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トキオトメ  作者: リノキ ユキガヒ
今日は帝劇。明日は…
13/40

やっぱり

トメとジュディを乗せたバイクは晴海通りに入ると銀座和光を左折して中央通りへと入っていった。

トメの知る銀座ではないが、銀座はその名の通りのキラメキを当時と変わらず発していた。

そして永代通りをまたぐと日本橋だ。

日本橋も首都高の高架こそあれ当時と変わらない趣きだ。

日本橋を渡るとある建物の前にジュディはバイクを止めた。

「ふうっ。トメさん、チョット休憩ネ~」

とジュディはバイクに跨ったままメットを脱ぐとそう言った。

トメはなすがままにバイクのリアシートから降りたが目の前にある建物がトメの心を鷲掴みにした。

ルネッサンス様式のモダンな雰囲気。正面口に鎮座するライオンの銅像。重厚なテンパードアの向こうに見える眩いばかりの店内。

トメは感激と嬉しさの余りに少し震えながらジュディの方を見た。

「やっぱり当時の女性にとってデパートメントストアMITUKOSHIは憧れの的だったみたいデスね」

ジュディが得意満面に言ったその瞬間、突然自分の視界が塞がれた。トメが抱きついたのだ。

「ジュディさんありがとう!!」

「Wow!」

ジュディが驚きの声をあげる。

二人は意気揚々と店内に入っていった。

「トメさん。デパートメントストアと言えば?」

「大食堂!!」

「Yes!」

その勢いでエスカレーターに乗り店内をグングン昇っていく二人。

その間もトメは興奮を隠せないようだ。

宝石のような輝きを放つ売り場をエスカレーターから眺めてはウットリとした表情を浮かべるトメ。

いよいよエスカレーターは最上階に差し掛かる。

残念ながら昔ながらの大食堂形式では無いがそれでもトメの心を掴むには十分な力を持っていた。

最上階のレストラン街にある適当な喫茶店に二人とも腰をとりあえず落ち着ける。

しかしトメは終始ソワソワしていて、まるで遊園地に来た子供のようだ。

そこに帝国軍人としてのトメは存在しなかった。

ごく普通の、ありふれた、歳頃の女性に戻っていた。

ウェイトレスがメニューを持ってくる。

「ジュディさん。私この時代の食べ物まだよく解らないからおまかせするわ」

と小声でトメはジュディに頼むように話した。

彼女は一瞬、間を置き

「OK」

と短く返事をするとオーダーをいれた。






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