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なろうレビュー祭り2014  作者: レビュー祭り運営委員会
最終回 紹介文!
28/41

カウンターポスト/栗木下『アウターワールドストーリーシリーズ』

副題:『アウターワールドへようこそ!!』

 まず、このレビューを読んで下さる方に言いたいことがある。


 このシリーズはとても面白く、ハマると一日はもっていかれ、毎日のうちの十分~十五分は確実にすることが決まってしまう。


 何故なら、このシリーズは文章、ストーリーだけでなく、感想とそれへの作者の返信まで面白いからである。




 では、作品の紹介に移ろう。


 アウターワールドストーリーシリーズは、作者である栗木下さんが書いた、様々な世界で繰り広げられる物語を総称した時の名称である。


 後に記すそれぞれの作品のあらすじを見てもらえばわかるだろうが、一見するとなんの繋がりもないように見える。


 しかし、根底の部分では繋がっていて、例えば同じような姿や名前をした者が出てきたり、過去作の登場人物のその後が出てくる場合もある。


 さらに、それぞれの世界で進む物語の裏で、『アウターワールドストーリー』としての物語も進んでいて、それにより表の物語に影響があることや、表の物語の登場人物が裏ではとんでもないことをしていることさえある。


 まずこれが面白くて、過去作で出てきた主人公やその脇役が今どうしているかが、断片的にしろ知ることができる。


 彼らが、今の主人公にどう関わり、関わらないまでも、何をしているかを知ることができるのは、ある意味シリーズ故にできることだろう。




 次に、このシリーズを形成する作品の紹介をして行こう。


 まずは、『蝕む黒の霧』だ。


 この作品は一言で言ってしまえばダンジョン経営物というジャンルとなる。


 神に見捨てられた世界の現代日本の都市に住んでいる主人公が、そこに舞い降りてきた神の干渉を受けて、魔王となりダンジョン経営するお話だ。


 そして魔王となった主人公は魔物を従え、女を犯し、神に復讐できるのか?


 そこにいたるまでの物語を是非、見ていって欲しい。




 次に『Hunter and Smith Online』だ。


 突然だが、貴方がゲーマーだとしよう。


 そして、始めてVRMMOをするとき、どんな職業を選ぶ?


 戦士? 騎士? 魔法使い? 僧侶? それとも生産職?


 この物語の主人公が選んだのはそんなチャチなものじゃあない。


 敵を投げ、噛みつき、喰いちぎり、喰らい尽くす。


 そう、バーバリアンプレイだ。


 だがそんなイロモノプレイをする初期ビルドを組んだゲームがログアウト不能になってしまった。


 そう、この物語はログアウト不能となってしまったゲームの中で、敵を掴み、味わい、投げ、大声で怯ませ、四足機動で翻弄し、主人公が蛮勇の魔獣へと至る物語である。



 

