9.2話
藁が顔にかかりくすぐったい。
…そうか?ここは穴蔵か、
もうアキねぇの魔法も切れて体が動く。
藁をどかして、出口を見ると、もうすでにキッドと、マイがいた。
『おはようジュン君!』
『よぉジュン!』
『おまえら』
オレは2人に駆け寄り、
ギュッと抱きしめた。
『ホント馬鹿やろうだ、、。あんな作戦たてて、、、。』
『大丈夫だよ。ジュン君!痛いは痛いけど、そこまで耐えられない訳じゃ無いから。ねぇ。キッド。』
『まぁ、ジュンが斬られる痛みに比べたらこんなの屁みたいなもんだろ?』
『でも、こんな死ぬ代わりなんていくらなんでも頼めないよ』
『そぅ言うなよ。まぁオレもマイミも自主的にやってる事だし、ジュンだって、もしマイミや、オレが逆の立場だったら、同じ事したんじゃね?』
…確かに逆の立場なら同じ事したかもしれない。
…しれないけど、、、、。
『ジュン君!仲間ってこんな感じだからジュン君は何も気にしなくていんだよ。』
『いつも迷惑ばかりかけて、ごめんな、、。』
『マイミ!頼りになると、思ったり、よく泣いたりうちのリーダーは、忙しいリーダーだな。』
『ははは。そうだね。まぁ毎日新鮮で退屈はしないけどね。』
…こいつらマジ最高な仲間だ。
周りを見渡したが、アキねぇの姿はなかった。
『やっぱりアキねぇは森には転生されないんだな。』
『私もそれ、ジュン君がここに今来るまで、キッドと話していたんだけど、モンスターがやられたとこにプレイヤーもすぐ転生されたら、
モンスターって何もできずにやられちゃうだけじゃない?
だから、多分鬼ごっこみたいになってるんだと、思う。
私達が常に逃げる側で、プレイヤーは時間が経ったら追って来る鬼みたいな感じなんじゃないかな?
そうじゃないと、あんまりでしょ。
転生された瞬間殺されるなんて、いくら神様でもそこまで酷くは無いんじゃないかとさっき話していたんだ。』
…なるほど、そうかもしれないな。
『じゃあちょうど昨日待ち合わせしてた場所に向かうか?』
3人は立ち上がり、昨日アキねぇと知り合った池に向かい歩き始めた!
…アキねぇ。今頃、村かな?
歩きながらオレは自分の腰を触ったが、ナイフはなかった。
武器はアキねぇが持ったままちゃんと転生されたようだ。
…アスピルの魔法上手く行くといいな。
異世界に来てオレの5日目!
何が起こるかわからない
ヘンテコパーティの冒険が今日も始まる!




