5.3話(1/19挿し絵追加)
いた!昨日のゴブリンだ。
『どーも。あのー。』
『ちょっと待って。ここでの立ち話は危ないわ。近くに私達が住む村があるから歩きながら話しましょう。』
『はい。』
女の人だった。
いやいや違った、女の子のゴブリンだ。
人ではない。
『あなた、ここに来て何日目なの?』
『えっ?はい。今日で3日目です。』
『どのくらいこの世界の事知ってるの?』
『さっぱりです。』
『みんなそんな顔するんだよね。
初めは、普通は村の側から始まるらしいのが一般的だから
みんなそんな苦労しないんだけど、
あなたはかなりレアなパターンね。
ただついてないだけなのかな?』
『すいませんこの世界ってなんなんですか?』
『あー。あなたなんだと思う?』
『敵役になったリアルRPGですかね?』
『なるほどー。面白い答えね。でも半分は正解かも。』
『いろんな説があるのよ、私も村の仲間から聞いたんだけど、神様の暇つぶしなんていうのもいたわね。詳しくは私もわかんないけど、敵役になったリアルRPGねぇ。ほぼそんな感じだけど、かなり、奥が深いらしいの。
詳しい話は魔族長に聞きましょう。』
『一つだけ、質問いいですか?』
『はい。いいわよ。』
『あなた人間ですか?』
『あなた、目付いてるの?この緑色の肌見て、人間に見える?』
『いやーそうではなくて、人間界から来てるんですかってことなんですけど。』
『あーそういう質問。そうだよ。私も人間界から来てる、いや、来させられてるといった方がいいのかな?まぁ後4日の辛抱だけどね。ほらついたよ。』
…なんだこれ?村なのか?
…遺跡チックな村だな。
『あっそうそう。自己紹介がまだだったね。私はマイミ。マイってよんで。昨日は助けようとしてくれてありがとうね。』
『オレジュンです。よろしく。』
『じゃあジュン君いこー。魔族長のとこ。それと、もうよそよそしいから、
敬語じゃなくていいから。
なかなかゴブリンって少なくて会えないから、私も嬉しいんだよね。』
そう言われ、
手を引っ張られ、村に入る。
…これが異世界の魔族の村か。
それはもう!ホント異世界!
異世界って言うより海外にありそうっちゃありそうな気がした。
村こそ海外にはありそうだが、中にいるのがモンスターがいる事で異世界の村って感じ。
色んなモンスターがいる。みんな笑顔だ。
動物っぽいモンスターが多い!
動物をモチーフにして、モンスターに変化してる感じと言ったらわかりやすかな?
とりあえず全員2足歩行そこだけは変わらない。
何体か、羽根が生えた奴もいる。
…あの羽根どのくらい飛べるのかな?
…あの羽根があって、飛べるならオレも簡単には捕まらないのに、、、。
…なんでオレはゴブリンなんだよ、、。
…耳が良くてもなぁ、、、。
そんな感じで周りを見渡しながら考えていた。
パッと見さまざまなのが、50人くらいはいる。
それはもちろん新鮮過ぎる光景だ。
上を見上げると、見張り小屋が3ヶ所。
そこには魔法を使いそうなモンスタが3匹と見張りように、あたりをキョロキョロ見回すモンスターが3匹、
あたりを警戒しながら、鎮座している。
『オー、マイミちゃん。新人かい?』
『毛玉おじさん。そうそう。森でナンパされちゃって。てへっ。』
『ふーん。』
おじさんが何か言いたそうにこっちを見ている。
…いやしてないしてない。
ブルブル手を振って否定した。
それでも怪しい眼差しで、こっちをみてた。
『ちょっとマイさん。』
『敬語禁止っていったでしょ。マイでいいから。』
『じゃあ、マイ。』
『ん?なーに?』
オレナンパなんてしてないよと言おうとしたが、なんとなく。声をかけたのはオレからだし、まだよそよそしい関係で、はなす話でもないので、言いかけて、辞めた。
『いやーなんでもない。』
『変なジュン君!!。』
その後も魔族長に合うまで、マイはいろんな仲間に声をかけたり、遠くのモンスターには手を振ったりしていた。
みんなもマイをしたっている感じだ。
こんな人懐っこい子が、誰かに恨まれ。ここの世界にいるなんて、
到底想像がつかない。
かといってそこらへんは、多分みんな触れて欲しくないタブーな所、
なんで、ここに来てるの?なんて、
簡単に聞けるわけもなかった。
オレが聞かれても、真面目に答えるかどうか。判断に困る所だ。
それだけ人に言えない恥ずかしい事をしてきたのだ。
そんなこんなで、歩いていると、
ここの村の族長の家らしき、とこについた。
『ここだよ。ジュン。さぁ入ろっか?
聞きたい事もあるでしょう?』
『うん。』
オレらは族長と呼ばれる人の家に入った。
『すいませーん。失礼します。』