第1話
NTRゲーの悪役みてーな奴とよく言われてきた。
俺に気づかれないようにこそこそ言ってた。
直接言ってくる奴は、まぁ相当俺が気を許してる奴くらいだけど。
まぁそれはいい。別になんて言われたっていいさ。だって俺かっこいいし。
母さん譲りのキレイな顔面に、今は亡き父さん譲りのイカつい目付き。
顎から頬にかけて一本の傷が入ってるが、それもまたいいよね。
体は引き締まってバキバキ。全身に走る切り傷がセクシー。
うーん、いいじゃん。
上裸で歯を磨きながら、鏡に映った自分を見てナルシストにも思う。
めちゃくちゃかっけぇじゃんって。
だけどこんな俺の外見を、男は本能的に忌避するらしい。
まぁしょうがない。俺から見ても、他のヒョロガリなんてワンパンっすよ。流石にシュワちゃんみたいな人相手だと道を開けるけどさ。俺は人を選ぶんだ。
「お兄ちゃんなに自分に見とれてんの」
妹がからかってきた。はよどいてって顔してるのでそろそろ終わるか。
まぁそんな俺だが今日は高校の入学式だ。
勉強もそこそこできちゃう俺だから、わりといい進学校に進めた。
うちの超アホ中学からは5人くらいしか受からないとこだ。
制服に着替えて部屋の全身鏡で身だしなみを確認する。ワックスで軽く逆立てた短髪と、真ん中にかけてV字に少し伸ばした襟足がいい感じ。ちなみにちょっと脱色して赤目の髪にしてる。染めるのはだるいし。
あえてちょっと着崩してみる。
うん、ええやん。これで初対面の新入生達を恐怖のどん底に陥れることができそうだ。
「いってきま~す」
朝食をとったあと、チビ共に別れをつげて家を出る。
ショートカットで公園を突っ切りながら桜をみて思う。
高校生活どうしよ~って。中学の時はそれはもう楽しかった。誰も俺に逆らうことはないし、快適だった。
でもあんなアホ中じゃない。進学校だ。勉強できなかったらナメられるのは間違いない。あの不良、見た目通りに超バカじゃんwwwって言われるのは間違いない。
だが逆に頭がよかったら?
不良っぽい見た目なのに、勉強頑張ってるんだ…きゅん。ってなるのはまぁ間違いないだろう。しかもかっこいいし。
うん、やっぱ勉強だ。そもそも学生の本分っつったら勉強だし?それに母さんが大学行って欲しいっていってるし。片親なのに頑張ってくれてるんだからまぁやらん選択肢はないわな。
部活はな~、バイト始めるしええか。
自分で筋トレしてるし、ランニングとかもやってる。アホ中は運動部すら激弱だったからとくに何もしてないし。
あとはやっぱ恋愛やな!彼女もいいけど、高校生にもなったらセフレとか?つくりたくね?って思うよな普通。
まぁ大体方針は決まったか。
とにかく勉強を頑張って、女つくって、まぁついでに友達もつくって、あとはバイトで母さんの手助けできればって感じか。
うん、楽しくやれそうじゃん。




