第48戦記 訪れざる宴
美術館デートのあと、北の丸公園で一休みする悠理と明日美。
明日美は眠る悠理にキスをしようとしたが…。
【北の丸公園】
アナウンス「警告‼︎ 警告‼︎ 魔光牙が出現し、緊急事態宣言が発令されました‼︎ 住民は機甲警察の指示に従い速やかに地下シェルターへ避難して下さい‼︎」
明日美(もう…、こんな時に…。はっ…⁉︎)
明日美は悠理が目を覚ますと、急いで座る姿勢に戻った。
悠理「ふぁぁ…。明日美さん、何か来るみたいですよ。あれ、明日美さん…?」
明日美はピクリとも動かなかった。不自然な挙動を見せる明日美を、悠理は不思議そうに見つめていた。
明日美「そ…、そうね…。出動しなきゃ…、ね…」
直虎「みんな緊急出動よ‼︎」
G・T「了解‼︎」
緊急回線が入り、Gトルーパーズの面々は動き出した。
杏花「じゃ、またね‼︎」
渚・朱音・恵美子「また明日‼︎」
真由子「まり〜な、また出陣⁉︎」
麻里奈「うむ。皆の衆、出陣して参るでござる‼︎」
十兵衛「イザ出陣、イザ出陣‼︎」
かけぬけ隊「気をつけてね〜‼︎」
萌「小百合ちゃん、そろそろ」
小百合「そうですわね。時間帯も遅いですし、また明日お会いしましょう‼︎」
悠理にキスをしようとしたのがバレたのでは? と思い緊張している明日美に、悠理は再び声をかけた。
悠理「明日美さん…? どこか、具合でも…?」
明日美「べ…、別に何でもないのよ…‼︎ 私の車で送るから、早く行きましょ‼︎」
悠理「はぁ…?」
悠理と明日美は立ち上がり、車に向かって走り出した。
明日美「それより、ベックリンの絵なんだけどね、「生の島」って言う、《《死の島》》と反対の意味を持つ作品もあるのよ。今回は周れなかったから、また今度見に行きましょうか‼︎」
悠理「はい‼︎ それから明日美さん‼︎」
明日美「なぁに?」
悠理「今日は楽しかったです、ありがとうございます‼︎ 明日美さんのおかげで、一つやりたいことが見つかりました‼︎」
明日美「へぇ〜、どんなこと⁉︎」
悠理「絵を描くことです‼︎ 僕は今まで記憶も何もなくて、どう生きていけばいいか分からなかったんですけど、ベックリンやフェルメールの絵を見て、こんな風に自分を表現して、人に伝えたいって思いました‼︎
僕、美術部に入ります‼︎」
明日美「素敵ね‼︎ いつか私の肖像画も描いてもらおうかしら⁉︎」
悠理「はい、頑張ります‼︎」
明日美(はぁ…、あともう少しだったのになぁ…♡)
明日美は夢や生き甲斐を語る悠理を見て嬉しそうにした。だが、あと一歩のところでキスできなかったことが、少し心残りなのか残念そうな表情をしていた。
杏花「悠理ー‼︎ 明日美ー‼︎」
遠くから、杏花・麻里奈・萌・十兵衛の4人もやって来た。
悠理「みんなも来てたんだね」
麻里奈「偶然にも近くに居合わせたのでござる」
明日美「みんな、私が車で送るわ。急ぎましょう‼︎」
萌「すごくいい車。お願いしまーっすと…」
十兵衛「未来型ノ、高級スポーツカーダナ‼︎」
明日美「少しだけ飛ばすわよ、みんなシートベルトを締めてしっかり捕まってて‼︎」
G・T「OK‼︎」
全員が車に乗り込んだのを確認すると、明日美は少し速度を上げて最終自衛隊総司令部へ急いだ。たどり着くと、全員急いでパイロットスーツに着替え、他の隊員たちや、ミカサ・グレートとともに出動した。
【ネオ新宿区 都心近郊】
G・T「最終決戦部隊、Gトルーパーズ‼︎ ここに見参‼︎」
杏花「みんな、魔光牙なんかさっさと片付けるわよ‼︎」
直虎「いや…、今回はそんな生易しいものじゃ済まなさそうだわ…‼︎ あれを見て‼」
G・T「ああっ⁉」
新東京上空に浮かぶEDEN'S GATEとそこから現れる魔光牙の大群。だがその様子は、近年地球周辺で頻発するものとは少し様子が違った。
穴の中からは天使たちの美しい聖歌と、地獄の罪人たちのうめき声が混じり合ったような、何とも形容し難い不気味な声が響き渡っていた。
「ラァァァァー----、ハァー--…、あがぁぁぁぁはぁぁぁぁーーー‼‼‼
「ひひひひひ…、ひっひっひひひひ…‼‼‼ ぎゃおぉぉぉ‼‼‼」
G・T「ううぅっ…‼」
最終自衛隊一同「あああっ…‼」
