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オッサンだってキャバ嬢戦士だもん!  作者: オレイカルコス松村
終わりの章 俺とキャバクラ
53/59

52drink「敵襲」

「奇襲」を「敵襲」に変更しました。

 

「敵襲だ!! お前ら起きろぉーーー!!!」



 ……え?



「き、敵襲って……どーゆー事ですか?」


「あ? そのままの意味だ! お前らは早く戦闘の準備に取り掛かれ! ……くそっ! あいつらは何をやってたんだ!?」



 ……何が何だかさっぱり分からない。

 敵襲って言われても、異形之者(オキャクサマ)はもう来ないってゲスデゲスさんが言ってたし……。

 それに、あいつらって……?

 分からない事だらけだ。

 だが唯一、その敵襲が原因でフクロウさんが慌てている事だけは分かった。


 すぐさま走り出そうとするフクロウさんの手を引き、俺は問いただす。



「フクロウさん! 全然話が掴めないんで、せめて襲ってきた相手だけでも教えてもらえますか!?」


「……ゲイヴァーだ。 目的の為なら手段を選ばない、厄介なヤツらだ!」



 ゲイヴァー?

 いきなり分からない名前が出てきたな。

 話の内容から察するに、あまり友好的な間柄ではなさそうだが……。

 それが敵襲してきたって事か。


 政府に連絡でもとろうとしてるのか、自室へ走っていくフクロウさんを見て、俺も皆んなを起こさなければと思い立つ。



「ギャルるん! ハガネ! ヒゲ子! 皆んな起きて!!」



 敵襲って事は、この店も少なからず壊される可能性がある。

 扉などは真っ先に破られるだろう。

 もしそうなれば、俺は元の世界に戻れなくなるかも知れない。

 それだけは阻止しなければ。



「……ん? きば美っち、どぉしたの?」


「ゲイヴァーって言うのが攻めてきたみたい。フクロウさんが、私たちも早く戦闘準備に取り掛かれって」


「ゲイヴァー……? あ、確か……あの呪われた孤島の民族の名前がそーだっけ?」


「え? ギャルるん知ってるの!?」



 さすがギャルるん。

 俺の知らない事をサラッと説明してくれる。



「あたいも聞いた事があるだけなんだけど、お客様がこの国に来る前までは、よく対立してたらしーよぉ?」


「そうなんだ?」


「ん……。どうかしたのか?」



 ハガネも起きてくれた。

 あとはヒゲ子だけ。



「ヒゲ子! ヒゲ子も起きて! なんか前に対立してたゲイヴァーってのが攻めてきてるみたいだから、早く応戦しないと扉が壊されちゃうの!!」


「なに!? そうなのか!?」


「……ん、パパ……うるさい」


「ヒゲ子っち! 寝ぼけてないで起きてぇ!」


「よし。ヒゲ子が起きるまで、我が運ぶぞ!」


「ごめん! ハガネお願い!」



 ハガネがヒゲ子を背負い、俺たちは一旦武器を取りに調理場へ向かう。

 走りながらギャルるんが俺に話しかける。



「でも、応戦するとしても、あたい達だけじゃキツくない?」


「さっきフクロウさんが自室に走って行ったから、多分応援を呼んでると思うんだけど……」


「ゲイヴァー……と言ったか? そいつらがどのくらいの規模なのかも分からないのか?」


「あ、ごめん……聞き忘れた」


「う〜ん。取り敢えず、きば美のシャングラタワーは用意しといた方が良いんじゃない? お客様以外にどれ位通用するか分かんないけど」


「うん、そうだね。……けど」


「けど……?」


「ううん。何でもない。さ、早く準備しよう!!」



 もしシャングラタワーを使うとしたら、俺の酒気も減る事になる。

 この敵襲のせいで店の解体自体は進む事は無いだろうが、それでも転移に必要な酒気量が分からない以上、消費は最低限に収めておきたい。



「シャングラタワー、20組はできそーだね? 良かった余ってて」



 前回の闘いで使い損ねたシャンパングラスを、俺と同じようにタワー状に積み重ねて行くギャルるんとハガネ。

 もともと仲間の回復用にとっておいたものだが、タワーに注ぐお酒を替えれば攻撃用に使える。

 お酒は……攻撃力重視のアルコール強めで値段の高い物を置いておこう。



「私のを手伝ってくれるのは嬉しいんだけど、そっちの準備は終わったの!?」


「あたい達は後でいーの。きば美のが1番戦力になるんだし」


「でも……」


「だいじょーぶ! もう直ぐ終わるし!」


「……くそ! どいつもこいつも使えんヤツらだ!」



 そこに悪態をつくフクロウさんが戻って来た。

 言動から考えると、嫌な予感しかしない。



「ど、どうかしたんですか?」


「政府どもは、元々こちらに送る予定だった兵士を寄越すようだ。だが、若干遅れるらしい……」


「え……、遅れるってどのくらいですか?」


「『ここが落ちるまでには間に合うだろう。壊す予定だった物が壊されるだけだ。お前達は無理に応戦せず、退避していろ』だとよ。フザケんな! 私の店だぞ!! 改装ならまだしも壊されるなんて黙って見てられるか!!」



 おいおい……マジかよ。

 扉が壊されるの確定じゃないか。

 これ、酒気をケチっている場合じゃないかも知れないな。



「あ、そう言えば、そのゲイヴァーって人達はどのくらいの人数で攻めてきてるんですか?」



 あくまで異形之者(オキャクサマ)との経験でしかないが。

 100人くらいなら、そんなに酒気を使用しなくても蹴散らす事は出来るハズだ。

 消費する酒気が少なければ、皆んなに手伝ってもらって貯めてから帰れる。



「そういえば言ってなかったな。ヤツらの総数は目算でしかないが、……ざっと1万だ」


「「「「い、いちまん!!??」」」」



 なんだその数! ケタが違うじゃねーか!!!

 応戦とか言うレベルじゃねーぞ!!

 そんなのに参加したら、確実に死ぬだろ!?

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