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過去の記憶がない少年傭兵の父親は、実は敵国の大統領だった件  作者: SOUCHAN


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第1章:プレッツェル編

 どうも、SOUCHANです。第1章になります。温かい目で見ていただけると幸いです。


※注意:この作品はフィクションです。 作品に登場する【国や地名】【兵器】【人物名】は事実とは一切関係ありません。

【1.少年傭兵、現る】

 1990年10月上旬。西バレンタインブルクの森林地帯・自由主義軍の前線基地。連日連戦。多くの自由軍兵士が休んでいた。

 その中に少年傭兵のトミ・ブレッド(18)がいた。過去の記憶を失っている。一人で戦場を彷徨い、自由軍に拾われた傭兵。トミは立ち上がり、テントに入る。


リチャード

「やぁトミ、少しは休めたか?」


 その中には。自由軍の指揮官であるリチャード大佐。自由軍の副官のエリカ中佐がいた。2人は軍議をしていた。


トミ

「はい、リチャード大佐。充分に休めました。」


エリカ

「トミ、外の様子はどう?理想主義軍の追撃隊は来てないでしょうね?」


 エリカは腕を組んでトミに尋ねる。


トミ

「はい、今のところは来ていません。」


トミ

「……しかしそれも時間の問題。いずれ敵の追撃隊は、この基地にやってきます。」


 その時だった。外から、ザッザッザッ、と激しい足音が響いた。一人の自由軍兵士だった。兵士は、息を吐き出しながらテントに入った。


自由軍兵士1

「申し上げます!……大佐、大多数の敵の追撃隊がこちらに接近中です!」


リチャード

「くっ!こんな時に限って来るとは……。まともに戦える兵が少ない。」


 リチャードは歯を食いしばる。正面から戦えば、多くの兵士や弾薬を失う可能性が高い。だが、トミだけは平常心。トミは机の上にある地図を見つめながら、策略を論じる。


トミ

「リチャード大佐。まともに戦う必要はありません。この基地を丸ごと捨てましょう。」


 トミの大胆発言。エリカはぴくりと眉を跳ね上げる。


エリカ

「基地を捨てる!?諦めろって言うの?」


 トミは首を横に振る。作戦内容をリチャードとエリカに話す。


トミ

「違います。兵士全員を、基地周辺の茂みに伏せさせます。追撃隊はもぬけの殻となったこの基地に入り、休息を取るはず。そこに、外から一斉に火を放ち、基地ごと敵を壊滅させます。これなら、弾薬を使う必要もありません。」


 トミの作戦内容に、エリカは一瞬目を見張った。しかし、すぐに不敵な笑みを浮かべる。


エリカ

「フフッ。基地そのものを罠にするってわけね……。まぁ良いわ。その作戦、付き合ってあげるわ。」


リチャード

「よし!エリカ。全軍に通達だ。『ただちに基地周辺の森林へ隠れよ』と!」


 リチャードはガッツポーズして、命令を出す。


エリカ

「了解!」


 エリカはテントの外に出る。兵士全員に伝令を伝えた。兵士全員はエリカの指示に従う。周辺の森に身を潜めた。


 ――数分後。自由軍の基地付近の道。


 ザッ、ザッ、ザッ……


 大多数の追撃隊の足音が近づき停止する。基地内の様子を探っていた偵察兵。偵察兵は、指揮官の中佐に駆け寄る。


理想主義陸軍兵1

「報告します!自由軍の基地内に、敵兵の姿は一人もありません。残されているのは、まだ温かい焚き火と鍋。いくつかのテントだけです。」


理想主義陸軍中佐

「ふん。我々の足音に怯えて逃げ出したか。焚き火と鍋があるということは……奴らはさっきまで食事をしていたに違いないな。」


 中佐は、腕を組んで考える。そして決断を下す。


理想主義陸軍中佐

「……よし!基地に到着次第。各自休息を取れ。体力を回復させた後、一気に追撃する!」


 中佐の命令により、多くの追撃隊は誰もいない自由軍の基地に入る。追撃隊の緊張が解ける。多くの兵士たちが地面に武器を置く。テントや焚き火の周りでドサリと腰を下ろす。


――その時だった


パチ……パチパチッ……ドゴォォォンッ!!


 突然!周囲のテントから爆発的な勢いで火の手が上がった。


理想主義陸軍兵1

「うわああっ!?テ、テントから火が!火が出ています!」


理想主義陸軍中佐

「慌てるな!そこにある鍋に入っている水を使って、すぐに消火しろ!」


 兵士たちは鍋を掴む。兵士たちは炎上する火に、中身の液体をぶちまける。


理想主義陸軍兵1

「いくぞ、そ~れ!」


しかし――。


バチバチバチッ!ゴオォォォォッ!!