杏花「何あの声、気持ち悪い…‼」
麻里奈「邪悪な気配を感じるでござる…‼」
小百合「あら…⁉」
ニコル「来るのか…⁉」
雛菊「ミア‼」
ミア「ああ…‼」
レムル「シャルル様、《《恐ろしいもの》》が…‼」
シャルル「大丈夫だ…。そなたは某が守ってみせる…‼」
政府軍兵A「新東京都にEDEN'S GATEが出現しました‼︎ 通常のものより、非常に高い時空の歪みが測定されています‼︎」
政府軍兵B「それだけではありません‼︎ ネオ・ニューヨーク、ニューロンドン、ネオ・パリなど、地球各国の主要都市で同様の現象が確認されています‼︎」
アーサー「すぐに軍を出撃させろ‼︎」
機甲警察「みなさん、危険ですから絶対にシェルターの外に出てはいけません‼」
拓哉「ちくしょう‼ 外で一体何が起こってるんだ‼」
陸翔「落ち着け、拓哉‼」
浩樹「そうだ、俺たちが動いても何にもならん‼」
玲「恐いわ…」
亜里沙「悠理…」
昇太・松山・竹原・梅澤「あ~、女神まり~なよ‼ 我らに加護を‼」
地球の人々は皆、予期せぬ不安にただならぬ焦りを感じていた。
Dr.エビル「どう見る…?」
ブラドス「《《光の子》》と《《闇の子》》の接触で、近づいて来ているのだろう。《《真世界の扉》》がな…‼」
「ブラドス様、Dr.エビル、私めが小手調べをして参りましょう」
ブラドス「ほう、そなたが行くのか…?」
Dr.エビルとブラドスの前に、赤い十字架のマークが入ったフードを着た男が現れた。この男の名前は「斬風将ハリ・ケーン」。ブラディスト教団の幹部教団員「十血将」の一人で、風を自在に操る能力を持つ。
Dr.エビル「《《聖血なる神々》》と「聖血の契り」を交わし、宇宙万物を操る力を手に入れたという10人の「聖血士」、十血将か…」
ブラドス「頼んだぞ…、ハリ・ケーン…」
※斬風将ハリ・ケーン=以下、ケーンと略。
ケーン「では、行って参ります。はぁっ‼」
十字軍兵たち「うおあぁぁぁ‼ す、すごい風だ‼」
ケーンは全身に風をまといながら飛び立ち、目にも止まらぬ速さでターミナル・コアの中を駆け巡り、地上に出て新東京都へ向かった。
「ひひひひひ…、ひっひっひひひひ…‼‼‼」
萌「耳がおかしくなりそう…」
十兵衛「敵ノ数・規模、測定不能‼」
悠理「直虎さん、どうすればいいんですか…⁉」
直虎「私にも分からない、こんなのは初めて見た‼」
レーチェル「聴覚を通して脳波を狂わせる、異常な周波数が検知されているわ‼︎ 普通の人間が聞けば、精神崩壊や意識不明の重体、最悪の場合死に至る可能性もある‼︎
ノイズキャンセラーで何とか押さえ込んでいるけど、それでもこの不快感は完全には取り除けない‼︎」
明日美「目の前の敵に集中して、気を紛らわせるしかなさそうね‼」
直虎「各機、散開して魔光牙の迎撃に………⁉ あ、あれは何…⁉」
G・T「ああっ…⁉」
一同がEDEN'S GATEに目を向けると中から光が差し込んでおり、光とともに、白色の西洋甲冑をまとった騎士のような、槍を持った巨大な兵士が舞い降りてきた。
その兵士は神々しいオーラを放ってはいたが、敵意は剝き出しであるのがその場にいた者全員にすぐに分かった。
萌「何あれ?」
麻里奈「天使でござるか?」
杏花「んな訳あるか‼」
「……………………」
巨大な兵士は地上に降り立つと、目を怪しく光らせ、Gトルーパーズを睨みつけた。
福山「どう見ても話し合いが通じる相手じゃないよな」
レーチェル「ええ…」
十兵衛「敵ノ戦闘能力、未知数‼」
「我ハ…、エデンノ守護者…、「創世兵士」…‼」
明日美「創世兵士…⁉」
創世兵士「我ハ…、愚カナル全テノ生命ヲ…、滅ボス…‼」
創世兵士は目を激しく光らせ、槍を向けた。
悠理「直虎さん、合体します‼」
直虎「ええ、遠慮せずに全力で戦いなさい‼」
悠理「チェンジ、ジェネシック・フォーメーション‼︎」
G・T「ジェネバスター、起動‼︎
波動合神‼︎ 最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター‼︎」
創世兵士「《《光ノ子》》…‼」
ジェネバスターに合体すると、創世兵士は少し驚いた様子を見せた。
