退避ー‼︎」


政府軍艦長A「ネバダ級総員、消火作業を急げ‼︎」


 ラードーン級とアンピプテラ級の一斉掃射が、アラスカ級に直撃した。ネバダ級はかすめただけだったが、戦線維持は困難だった。


G・V軍艦長A「見たか、我らの力を‼︎ 貴様らとは《《文明レベル》》が違うのだ‼︎」


政府軍艦長A「防衛網を突破されたか…」


 初戦から思わぬ苦戦を強いられた宇宙連邦政府軍は、ギャラクシア・ヴァース帝国軍に防衛網を突破され、ラニアケア超銀河団内への侵攻を許してしまった。




【最終自衛隊総司令部】


 ここは「地球防衛省《ちきゅうぼうえいしょう》」の地下にある最終自衛隊の秘密基地「最終自衛隊総司令部《さいしゅうじえいたいそうしれいぶ》」。


 ここでは今、「波動氣神《はどうきしん》ジェネバスター」のパイロット候補となる《《子供たち》》を招集するべく、隊員たちが奔走している。


 隊員たちのパイロットスーツには、「士魂《しこん》」という文字が左肩に刻まれていた。


富士山「立花司令、パイロット候補の《《子供たち》》の情報は掴めたか?」


直虎「今、《《博士》》とコンタクトを取って確認しているところです」


富士山「そうか」


 司令室に通信が入り、メインモニターに《《科学者》》の老人が映った。


 彼は機甲十字軍から日本へと亡命し、《《実験体》》をDr.エビルから奪取した《《科学者》》、「湯川英一郎《ゆかわえいいちろう》」である。


※湯川英一郎=以下、湯川と略。


湯川「富士山長官、立花司令‼︎」


富士山「おお、博士‼︎」


直虎「博士‼︎ 例の《《子供たち》》の情報と所在は分かりましたか⁉︎」


湯川「ああ。機甲十字軍から持ち出したデータに、それぞれの試作型アーマード・ギア「バスターシリーズ」と「ジェネシス・スパイラル・コード」、「GSC《ジーエスシー》」が一致する《《子供たち》》のデータがあった」


直虎「よかった」


湯川「その《《子供たち》》は、「バスター2」の「杏花・E・ティアー」、「バスター3」の「皇麻里奈」、「バスター4」の「雪月萌」、「バスター5」の「華園明日美」、そして「バスター1」と私がDr.エビルから奪取した《《実験体》》だ‼︎」


直虎「ありがとうございます‼︎ すぐに招集に向かいます‼︎」


湯川「私も《《実験体》》を《《覚醒》》させたらすぐにそちらへ向かう‼︎」


 直虎と富士山は湯川との通信を終えた。


直虎「長官、行って参ります‼︎」


富士山「頼んだぞ‼︎」


直虎「はい‼︎ あなたたち、行くわよ‼︎」


※最終自衛隊員=以下、最終隊員と略。


最終隊員たち「はっ‼︎」


 直虎と隊員たちは、杏花・麻里奈・萌・明日美の4人を招集するべく、彼女たちの元へ向かった。


直虎(こりゃまた曲者な娘っ子ばかりね。素直に招集に応じてくれるかしら?)




【ニューカリフォルニア州】


 直虎と隊員たちは《《1人目》》である杏花のいる、アメリカ合衆国のニューカリフォルニア州を訪れた。


 杏花は、会員制スポーツクラブ「TIPS《ティップス》」のプールで泳いでいるところだった。今日は比較的に利用者も少なく、一人で泳ぐのが好きな杏花にとっては絶好の日であった。


 杏花はプールの飛び込み台に立つと、目をつむって深く深呼吸してから思い切りプールへと飛び込んだ。


※杏花・E・ティアー=以下、杏花と略。


杏花「はぁっ…、はぁっ…、はぁっ………‼︎」


 水しぶきを上げながらクロールで泳ぐ杏花は、顔を水面から出した瞬間に時折強い眼差しを見せる。


 クロールでプールの端まで行くと、今度は水中に潜り込んだ。水中でも勢いが衰えることはなかった。ゴールが近づくと杏花は勢いよく水面へと飛び出して床に着地した。


 その瞬間の杏花はマーメイドのように美しく、誰もが見惚れるような光景であった。


 泳ぎ終えると杏花は、スイミングキャップとゴーグルを外しタオルを手に取り首にかけてシャワー室へと向かった。



 水着を脱いで、手入れされた艶のある茶色の髪を下ろしながら少し上をむいてシャワーを浴びる杏花。


 よく鍛えられた身体は引き締まってほどよく筋肉がつきつつも、X字型の女性らしいグラマーな体型をしており、健康的な美しいプロポーションをしている。


 シャワーを浴びながら両手でシャワーから流れる温水を受け止める杏花は、少しうつむいて寂しげな目と表情をしており、蒼い瞳には少しだけ涙が浮かんでいた。


 シャワーを浴び終わると杏花は更衣室で髪を丁寧にタオルで拭いてからドライヤーで乾かし、身体を拭き終わると長い髪を後ろで束ねてポニーテールにし、水を少し飲んでから私服に着替えてTIPSを出た。



