11.5話(5/30 挿絵追加)
【カキーン】
「ごめん遅くなった。」
斬られたと思っていた首はまだ繋がっており、目の前にはシンが2刀を抜いてカズキの剣を抑えて、立っていた。
「シン!おまえなにやってる?モンスターをかばうのか?」
「そうだ!なにもわからない僕の話を真面目に聞いてくれた、新しい仲間だ!」
「シン!なに言ってる?おまえはモンスターに騙されているだけだって。」
カズキが、鍔迫り合いから、シンに押され一歩引く。
だが、まだ大剣は構えたまま、戦う姿勢は壊していない。
「あの時は確かに動揺して、錯乱っぽくなっていたのは、僕だ!
だから、何を言われても、しょうがない!
でも、僕は本当に何もわからなかったんだ。この世界以外の事全て何も覚えてない!だから、友達って言葉も感覚もわからなかった!
わからないからわからないって言ったのに一方的にキレたのはカズキ達だ!
何もわからなく不安でいっぱいな僕は、仲間にも見捨てられ、前にも進めず後ろにも行けず、どうしようも出来ない所で、自力でみつけた光、その光をやっと手繰りたどりついた仲間がこの今のみんななんだ!だから、傷つけようと、するなら、例えカズキでも、リンでもミッキーでも容赦しない!僕は死んでも今の仲間を守る!」
…シン、、。
ミッキーが、魔法を解いてシンの所に泣きながら走り寄る。
「シンさん、、ごめん、、なさい。気が、、付かず、、辛い思い、させて、、ごめん、なさい。」
「ミッキー。」
「ミキは1人でも、、シン、、さんの方、、につきます!」
ミキが、リンとカズキを見ている!
「なぁ、リンどうする?」
「私はもうやめる!シンと戦う事は出来ない!」
「そうか、じゃあオレもやめだ!」
「カズキ、、リン、、。」
「シン!おまえ記憶喪失って本当なのかよ。」
「そうだよ。いつから人間界の記憶が無くなったかも、わからないけど、この異世界から出れないっぽいのは2日前からだと思う。みんなで戦いに行った記憶はあるんだ。象のボス倒した記憶とか、ただそのみんなが、帰る人間界だけの記憶がない。」
シンの話にカズキとリンが唖然となり、聞いている。
「じゃあオレと言いあいした時って、、。」
「うん。1番なにもわからない時だったよ。」
「マジかよ、、。全然わからなかった。オレはてっきりシンが、おかしくなっちまったとばかり、、。」
「実際おかしかったから、そこはしょうがないかもしれない。」
「シン!そもそも、このモンスター達はなんなんだよ?新種のモンスターとは違うのか?」
「このモンスター達は見た目はモンスターだけど、中身は僕ら同様元は人間みたい。
普通に感情を持たないモンスターもたくさんいるけど、中にはこういう、人間がこの世界に来てるモンスターもいるらしい。それを僕もさっき聞いたんだ。
しかも、ジュンに限っては赤く光る赤魔族で、痛覚は、僕らの3倍らしい。僕は今この世界の痛覚しか記憶がないけど、みんなが言うには人間界の痛覚と一緒みたい。」
カズキが、オレを見て何か勘付いたようだ。
「シン!ひょっとしてあのゴブリンか?」
シンが、こっちを向き頷いている。
それを聞きカズキがこっちにやってくる。
「シンが言ってる事は本当か?」
『あー本当だ。』
「赤魔族はおまえしかいないのか?」
『今の所そうみたいだ。』
「じゃあ、おまえグロック達20人に惨殺されてたのはおまえか?あの時土下座してたのもおまえか?」
『思い出したくもないが、その通りだ。土下座したらなんとかなるかと思って、それしか案が浮かばなかったから、そうしたんだ!言葉も通じないし!でも結果は見てたんだろ?』
「あー!。見てた。あんな酷いやつは見た事がない!いったいどのくらい痛い?」
『痛さか?人間界に帰ったら包丁で腹を右から左に斬ってみな!そのくらいの痛さだ!』
みんながその言葉に絶句してる。言い過ぎてしまっただろうか?
