第1話:聖女の誕生と「神聖な空間」
地方都市、Y市。
山々に囲まれ、夜になれば駅前の数少ない街灯だけが弱々しく灯るこの街は、神代麗子にとって「逃げ場所」であり、同時に「聖域」でもあった。
私は、出向先であるこの街の高校で、英語教師として働く彼女に再会した。
高校の同級生であり、大学時代に一時期だけ付き合った女。163センチの、81-68-90という均整の取れた肢体。だが、私たちはすれ違いが多く、それほど深い仲にはならなかった。知的な眼鏡の奥に一切の迷いを許さない厳格な今の彼女に、かつて少しだけ触れた肌の記憶を、私はなんとなく重ね合わせる程度だった。
その彼女が、すべての過去をロイヤルブルーの「規律」の下に封印し、孤独な戦いに身を投じているなど、当時の私は知る由もなかった。
放課後、まだ部活動の生徒たちの声が遠く響く校舎。
職員室でプリントの整理をしていた麗子の脳内に、突如としてけたたましいアラートが響いた。
『エクリプスの構成員、怪人ドロル群がY駅前の商店街に出現』
「……っ!」
彼女は足早に席を立ち、人目を避けるようにして薄暗い女子更衣室へと駆け込んだ。
誰かが忘れ物を取りに来て扉を開けるかもしれない。そんな焦燥感とスリルが、彼女の呼吸をわずかに荒くさせる。
ロッカーの陰に身を潜め、彼女はスーツのジャケットとタイトスカートを素早く脱ぎ捨てた。
素肌の上に直接穿かれているのは、清潔を象徴する白のフルバックパンティだ。しかしそれは単なる無地ではない。腰のサイドには高強度・低伸縮性の黒いストラップが食い込み、前面には小さな黒いリボン。そして白地には、微細な黒糸で「月下美人の棘」の刺繍が施されている。
その中央、下腹部の位置にブローチのように固定されているのが、正義の象徴「ブルークリスタル」だ。
彼女はその白い聖域を覆い隠すように、ナチュラルな肌色のパンストを引き上げた。伝線を防ぐように慎重に腰まで手繰り寄せる。パンストの薄い膜越しに、黒い刺繍の輪郭と、クリスタルの無骨な膨らみがうっすらと透けて見えた。
次にブラウスを脱ぎ、ブラジャーのホックを外す。
剥き出しになった胸元。彼女はポーチから無機質な円い粘着布を取り出すと、過去のトラウマを封じ込めるように、過敏な「右側」を優先して二つの突起にニップレスを貼り付けた。女としての感覚を物理的に封印する、これが彼女の「最後の理屈」だ。
そして、圧縮携帯されていたロイヤルブルーのレオタードを手に取る。
ファスナーのない強弾性繊維の檻に脚を滑り込ませ、身体をしなやかにねじりながら肉体を押し込んでいく。生地が全身を覆った時、彼女は万力で締め上げられるような凄まじい拘束感に包まれた。豊かな乳房は無慈悲な圧力で平坦化され、ニップレスが生地の裏側から強い圧迫を受ける。
パンストの上にブーツを履き、目元を隠すマスクを装着。
仕上げに、彼女はミドルレッグの裾ゴムを両手で掴み、力任せに引き下げてから、静かに手を離した。
パチンッ。
鋭い音と共に、強靭な裾ゴムが脚の付け根に深く食い込み、パンストと下着を内側へ密封する。この「神聖な空間」の結界が、彼女の脳に「戦闘開始」の信号を送った。
「完璧……。これが、私の規律」
彼女は凛とした声で呟き、窓から一気に夕暮れの街へと飛び出した。
Y駅前の商店街では、泥のような粘液を垂らす下級怪人ドロルたちが人々を追い詰めていた。
「そこまでよ、醜い怪物たち!」
鮮やかなロイヤルブルーの軌跡を描き、セイントレディが舞い降りる。
「はあっ!」
鋭いハイキックがドロルの頭部を砕く。どれほど激しく脚を上げようとも、レオタードの裾ゴムは微動だにせず、パンストの下の白いパンティを死守していた。激しい躍動のたび、レオタードは強烈な締め付けで筋肉をサポートし、疲労を「正義の重み」へと変換していく。
(このレオタードの結界がある限り、私は誰にも屈しない)
彼女は戦いの中での全能感に酔いしれていた。この窮屈な規律こそが、自分を無敵にする鎧であると盲目的に信じて。
だが、麗子はまだ知らない。
自分を守るはずのこのロイヤルブルーの生地が、やがて敵の愛撫を「翻訳」し、絶望的な快感の増幅器へと変質していく未来を。そして、強靭な裾ゴムの向こう側に秘められた「白い聖域」が、ドロルたちの卑俗な嘲笑の下に晒される日が、すぐそこまで迫っていることを。
• 変身プロセスの視覚補完(シーン1)
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• 裾ゴム密封の背面(シーン9)
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• 裾ゴムの“遊び”と装着直前(シーン15)
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• クリスタル位置の構造図(シーン17)
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