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072 襲撃 3



 この間、オツヤは恐怖と戦いながらもタイミングを見計らっていた。


 しかし、出せない。

枢機卿とカタリア、ボブとマングラ。2組とも密着をして動作を止めない。

無理にステータスを開けば、カタリア、ボブを殺してしまう。


 ワンチャンも手を出せずにいる。

枢機卿の隙を待つ。


 マングラとボブは密着して力比べの状態である。

マングラがかなり押してる。

しかしマングラと力比べできる相手は世界にごく数名。



「ばかな   どういうことだ?   強制ステータスオープン」



「ボブ 19歳  熊人族 職業 無職

  LEVEL:54 

  HP:4725 

  MP:12

  STR:7213 

  愛称 ボブたん 二つ名 暗黒神の守護者 所有スキル:超怪力 投擲 」



「ばかな、STR:7213の熊獣人だと。ミキザとほぼ同等ではないか!」


 だがボブは押し込まれ地面に背をつき、マングラが首を絞めるのを両手で何とか防いでいる状態だ。


「ハブをかけているのか?この妙な気の女が?」


「強制ステータスオープン」


 赤黒い異様な色のパネルが開く。



「カタリア 24歳 人族 職業 暗黒神の巫女 

 LEVEL:66  

 HP:6  

 MP:666 

 所属:救世の暗黒神教団

 所有スキル:生活魔法 布教   」



「邪教の巫女!やはり!死ね!」


 カタリアを拘束魔法の網ごとけり倒し、距離を作り攻撃魔法を撃った。


 カタリアの持っていた書類の紙束がバラバラと宙に舞う。



「ステータスオープン」



 世界最強の漆黒の板がカタリアを守った。

枢機卿の魔法は、暗黒の板に当たるとまるで存在しなかったように消滅した。



「何じゃ!これは?どこからきた!」


 枢機卿は驚きの声を上げ唖然とする。


 世界の序列を変容させた漆黒の板。

ドス黒い気が放たれ周囲を暗黒界に変容させていく。



 この隙にワンチャンがカタリアを救助。


 しかし、この暗黒の気をまるで無視する狂気に蝕まれた怪物マングラ。

彼の両手はいよいよボブの首を絞め上げ、ボブは苦しみの声を上げていた。


 ステータスパネルを現出させるにはあまりにも密着してる。



 そのとき、一枚の紙がヒラヒラとボブの横に落ちた。


「メロちゃん!」


 マングラはボブの首から手を放し、その紙をつかむ。


「じいじ!いた!メロちゃんいた!」



「ステータスクローズ ステータスオープン」



 ボブから離れて紙を枢機卿に見せようと掲げたマングラは、漆黒の板に両断された。


 その手に持つ紙には、プラウダの似顔絵が微笑んでいた。

上半身と下半身を分断されても、マングラはその紙を放さなかった。


「やっとあえた。笑ってるメロちゃん・・」


 マングラは安らかな笑顔でこの世から旅立った。



 枢機卿は一瞬のうちに起きたことが頭の中で整理できずに混乱した。


 紙に描かれていた娘メロディアの笑顔「ぷらうだ」。赤いステータスパネル。邪教の巫女。謎の強大で邪悪な板。消滅した魔法。一瞬で両断されたマングラ。


「混乱するな。整理する必要はない。目的を遂行するだけだ」


 長年培った冷徹な思考と実行力は「束縛した目標をつれて光輪に再入し、帰還する」を最速で行った。

自分の揺れる意志と感情は関係なくただ無機的に。


 そして枢機卿は目的のための怪物になった。

じいじとよばれていた僅かに残っていた甘さは消滅した。



 枢機卿はマングラが両断されると同時に、ネグセをさらって消えた。

オツヤたちはネグセを守れなかった。


「ネグセにいちゃんーーーー!」


 マングラを倒した勝利の喜びなどなかった。

涙するボブとカタリアを、オツヤは優しく抱きしめた。









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