でも現実的にそのくらいで、あの時はそれ以上痛かっんだから、嘘にはならないはずだ。
「マジか?オレも今さっきみんなを殺そうとしてたんだから、残酷なグロックと大差ないな。
知らなかったとはいえ悪かった。シンの為に色々考えているなら、うちら、3人も仲間に入れて貰えないか?
シンとみんなの為に力になりたい!」
『キッド!マイ!アキねぇ!』
オレはみんなを見たら、
みんなは快く頷いていた。
…みんなさっきあれだけ、襲われたに、オレの仲間は優しい心が広いやつばかりだな!
『わかったよろしく頼む!』
「こちらこそ、よろしく。シンもまたよろしくになりそうだな。」
「また一緒に行動出来て嬉しいよ。」
「相変わらず恥ずかしめも無く、それを言えるとこは人間界の記憶が無くても変わらないな。それを言われちゃかなわないな。オレはカズキ大剣使い、そしてこっちが武闘家兼弓使いのリンに、内気なのが、攻撃特化の魔法使いのミッキーだ。」
『わかったこちらも自己紹介するから、とりあえずみんなシンが言葉のスキル持ってるから、シンと一緒にスキル覚えてくれないか?』
「みんな、スキル余裕ある?」
「シンがくだらないスキル覚えても無駄だから、覚えるなって言ったのシンだろ?だから、大丈夫だ。」
「私スキル覚えるの初めてかも。」
「ミキ、も、、です。」
「じゃあみんなでとっとやっちまうか?」
4人で本を開き、みんなでスキルを覚え、みんなでスキルを使った。
これで、やっと全員で会話出来る!
『青魔族のキッドだ。よろしく。』
『同じく、青魔族のマイミです。今日までだけど、よろしく。』
「ジュンさん今日までって?」
リンが不思議そうにしている。
周りを見回すとリンだけで無く今日仲間に加わったみんなが、不思議そうな顔だった。
『青魔族には期限があるんだ。そこらへんの更に詳しい話は魔族村に向かいながらみんなにも話す。』
「ア、、キ、、、で、、す。」
アキねぇは相変わらず、まだ人に慣れないらしい。
『アキねぇ。プレイヤーじゃなくて、オレら見て話してみ。』
「アキです。29歳です。よろしく。アッ!ジュン君!話せたよ。」
「29なの?」
カズキが、驚いてる!
「ちょっとジュン君!カズキのデリカシーがない所キッドがよく言う事にそっくりなんだけど、脳のなかは2人共骨なんじゃないの?」
カズキとキッドがお互いを見ている
「『こんなやつと一緒にすんなよ』」
…被ってる!
…以外と双子だったりして。
『でもアキねぇ話せたじゃんか!やっぱり!相手の目を見ないとか、無理しなければ、少しずつ、多分よくなるよ、そして、オレがジュン!一応異世界に来てまだ6日目だけど、みんなよろしく。』
こうして、異世界に来て6日目は、新しいプレイヤーの仲間が4人も増えた。
モンスター3匹と、プレイヤー5人の異種パーティはぞろぞろと、魔族村に向けて移動を始める。
色々お互いの知ってる異世界の話や、今後の人間界の行動などを相談しながら、、、、。
この時もうすでに異世界の半分近くの時間が過ぎようとしていた。
アキねぇの池を越えて少し行ったときだった。
プレイヤーのマップから音がした。
【ピコン!】
「どういう事?」
「あれっ、、、赤、、魔族、、は、、ジュン、、さん、、だけ、、って、言ってません、、でし、、たっけ?」
「オイ!みんなこれよく見てくれ!
」
カズキのマップにマップを持ってないうちらモンスター組が集まる。
…緑?
…緑の星6?
…緑の星6ってなんだよ。聞いたことないぞ。