杏花「…⁉︎」


 杏花がTIPSを出ると、正装をしてサングラスをかけた複数の隊員たちと、サングラスをかけた直虎が杏花の前に現れた。


杏花「誰…⁉︎ アンタたち…⁉︎」


直虎「火星帰りの帰星子女で、水泳の地球代表選手…、杏花・E・ティアーね…。私たちは、新日本政府の最終自衛隊。あなたを招集しに来たの」


杏花「最終自衛隊、何それ⁉︎ 私、帰る‼︎」


直虎「待って‼︎ あなたの力がどうしても必要なの‼︎最終決戦兵器、合体型スーパーアーマード・ギア、波動氣神ジェネバスター起動のためにも。

 あなたはそのパイロットの一人として選ばれたのよ‼︎」


杏花「そんなの知らないわ‼︎ アンタたちだけで勝手にやれば⁉︎」


直虎「これから来る敵に対抗するには、ジェネバスターがどうしても必要なのよ‼︎

 宇宙連邦政府は今、ギャラクシア・ヴァース帝国と戦っているけどいずれ地球にも押し寄せて来る‼︎ 奴らだけじゃない、他の勢力も‼︎ これは、人類の命運と未来がかかっているのよ‼︎」


杏花「要するにアンタたちは、宇宙連邦政府の命令で動く犬って訳ね。だったらなおさらお断りよ‼︎」


直虎「確かに、最終自衛隊は宇宙連邦政府の管轄下にある。でも残念ながら、宇宙連邦政府は最終自衛隊の出動をなかなか認めようとしないわ。

 だから私たちは今、実質的に独立部隊として動いているの‼︎」


杏花「だったら何⁉︎ 私以外じゃダメな理由でもある訳⁉︎」


直虎「ジェネバスターを構成する5つのアーマード・ギアの一つ、バスター2に記録された特殊遺伝子コード、通称GSCがピッタリ一致するパイロットがあなたなのよ‼︎ バスター2はあなたにしか動かせないの‼︎ お願い…、力を貸して、杏花‼︎」


杏花「もう、ジェネシスだかバスターだか知らないけど、無理なものは無理よ‼︎ いい加減帰るわ‼︎」


直虎「仕方ないわ…、ちょっと荒っぽいけど、ゴメンね‼︎ あなたたち、杏花を取り押さえて‼︎」


 直虎が指示を出すと、隊員たちが一斉に杏花を取り押さえようとした。


杏花「そっちがそう来るなら、こっちも遠慮しないわ‼︎ たぁっ‼︎」


 杏花の鋭いキレのある右ストレートが隊員のみぞおちに入った。


最終隊員A「うおぉ…‼︎」


杏花「どぉりゃあー‼︎」


 続いて杏花の強烈な回し蹴りが隊員の頭部に当たった。


最終隊員B「ぐぅあっ…‼︎ つ、強い…‼︎」


杏花「フン…、私の強さを見くびらないでね‼︎」


直虎「どいて…、私がやるわ…」


 直虎はサングラスを外し隊員たちの前に出ると、ゆっくりと歩いて杏花に近づいた。


直虎「はぁー‼︎」


杏花「どぉりゃあー‼︎」


 杏花と直虎が同時に飛び蹴りを放ち、互いの足がぶつかった。お互いに一歩も引かない格闘戦を繰り広げている。


最終隊員A「何という格闘センスだ‼︎」


最終隊員B「立花司令と互角だぞ‼︎ 何者なんだ、あの少女⁉︎」


 隊員たちは、杏花の格闘センスの凄さに呆然としている。


杏花「はぁ…、はぁ…、やるじゃないアンタ…‼︎」


直虎「あなたもね…‼︎ さすが「マイケル・ティアー」の娘ね‼︎」


杏花「私のことは調査済みって訳ね…。たあぁー‼︎」


直虎「そろそろ終わりにさせてもらうわ…、はあっ‼︎」


 再び杏花と直虎は拳を交え、再び格闘戦を繰り広げた。


杏花「うっ………‼︎」


 直虎は当て身を杏花に当て、杏花を気絶させた。


直虎「ゴメンね、少しだけ眠ってもらうわ。やれやれ、この調子だとあとの3人も一筋縄ではいかなさそうね。かなり疲れているようだから、ゆっくり寝かせてあげてね」


最終隊員たち「はっ‼︎」


 隊員たちは杏花をそっと抱え、安全なところへ運んだ。



 杏花の招集に思わぬ苦戦を強いられた最終自衛隊。残る麻里奈、萌、明日美の三人を無事に招集できるのか?




【次回予告】


ナレーション:十兵衛《じゅうべえ》


 小生ノ名ハ、十兵衛‼︎ 小生ノ名ヲ、インプット、シテオイテクレ‼︎


 ジャジャ馬ナ、オ転婆姫、杏花ヲ何トカ招集シタ、最終自衛隊。


 次ハオ待チカネ、我ラガ宇宙無双ノ、武士《モノノフ》アイドル、皇麻里奈ノトコロヘ、ヤッテ来ルゾ‼︎


 オ主ラ一体、何者ダ⁉︎


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎


 【第8戦記 拙者、音に聞く皇麻里奈でござる‼︎】


 ト言ウ、タイトルデアルト、判明‼︎ 小生モ、楽シミダ‼︎

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