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第10問「東大卒クイズ王、本気の超難問」


翌日。


「今日はいよいよ超難問らしいぞ。」


「昨日、職員室でも話題になってた。」


「東大卒クイズ王が本気を出すって。」


朝から学校中がその話で持ちきりだった。


放課後。


六時間目終了。


校内放送が流れる。


『ピンポンパンポーン』


「それでは、本日の『ラスト10分』を始めます。」


九条先生の落ち着いた声が学校中に響く。


「今日は、これまでより少しだけ難しい問題です。」


「ただし、必ず解けます。」


「焦らず、最後まで考えてください。」


各教室の電子黒板に問題が映し出された。



今日のQ【難易度:★★★★★】


ある部屋に、


3つのスイッチがあります。


隣の部屋には1つの電球があります。


どのスイッチがその電球につながっているか分かりません。


隣の部屋へ入ることができるのは、一度だけです。


さて、


どのスイッチが電球につながっているかを確実に調べるにはどうすればいいでしょう?



「うわっ!」


「昨日より難しい!」


「これ分からない!」


一年生も二年生も三年生も、一斉に考え始める。


職員室でも、


「これは聞いたことあるような……。」


「思い出せない。」


先生たちも苦戦していた。


五分経過。


まだ正解者はいない。


九条先生は放送でヒントを出した。


「電球は、『光る』だけではありません。」


「もう一つの特徴があります。」


その瞬間。


3年Q組の美咲が立ち上がった。


「先生!」


担任が放送室へ連絡する。


「3年Q組、美咲さんです。」


「どうぞ。」


「まず一つ目のスイッチを五分くらい入れます。」


「そのあと切ります。」


「次に二つ目のスイッチを入れます。」


「そして部屋へ入ります。」


学校中が静まり返る。


「もし電球が点いていたら二つ目。」


「消えていて熱かったら一つ目。」


「消えていて冷たかったら三つ目です。」


数秒の沈黙。


そして――。


「正解です。」


学校中から歓声が上がった。


「すげぇ!」


「なるほど!」


「熱さを使うのか!」


職員室でも拍手が起こる。


数学教師・神崎先生は苦笑した。


「完全に忘れていました。」


校長先生も笑顔で拍手する。


「お見事。」



【答え】


① 最初のスイッチを5分ほど入れる。


② そのスイッチを切る。


③ 二つ目のスイッチを入れる。


④ 部屋へ入る。


・電球が点いている → 二つ目。


・電球が消えていて熱い → 一つ目。


・電球が消えていて冷たい → 三つ目。



【解説】


この問題のポイントは、


「見る」だけではなく「触る」ことです。


多くの人は、


「電球は光るもの」


というイメージだけで考えます。


しかし、


電球にはもう一つ、


熱くなる


という特徴があります。


光と熱、


二つの情報を利用することで、


一度しか部屋へ入れなくても、


どのスイッチにつながっているかを確実に判断できます。


これは、


「一つの視点だけで考えない」


という発想力を鍛える代表的な問題です。



九条先生は放送でゆっくり話し始めた。


「今日の問題は、私がテレビのクイズ番組へ初めて出演したときに出題された問題の考え方に近いものです。」


「知識ではありません。」


「観察する力。」


「そして、固定観念に縛られない発想。」


「それが今日のテーマでした。」


放送が終わると、校内は拍手に包まれた。


その日の放課後。


校長室。


校長先生は九条先生へ一枚の封筒を差し出した。


「これは?」


「県教育委員会からです。」


九条先生は封筒を開く。


中には一通の招待状が入っていた。


『県内高校謎解き交流大会 出場依頼』


参加校は県内二十校。


代表教師一名、生徒三名。


校長先生は静かに笑う。


「九条先生。」


「この学校の『ラスト10分』が、県中に知られ始めました。」


九条先生も微笑みながら招待状を見つめる。


「学校の外でも……。」


「みんなと一緒に挑戦してみましょう。」


こうして『ラスト10分』は、ついに学校を飛び出し、新たな舞台へ進むことになった。


――続く。



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