第九話 手がかり探し。
私たちはまずユリハの部屋に行った。攫われた時もしかしたら犯人の何か手がかりとか見つからないかなぁって祈りながら。ユリハの部屋はお嬢様のようなお部屋。どれも白色の家具だけど、その家具を彩るかのようにピンクのバラがちょこんと配置されててすごく可愛い。机の下を覗くためにしゃがみ込んだり、ベットの下を探るため這いつくばったり。真剣に探しているけど後ろの視線がすごい痛い…グハッ…
「…ユリハ、様……」
スイの声がぼそりと聞こえ振り向くと傷ひとつない白の机をそっとなぞり、眉を下げている。どこか寂しそうな表情はどこかに行ってしまうのではっと思うほどだった。いつもは感情をただ隠してるだけの少年だしそう、だよね。
ふんッと腕をまくり手がかり探しを続ける。私一応スイのご主人様だし、たまにはらしいことをしてあげたい。殺されたくもないっていうのも、あるけどね…。
再びベットを覗き込んだ時、キラリと何かが光ったような気がした。むむむと目を凝らすと指輪みたいのが転がってる。今の私の手をえいやーとのばしたけどちょっと掠れる程度だ。
そんな時、タイミングたっぷりにスイが「アリサ様…?」と声をかけられる。
声音から何してるんだってのはわかる。わかるからやめて…?
「あの、この下にある光ってる指輪みたいの、とって欲しいの」
「…かしこまりました」
スイが頷き床に這いつくばってるスイって想像つかないなと若干楽しみにしてたがさささっとベットを移動し、とり、ちゃっかり掃除し、ベットを戻して…。
「こちらですね」
と何気なく差し出してくる。掃除することは普通にすごいんだけどね…。
「ありがとう」
スイの手、正確には白の手袋の上にのせられた指輪を受け取る。指輪は金色で、やっぱり指輪なのか指に入りそうな大きさだ。蝶の紋章が彫られ、おしゃれでもあるけど歴史とかを感じさせる。
「ねえ、スイ。これってユリハお姉様のものじゃ、ないよね??
「はい、ユリハ様は基本的に指輪をつけませんし、このような指輪ははじめてみます」
私につられてスイも首を傾げうーん…と悩む。私の登場してきたキャラ指輪持ってたっけな…。
「…それドラグニールのペンダントじゃないか?」
ユリハの部屋に来て一言も言葉を発さなかったガイオネルがチラリと私の持ってるものを見て言う。
「ドラグニールの、ペンダント?」
だとしたら紅だし、もっとペンダントぽかったはずだ。私の描いたペンダント下手すぎて指輪になったとしたらあんまりだ。
何か細工とかあるのかなぁ…とジロジロみて触ってたらひとつ、異様に出っ張ってる部分があった。
普通こんな怪しい指輪だし押すわけない。私だってそうする。
ただ今は少しでも手掛かりが欲しい…。
ポチリと無意識に指が押すと視界が一気に白く染まった。




