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こちらメイド探偵会です!  作者: 二見
海辺の殺人
83/123

解決

「俊哉を殺害した犯人って、俊哉はクラゲの毒で亡くなったんじゃないの?」


 突拍子もないことを言い出した式に対し、美紀が尋ねる。


「いや、この海に生息しているクラゲでは、俊哉さんのように短時間で死ぬようなことはないそうです。そうですよね、畠山さん」


 証人となる警察に確認を取る。


「は、はい。専門家にも確認したところ、この辺りに生息しているクラゲの毒なら、たとえ多量に接種してしまっても死に至るまでには最低四時間くらいはかかるだろうということです。それに加えて、目撃者の話から初期症状のようなものが出ていないことから、やはりクラゲの毒による死亡事故というのは考えられないそうです」

「つまり、俊哉さんは何者かに毒を注ぎ込まれて亡くなったんです。その候補となるのがあなたたちです」


 式は三人に視線を向けた。


「俊哉さんに毒を注入できるほど接近できたのは、彼と友人であるあなたたちしかいない。三人ともそれぞれその機会はありました」


 式は先ほど自分が思い出した毒を注入できる機会について話した。

 その話を聞いていたタカが疑問を投げかけた。


「君の言う通りだとして、確かに俺たちには俊哉を殺すチャンスがあったのかもしれない。でもどうやってあいつに毒を注入したんだ?」

「検死結果では、脇腹に刺された痕があったと書かれています。つまりそこから注入したんでしょう」

「刺された痕ってことは、何か鋭い物で刺したってこと?」


 留美が尋ねる。


「俺もそうだと思います」

「だが、俺たちはそんな鋭いものなんて持ってないぞ。そんなものをどうやって持ち運べばいいんだ。見ての通り海パン姿でまともに物を隠すこともできないし、何なら持ち物検査をしたっていい」


 自分の身の潔白を証明するかのようにタカが訴える。


「俺も最初は何で刺したのかわかりませんでした。しかし今日の出来事を思い返していると、あることを思い出したんです」

「あること?」

「三人の中の一人が、事件前まではあるものを身に付けていたのに、事件後にはそれがなかったんです」


 意味ありげに式が語る。


「そのあるものって何なの?」

「ピアスですよ。そうですよね、留美さん」


 式の言葉で、全員の視線が留美に集まる。


「初めてあなたに会ったときには、両耳にピアスがついていた。しかし先ほど海の家での食事のときに、あなたはラーメンを食べるために髪をかきわけていたんですが、そのときにちらっと見えた耳にピアスがついていなかったんですよ」

「そ、それは……」


 式に指摘されてたじろぐ留美。


「恐らくあなたは俺たちと出会ってからビーチバレーが始まる前に、隙を見てピアスを外し、そこに毒を塗って髪の毛にでも巻き付けておいた。そしてビーチバレーの時に俊哉さんと接触して倒れた後、ピアスを脇腹に突き刺した。あの時の俊哉さんは倒れた衝撃で身体全身が痛んでいただろうし、脇腹をピアスで刺されたくらいじゃ大した痛みを感じなかったはずだ」

「ちょ、ちょっと待ってよ。仮にそんなことができたとしても、その後ピアスはどこにいったの? 髪に巻きつけたって言ってたけど、さっき留美は普通にシャワーを浴びていたじゃない。その時に髪の毛も洗っていたし、ピアスなんて落ちてこなかったわよ」


 式の話を聞いていた美紀が反論する。


「どこかに処分してしまったのでは?」

「いや、この海辺じゃ足がつかないように処分するのは難しい。仮に発見されたら誰のものなのかはわかってしまうだろうから。だから今でもどこかに隠し持っているのが妥当でしょう」

「じゃあどこにあるんだ。そんなに言うなら、その場所も検討がついているんだろ」


 強い口調でタカが言う。


「ピアスならそこまで大きくないので、隠すのはそんなに難しくありません。たとえばビーチボールの中とか」


 式は先ほどまで皆で使っていたビーチボールを取りだした。


「ピアスくらいの大きさなら、ここの空気栓から入れることもできます。後は海から帰った後に空気を抜いて取り出し、処分すれば証拠も残らないでしょう」


 そう言いながらビーチボールの空気を抜き、中からピアスを取り出した。


「このピアスと今留美さんが片耳につけているピアス、同じものですよね」

「……」


 留美は答えなかった。


「まあ調べればこのピアスがどこで購入されたものなのか、誰が買ったのかはわかります。それに加えてこのピアスに付着している毒を調べれば、俊哉さんが死亡した原因となった毒と同一のものであることも判明します」


 警察が徹底的に調べれば、これらの疑問が解決するのは容易い。

 もはや言い逃れはできなかった。

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