 炎は消えるどころかさらに炎上する。紅蓮の炎は次々と兵士たちを焼き尽くす。


理想主義陸軍兵1

「うわあああああっ!?ひ、火が、余計に強まりましたっ!」


 鍋に入っていた透明な液体。それは水ではない。自由軍が事前に仕込んだ【ガソリン入り鍋】だった。自由軍の火計により、追撃隊の兵士たちが失う。


理想主義軍中佐

「な、何ということだ……」


 中佐は戦意喪失して、両方の拳を強く握りながら叫んだ。


理想主義陸軍中佐

「くそっ!総員、撤退だ!撤退しろぉ!」


 中佐は生存した兵士と共に、その場から逃げ出す。自由軍は森の茂みからその様子を見ていた。追撃隊が完全撤退した後、自由軍は歓声を上げる。


リチャード

「ハハハ!さすがはトミだ。本当に銃弾を一発も使わず、大軍を追い払ったぞ!」


 リチャードが、トミの肩をポンッと叩いて称賛した。


自由軍兵士1

「大佐!敵はを敗走中。追撃してやり返しましょう!」


 好機と見た一人の兵士。しかし、トミは平然と伝える。


トミ

「いや、追撃は控えましょう。僕たちこのまま、拠点の【プレッツェル】まで撤退。再起を図るべきです。追撃すれば、今度は僕たちが待ち伏せに遭い。敵と同じ目に遭うことになる。」


 トミの鋭い言葉で、リチャードは首を縦に頷く。


エリカ

「ふん。相変わらず、可愛げのない冷静な小僧だな。」


 エリカは腕を組んでトミを見つめる。エリカの瞳にはトミへの信頼が宿っていた。


リチャード

「うむ、トミの言う通りだな。ここで欲を出しては元も子もない。よし!全軍、最終拠点プレッツェルに向けて撤退を開始するぞ!」


 こうして。トミの知略によって奇跡的な勝利を収めた。自由軍とトミは再起を図るべく、プレッツェルに向けて撤退を始めた。




【2.フィンの決意】

 その日の夕方。自由主義の大きなアジトの一室。そこには、自由主義軍最高司令官のフィン・ドーナツ(55)と数人の幹部がいた。机の上に広げられたバレンタインブルク島の地図。

――彼らは理想主義軍に、このまま「抗戦」するか?あるいは「降伏」するか?激論していた。


降伏派の部下1

「最高司令官。ここはもう投降しましょう……!これ以上争えば……プレッツェルの町が戦火に包まれます。多くの民の血が流れるだけです……!」


 降伏派の部下が、震えながら声を上げる。


抗戦派の部下2

「ふざけるな!ライナスが、降伏した我々を許すとでも思うか!?最高司令官、戦いましょう!前線では、リチャード大佐たちが今も命がけで奮闘しているのです!」


 抗戦派の部下が、机を強く叩いて反発する。


フィン

「…………」


 フィンは目を瞑って険しい顔で両腕組む。降伏か?抗戦か?彼の脳内には、その2つが360度回っていた。


 ――その時


 ギィィィ……。重い木製の扉が開く音が一室に響く。現れたのは、凛々しい顔をしたリチャードとトミだった。


リチャード

「フィン最高司令官!前線基地より帰還いたしました。」


 リチャードは背筋伸ばして敬礼する。そして戦果報告を伝える。


リチャード

「報告します。我が軍は、この若き傭兵トミの知略により、銃弾を一発も消費することなく敵の追撃隊を敗走させました!ここまできたら、最後まで戦いましょう!」


降伏派の部下1

「な、何だと!?」


抗戦派の部下2

「リチャード大佐、よくぞ言ってくれました。」


 リチャードの堂々たる戦果報告。そして抗戦の主張。会議室がざわつく……。


降伏派の部下1

「しかし、一度の防衛戦に勝ったところで何になる!本気で総攻撃を受ければ、この町ごと失うぞ!」


 怯える降伏派の部下。そこに、トミが一歩前に出て冷徹な声で話す。


トミ

「降伏しても、結果は同じですよ。」


降伏派の部下1

「何っ!?どういう意味だ?」


トミ

「ライナスは、自由主義をこの島から根絶やしにする。降伏しても、この町は解体。さらに関係者は全員見せしめに処刑される。そして自由主義軍は歴史に『悪』として刻まれるだけだ。」


