↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらメイド探偵会です!  作者: 二見
海辺の殺人
PR
84/123

動機、そして……

「……どうして、俊哉を殺したの? あんたあんなに狙ってたのに」

「彼が、私のものにならないからよ」


 留美の言葉に、タカと美紀は呆気にとられる。


「どういう意味だ!」

「私は今まで、寄ってくる男はもちろん、私からアプローチした男も全て手に入れてきた。でも、彼だけはどれだけアピールしても私に靡く気配さえなかった」

「それに何の関係が……」

「この私が、たった一人の男を落とせないなんてこと、あってはならないのよ。ましてや相手は冴えない男。そんなことを認めるわけにはいかないの」


 留美の言っていることが、タカや美紀だけではなく、その場にいた式たち全員が理解できなかった。


「お前、本気で言ってるのか?」


 信じられないものを見るような目でタカが言う。


「当たり前でしょ。あ、でも安心して。私彼女持ちには興味ないから。彼女持ちを落とすのはわけないけど、迫られたら今いる恋人を裏切るような奴は信用できないし。今回は片思いの男を落とそうとしたけど、こんなに手間取るなんて……」

「ふざけたこと言わないで!」


 あまりの言葉に、美紀が叫んだ。


「そんな、そんなくだらない理由で俊哉が死ななければならなかったの!?」

「くだらないって何よ! 私にとっては耐え難い苦痛なのよ!」

「もういいですよ!」


 二人のやり取りを見ていた式が止める。


「美紀さん、そんな戯言聞く必要ありません。直ちに連行するべきです」

「え、ええ……」

「畠山さん、お願いします」

「はい」


 薫が留美を連れてパトカーへ乗る。


「あ、畠山さん一つ聞きたいことがあるんですけど」

「なんですか?」

「どうしてここに来たんですか?」


 突然の式の言葉に、一瞬固まる薫。


「どういう意味ですか?」

「だってここって県外ですよ。畠山さんの担当外ですよね。なのになんで来たのかなって」

「ああ、それは園田警部に頼まれたからですよ」

「いや、警察に通報したのは榊さんだったはずです」

「そうでしたっけ。私勘違いしてました」


 えへへ、と照れる薫。


「では犯人を連れて行きますね」

「あ、ちょ……」


 式の言葉を聞かず、パトカーは発進した。


「……」

「どうかしましたか、式くん」

「いや、何でもないよ。ただ単にいろいろと疲れただけ」


 式の心中を察してか、特に何も尋ねなかった。


「式くん、この後事情聴取があるみたいだ。一緒に来てくれるか」

「わかりました」

「あ、あの……」


 警察署へ向かおうとしていた式たちに、美紀とタカが声をかける。


「私たちも行くんですよね」

「ええ、お手数をおかけします」

「……どうしてこんなことになってしまったんでしょうか」


 数分前までは四人で楽しく遊んでいたのに、今ではたった二人になってしまった。

 タカも美紀もこの現実を受け止めるには時間がかかるだろう。


「つらいことですが、残された人にできるのは被害者をいつまでも忘れないことです。それは友人であるあなたたちにしか出来ません」

「……そうだな。あいつの分も俺たちは生きていかなきゃな」

「では行きましょうか」


 全員で警察署へと向かった。




 事情聴取が終わる頃には、既に空が暗くなりかけていた。


「こんなに時間がかかってしまったのか」

「今から帰るとなると、夜遅くなりそうですね」

「まあ仕方ない。なるべく早く帰ろう。帰りは僕が運転するんだったな」


 いろいろあったからか、式と隼人以外の三人は既に車の中で眠っていた。


「式くんも、眠かったら寝てていいぞ」

「いえ、いいですよ。あんなことがあったら目が覚めてしまいましたし」

「そうか。事件に慣れた君でもそんなことがあるんだな」

「慣れたくないですよ」


 しばらく車で走った後、隼人が切り出す。


「そろそろ休憩するか。この後すぐにパーキングエリアがあったはずだ」

「そうですね。皆を起こしますか?」

「お手洗いに行きたい人もいるかもしれないし、そうした方がいいな」


 PAについた式たちは、女性陣を起こして休憩をとることにした。


「じゃあ俺もちょっとお手洗いに……」


 トイレに入ると、個室が一つを除いて全て埋まっていた。

 しかし利用者がいるというわけではなく、どうやら故障中のようだ。


「ほとんど故障中か。幸い一つだけ空いてたけど」


 式は空いていた個室に入ろうとした。

 その時。

 彼は信じがたいものを目にする。


「えっ……」


 それは、便器に座った状態で胸を刺されている男の死体だった。

事件が終わったらまた事件!

次回から新しい事件です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。