 三作目は『南瓜の魔法使い』。


 目が覚めたら、南瓜になっていた。身体は南瓜の根と葉と蔓。


 収穫されそうだから逃げ出して、逃げ出した先にてそれを知る。


 そして出会った最初の動物、牙を赤く輝かせた猪。


 どうにか倒して、その後は赤く輝く牙と、道中で拾った光る物を持ちひとまずの拠点へ。


 そんな主人公は光の秘密をしり、共鳴させ、出会った神に従いて終わり無き繰り返しを終わらせていく。




 次は『氷像のバジリスク』。


 ここまで見てきた方にはこのシリーズにある程度の規則性があることがわかるだろう。


 すなわち、奇数作品が人外の主人公、偶数作品が人の主人公である。


 そして、今回の主人公はTSするのだ。


 だが、そんなことは重要ではない。


 いや確かに理由とか過程とかを説明すべきではあるのだが、その場面において出てきたこの作品の黒幕とでも言うべき敵が、とんでもなく俗なことを言って襲いかかるのだ。


 まずそれに度肝を抜かれることになるだろう。


 そして、読み進めるごとにあなたは思うはずだ。こんなのが主人公で良いのか、と。


 それは問題ない。彼女は元々ヒロインなのだ。アイドルなのだ。


 故にこの物語の主人公はある意味沢山存在することになるのだが、それもまた魅力であり、この作品の愛すべき個性である。




 最後に現在進行形で連載されている『瘴海征くハルハノイ』についてだ。


 いきなりクラス全員が異世界に転移させられ、その一人一人が特別な能力を習得する。


 このタイプの物語は沢山あったが、この物語は一味違う。


 まず、転移させられる世界がとんでもない。


 なにせ、世界の八割が人間には猛毒となる瘴気の霧で覆われていて、人間は残り二割の場所で細々と暮らしているのだ。


 転移される場合はシェルターの中に転移されるので、安全ではあるが、シェルターの扉を開け、外に出た場合は間違いなく死ぬこととなる。


 一応、助けが来るまで待てと書かれた紙を見せられるのだが、そこは人間、無視する人もいて、そんな人は扉を開けた途端に死んでいく。


 主人公は瘴気の中でも生きて行ける能力を手に入れた代わりなのか、一人で転移させられ、その代わりに武器と何らかのデータの入ったUSBメモリを手に入れてまもなく、助けられることとなる。


 主人公はその都市で、USBに入ったデータを読み、新たな能力を手に入れる。


 そして、助けられた都市は主人公の能力を知り、それを受け継がせた子供が生まれる可能性があることから、沢山の女性を主人公につける。


 そして主人公はその能力を生かし、都市に与えられた任務をこなし、USBを集めることとなる。


 そして、この主人公は今までのこのシリーズの法則から行くと人外ということになる。


 それを読者に見せつけるかのように、この主人公は物語が進むごとに人外と化していくこととなる……。




 これで作品の紹介を終わり、次はこのシリーズの魅力を伝えていきたいと思う。


 このシリーズの魅力と言えば、まず言えるのが、作者の細かいところまで表すことのできる文章力。このおかげで、戦闘シーンなどは濃密にかつ長くなり過ぎない文量で表すことに成功している。


 構成力もストーリーが中弛みしないように出来ているあたり、申し分ないと言えるだろう。


 その証拠として、シリーズ第一作の『蝕む黒の霧』が書籍化もされている。


 次に、毎日の更新と、感想の返信を同時にこなしているところ。


 これは本当にすごく、『蝕む黒の霧』開始時から現在にいたるまでに毎日更新を切らしたのは『南瓜の魔法使い』が始まるまでの一週間のみという素晴らしさ。


 感想も、定型文ではなく、きっちりと考えて返されているので、感想欄自体が面白くなっている。


 フレーバー的なものであるが、返信にはフェイドアウトした登場人物のその後だったり、登場人物が裏では何をしているかが示唆されるものもある。


 もちろん本筋には全く関係ないのだが、ここまで考えて作りこまれていることもこのシリーズを面白くしている一因ではあるだろう。




 そして、最後に紹介したいのは感想欄だ。


 先のものと重複するわけではなく、読者の側が作っていると言っても良いものだ。


 シリーズが始まったころには考えられないくらいネタの嵐となっている感想欄は、ある意味このシリーズを象徴するものといっても良いかもしれない。


 なにせ、ここから『アウターワールドストーリーまとめwiki』なるものまで生まれているのだ。


 何故、ここまで感想欄が面白くなったかと言うと、第二作である『Hunter and Smith Online』が挙げられるだろう、VRMMOものの感想欄はもともと作中の掲示板のようになりやすいのだが、なんとこの作品は感想欄内でトトカルチョを行い、それを作者が止めなかったものだから、後々のシリーズまでこのノリが続いてしまうのである。


 さらに第四作の『氷像のバジリスク』に出てくる黒幕が、冒頭からとんでもない発言をしてしまった上に、ある意味シリーズの常連キャラだったものだから、感想欄が早速ネタにして、さらにネタにできるような主人公になっているが故に感想欄がある種ネタの宝庫状態になってしまい、それのまとめとしてwikiが作られるまでになる。




 このように、このシリーズはどこをとっても面白く、素晴らしい。もし一部分にでも興味を持たれた方がいるならば、まずはシリーズ第一作目である『蝕む黒の霧』から読むのを勧める。


 途中から入っても面白いのではあるが、やはり最初から読んだ方が所々のネタも分かり、きっと楽しめるはずだ。

『アウターワールドストーリーシリーズ』

作者:栗木下


URL:http://ncode.syosetu.com/s1626b/



シリーズ内訳

⑴『蝕む黒の霧』

URL:http://ncode.syosetu.com/n6833bd/


⑵『Hunter and Smith Online』

URL:http://ncode.syosetu.com/n3716bh/


⑶『南瓜の魔法使い』

URL:http://ncode.syosetu.com/n7924bm/


⑷『氷像のバジリスク』

URL:http://ncode.syosetu.com/n3828br/


⑸『瘴海征くハルハノイ』

URL:http://ncode.syosetu.com/n2991bz/

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