9.6話
シンのいる村の側まで着いた。
ここから、村が見える。
村では、アキねぇに聞いていた通り、ハロウィンのお祭りっぽい感じの飾り付けで賑わっている。
…そんな季節か?
…みんな人間界から転生されてきてるから、そんな祭があってもおかしくはないな。
『じゃあさっき話した通りオレとアキねぇの2人で行ってくる!アキねぇシーツ貸して!』
『ホントにこんな作戦で大丈夫かよ?』
『これよりいい案あるかよ。じゃあアキねぇ被せて。』
「はーい!」
オレはアキねぇが被っていたシーツを被った。
『ハハハハ。ジュンそれじゃリアルETじゃんか?それっぽくピョコピョコ動いてみ。』
歩幅を小さくして、一周回って見た
『アハハハ、ジュン君!よく似合ってるよ。』
みんなに大笑いされている。
『ジュン!そのまま、ジュンお家に電話って!言って見て。』
…キッドめ、前の仕返しか?散々やって笑ったからな。因果応報だな。
『ジュンお家に電話!』
『あははははは。はははは。』
…みんな笑いすぎだ!
…特にマイ!腹抑えるくらい笑うなよ!
…そうかキッドの笑われる気持ちってこんな感じなんだな。
まあ別に嫌な感じではないが
バカにされてる感が否めない。
アホ共は放って置こう。
キリが無い!
『じゃあスキル使うぜ。ハー!』
オレは体の一部を変換するスキルを使った。
そう!オレ達が立てた作戦は、
アキねぇ1人だとシンと上手く会話出来ないから、
オレもシーツを被り、腕を変換スキルで人間の腕に変えて、
人間がお化けに仮装してます。
ザ!シーツ被せてETに似せて!実は中身は本物のモンスターなんですよ。でも正体は内緒だよ作戦!
ETより、腕が人間だから、かなり、リアルに人間っぽい感じでいけるはず!
で、村で会話出来るスキルの本を買いオレが早々スキルを覚えて、交渉はオレがやり、ドレインの魔法の本を、貸してもらい、アキねぇが覚えて、ありがとう、爽やかにバイバーイと手を振りそそくさと撤退する。作戦だ。
完璧な気がしてならない!
スキルを使い腕が人間化した。
『おー!ジュン君凄いよ!ちゃんと人間の腕に見えるよ』
『でも、ETからは少し遠ざかったな。アキねぇジュンの横に並んでみて』
「こう。」
『キッド!なんかそう言う姉妹に見えない?』
『いるいる!こう言うの!妹が仮装して、それに付き合うお姉ちゃんみたいな!』
『まあ姉妹に見えるなら、作戦的には大丈夫なのか?オレ自分が今どうなってるかよくわからないから!』
『うん。大丈夫だと思うよ。』
『そうかぁ?じゃあアキねぇ行こうか?』
「そうね。時間も少ないから、早く行った方がいいかもね。」
2人は村に向かって歩いて行く。
『ジュン!プレイヤーに捕まったらガラクタ集めて、通信機作って、オレに助けを呼ぶんだぞ!』
…最後までETネタかよ。
…全く人ごとだな。
オレは振り返らずそのまま人差し指を天にかかげながら、そのまま、アキねぇと村に入って行った。