直虎「Gトルーパーズ、攻撃を創世兵士に集中して‼ ミカサ・グレートも後方支援に回るわ‼ 他の隊員は各自、魔光牙の迎撃に当たって‼」
最終隊員たち「はっ‼」
G・T「了解‼︎」
杏花「最初から大技でいくわ‼︎ どおりゃあぁぁっ、Gコレダー‼︎」
創世兵士「無駄ダ………」
杏花「そんな⁉︎ 傷一つつけられないなんて‼︎ きゃあっ‼︎」
杏花はGコレダーを放ったが、創世兵士に傷一つつけられず、槍で薙ぎ払われてしまった。
萌「あたしも全力でいくよ‼︎ Gミサイル、Gバルカン、全弾発射‼︎」
直虎「Gトルーパーズに続けて攻撃よ‼︎ 大型巡航プラズマミサイル、連続発射‼︎」
創世兵士「ムウゥゥゥゥン…‼︎」
萌・直虎「そんな⁉︎」
創世兵士は萌とミカサ・グレートの同時攻撃を、槍を一振りして全て切り払った。
明日美「ビームだったら切り払えないでしょう‼︎ 麻里奈ちゃん、十兵衛くん‼︎」
麻里奈「承知‼︎ 十兵衛、ともに参るぞ‼︎」
十兵衛「合点ダ、合点ダ‼︎」
麻里奈「Gパルス、最大出力でござる‼︎」
十兵衛「超量子エネルギーヲ、両腕部ヘ送電開始‼︎」
十兵衛は超量子エネルギーをジェネバスターの両腕部に送信し、Gパルスを渦を巻くようにして両腕部全体にまとわせた。
十兵衛「送電完了‼︎ イツデモイケルゾ‼︎」
麻里奈「Gパルスウェーブ最大出力、照射‼︎」
創世兵士「ウオォ…、ウ、動ケン…‼︎」
麻里奈がGパルスを最大出力で放ち創世兵士の動きを封じると、明日美はすぐさまGバスターライフルを構え、ミカサ・グレートも全ての砲身を創世兵士に向けた。
明日美「ナイスよ、麻里奈ちゃん‼︎ 立花司令、ハイパーアドミラル砲を同時発射でお願いします‼︎」
直虎「ハイパーアドミラル砲だけと言わず、バイスアドミラル砲、連装プラズマキャノンに、プラズマレーザーもつけてあげるわ‼︎」
明日美「超量子エネルギーフルチャージ‼︎ Gバスターライフル、マキシマムファイア‼︎」
直虎「全砲座、創世兵士に目標をセット‼︎ ハイパーアドミラル砲、バイスアドミラル砲、連装プラズマキャノンにプラズマレーザー、一斉発射‼︎ 撃てーーー‼︎」
創世兵士「ウ…、ウオォォォッ…‼︎」
「ドゴオォォォン‼︎」
Gバスターライフルの最大出力とミカサ・グレートの一斉砲撃が同時に命中し、大爆発を起こした。
レーチェル「少しは効いたかしらね…」
福山「いや、あれを見ろ…‼︎」
全員「…⁉︎」
創世兵士は両腕に力を込めてバリアを全身に張り巡らし、攻撃を全て防いでいた。
明日美「そんな…⁉︎」
悠理「スピリットフィールドが使えるのか⁉︎」
創世兵士「少シ遅ケレバ…、危ナカッタ…‼︎ 次ハ…、我ノ番ダ‼︎ オォォォッ‼︎」
麻里奈「あぁっ‼︎」
萌「すごいパワー‼︎」
創世兵士「貫クッ‼︎」
G・T「ああぁぁぁっ‼︎」
創世兵士は甲冑を開き胸から強力なビームを放ったあと、槍で突いてジェネバスターを吹き飛ばした。
明日美「スピリットフィールドで防ぎ切れない‼︎」
杏花「これじゃ、リジェネシステムの自己回復と自己供給が間に合わないわ‼︎」
悠理「まだ、ムラクモソードがある…‼︎」
萌「悠理くん?」
麻里奈「悠理殿⁉︎」
十兵衛「何ヲスル気ダ、悠理⁉︎」
悠理はジェネバスターを立ち上がらせ、ムラクモソードを取り出して構えた。
明日美「無茶よ、悠理くん‼︎」
杏花「そうよ、少し冷静になりなさい‼︎」
悠理「もう…、やるしかないじゃないか…‼︎ うおぉぉぉっ‼︎」
直虎「悠理くんっ‼︎」
創世兵士に無謀にも立ち向かう悠理。
悠理には何か作戦があるのか?
【次回予告】
ナレーション:大河内輝彦
Hi‼︎ My Name is Teruhiko Okochi‼︎ Nice To Meet You‼︎
ミスター大和、大丈夫かな?
かなりダメージを受けているみたいだけど、そういうアンリーズナブルは、ナンセンスじゃないかな?
ニューエネミーも来そうな予感がするしさ…。
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第49戦記 闘覚の芽生え】
と言うストーリーさ。レディーたち、エンジョイして待ってるんだよ‼︎




