プロローグ
今よりはるか昔、神話の時代。
人間と神の『人神戦争』が起こる。
きっかけは1人の少女が神の目の前を通り過ぎた。
神は『邪魔だから』と言う理由で少女の首を跳ねた。
少女の兄は悲しみに暮れ復讐を誓い、神と戦い始めた。
戦い続けるうちに、やがて同志が集い、戦火は瞬く間に拡がった。
少女の兄は次々と神を斬り続けた代償に、片腕を失った。
だが、片腕になっても300の神を屠ったその男を、神々は恐れ『隻腕の虎』と呼び、忌み嫌った。
神の軍勢が滅びゆく中、かつて少女の兄の片腕を奪った最強の獣『狼の王』が最後まで立ちはだかった。
狼の王は神の創造物たる人間の反逆に狂気じみた怒りを覚えていた。
剣は折れ、牙も折れ、お互い満身創痍になりながらも死闘は続く。
決着は一瞬だった。
隻腕の虎は折れた剣を狼の王の肩口から胸を引き裂いた。
同時に狼の王は隻腕の虎の左肩に噛み付いた。
肉を裂き、骨を砕かれながらも隻腕の虎は残された右腕の剣に己の全身全霊の力を込め、狼の王の首を跳ねた。
「おのれ……人間め……」
首を跳ねられた狼の王の巨躯は力なく倒れた。
そして最後の抵抗する神、狼の王が斃れることにより、人間が勝利した。
見守っていた人間達は勝鬨を上げた。
人々はその男を、王と崇めた。
しかし、王となった隻腕の虎は早々に退位。
表舞台から姿を消す。
そして、時は巡り――
――現代




