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皆さま、おはようございます。
あれから色々ありました。
目が覚めたら王城の一室で、LORD O◯ THE RINGSのレ◯ラス似の宰相であるアスタード・ガルバロウザ・アダ・ロメンディッシュ様がベッドサイドで微笑んでいたり。(微笑みが眩しすぎてしばらく直視できなかった。)
私がこの国の王太子であるオルガ・アストルドインダクア・オム・ヴォルファルグ様の運命の番である事が判明したり。(冗談じゃないと受け入れるまで1ヶ月ほどかかりました。)
出会い頭に力一杯抱きしめられた私の肋骨が5本ほど骨折していたり。(王太子は静かに激怒した宰相様に大量の反省文を書かされたらしい。)
仕事の引き継ぎで2週間宿に帰ったら、王太子が毎日会いに来て大騒ぎになったり。(私が王太子の運命の番とばれた時の年頃の娘達の射殺すような視線には本気で命の危機を感じました。)
王妃である狼森 空様と幼少の頃ハマっていたアニメで意気投合したり。(お互いに未来から来た紫髪の戦闘民族が推しでした。)
空様と意気投合しすぎてお互いの番をほったらかしにしすぎ、それぞれ監禁されかけたり。(鎖で繋がれそうになったので全力で謝罪しました。1時間黙って抱っこされてたら許してくれたけど。)
などなど、色々ありすぎて書ききれないくらいには目紛しい日々を送っておりました。
さて、現在の私はと言いますと・・・
お仕事中の王太子のお膝の上です。何でだ!!!
かれこれ2時間ほどこの状態です。
お妃教育を午前中にすませ、莫大な規模をほこる王城図書館に行こうとしたところを拉致られました。
暴れても意味がないことは最初の1ヶ月で学びました。
図書館に行きたいと訴えても「読みたい本を持って来させよう。ミウは勉強家で偉いな。」と慈しみの微笑みを浮かべながら却下されました。
しかし2時間もお膝の上にいるのも結構しんどいんです。
長時間同じ体勢でいると腰や関節が痛くなる。
「あの、王太子様・・・」
「オルガだ。」
「王太子サマ?」
「ミウはなかなかオルガと呼んでくれないな。王太子と呼ばれると避けられているようで悲しくなる。」
やめて!
捨てられた仔犬のような目で見ないで!!
出ていないはずの狼耳と尻尾が垂れ下がってる幻覚がはっきりと見えていたたまれなくなるから!!
「公私混同は良くありません、王太子様は現在執務中です。
本当はこうして私がお膝にいさせていただくのもよろしくないんです。」
「ミウは幼いのに偉いな。
だがこの執務室には俺たちと俺の部下しか来ない。心配する必要は無いよ。」
慈しみの微笑み+頭ナデナデ+額にキスのコンボが炸裂しました。
何この甘々な空気は!!
やめて、空気と化しているけどこの部屋護衛いるから!!
微笑ましく見守られているけど一部始終見られてるから!!!
いっそのこと誰かツッコミ入れて!!
超美形の王太子と平凡以下の街娘ってだけで違和感半端ないのに
方や見た目25歳、2m近い高身長。
方や見た目中学生のチンチクリン。
王太子の性癖が疑われるから!!!!
実際私まだ結婚もできない子供だから!!!!(男は80歳、女は70歳にならないと結婚できません。)
「わかりました!!わかりましたから!!!お名前で呼びますから!!!せめてスキンシップは人目のないとこだけにしてください!!!!恥ずかしすぎて死んじゃいます。」
「なに!!どこか悪いのか!!??
すぐに医者を!!!
大丈夫か!?俺を置いて逝かないでくれ。」
「大丈夫です!!!ただの比喩ですからお医者さん呼ばないで!!」
危なかった。
お姫様抱っこで医務室まで運ばれるとこだった。
そんなことされたら本当に羞恥心で死ねる。
後日、空様に一部始終話したら大笑いされました。
「懐かしいな、俺も同じ経験したことあるよ。
そのうち慣れるけど恥ずかしさは無くならないから、今から覚悟しておいたほうがいいぞ。」
どうやら伴侶をデロデロに甘やかすのは遺伝のようです。
慣れれる気がしません。