降伏派の部下1

「……」


 ライナスの本質を突いたトミの言葉。降伏派は顔を下にして黙り込む。


トミ

「今は身内で言い争いをしている暇はありません。生き残る道は、一つになって戦うことだけです。」


 18歳とは思えない。鋭く、そして的確な言葉でトミが場を制した。すると、一人の降伏派が立ち上がる。


降伏派の部下1

「確かに、言い争っても意味がない。……よし!我々降伏派も抗戦派となり、ライナスを倒そう!」


 その言葉と同時に、降伏派の人たちは顔を上げる。首を縦に振る。


フィン

「みんなの意見、よくわかった。」


 目を瞑っていたフィン。ゆっくりと目を開く。椅子から立ち上がる。


フィン

「……よし!我々は、理想主義軍に立ち向かうぞ!」


 室内は『はっ!』と声が一室に響く。トミのおかげで、自由主義軍が1つになった。


フィン

「リチャード大佐に告ぐ。ただちに多くの兵士を率いて、反撃の進軍に備えよ!」


リチャード

「はっ!」


 フィンは、壁に掛けられた巨大な島全体の地図を見る。リチャードに目的を伝える。


フィン

「リチャード大佐。我々が反攻に出るための第1の目的、それは敵の手にある【プレッツェル要塞】だ。」


リチャード

「プレッツェル要塞……この町の北東側にある軍事要塞。プレッツェルの中で重要な拠点です。」


フィン

「その通り。プレッツェル要塞を攻略すれば……敵に占領された我らの故郷・自由主義の首都【ヴィール】を奪取に向けて進軍出来る。」


リチャード

「承知いたしました。直ちに兵士を集め、プレッツェル要塞を奪取してみせます。」


フィン

「頼んだぞ、リチャード。我が軍の運命を君たちに託す。」


 ――数日後、10月中旬。快晴の朝。リチャード、エリカ、トミ。多くの自由軍兵士を連れて、プレッツェル要塞に進軍した。

 自由軍は首都解放に向けて。自由軍の反撃の狼煙が上がる。




【3.プレッツェル奪還作戦】

 進軍後。リチャード軍は、プレッツェル要塞付近の陸軍基地を奪取。追撃隊指揮官で理想主義陸軍中佐を始末。プレッツェル要塞攻略の拠点にした。

 陸軍基地奪還から2日後の早朝。トミとエリカは高台にいた。2人は双眼鏡で要塞周辺を偵察していた。


トミ

「エリカ中佐。プレッツェル要塞、大きいですね。」


エリカ

「当然よ、トミ。その辺にたたずむ石とは違うわ。」


エリカ

「それとトミ。相手は、オーデンよ。誘導作戦は難しいわよ。」


 ――オーデン・グングニール。35歳。男性。理想主義陸軍中将でプレッツェル方面司令官。若将軍で文武両道。


トミ

「なるほど。だから守備兵が多いわけか。」


 トミは双眼鏡でじっくり、要塞周辺を観察。数秒後、トミは双眼鏡を外す。エリカに策略を論じる。


トミ

「エリカ中佐。今回は潜入しましょう。」


エリカ

「潜入?いったいどうやって?もしかして、『お届けもので~す!』みたいに行くの?」


 エリカは少し冗談交じりを言う。


トミ

「いや、そんな宅配では受け取ってくれないでしょう。……ここは、工作員を要塞に派遣して、食糧庫を爆破させましょう。」


エリカ

「はぁ~……全く、恐ろしいことを考える小僧だな。でも、悪くないわ。」


 エリカは腕を組んでため息をついた。しかし彼女は、彼の作戦に賛成した。

 ――その後。2人はリチャードに報告。リチャードもトミの作戦を採用。数人の工作員をプレッツェル要塞に派遣させた。




【4.プレッツェル要塞奪還・罠】

 それから3日後。プレッツェル要塞は静寂の夜に包まれていた。


――その時だった!


ドガーン!!ドガーン!!……


 大きな爆発音。司令室で寝ていたオーデン。目を開けて起き上がる。


オーデン

「何事だ!?」


 重厚な鉄の扉が開く。現れたのは、慌ただしい顔をした幹部だった。


オーデンの部下1

「申し上げます!将軍、一大事です!」


オーデン

「どうした?」


オーデンの部下1

「弾薬庫と食糧庫が爆発!火災が発生しており、味方が混乱しています。」


オーデン

「まさか、敵の襲撃か!?」


オーデンの部下1

「それが妙です。敵の姿は1人も見当たりません。現在、消火隊が消火活動しています。」


オーデン

「なるほど。ということは、敵の次の狙いは……この要塞だな。」


 オーデンは目を瞑る。――数秒後。目を開けて、平然と命令を出す。


オーデン

「全軍に伝えよ『ライフル銃と機関銃で、敵の襲撃に備えよ』と。」


オーデンの部下1

「しかし、味方は混乱しています。」


オーデン

「こう伝えよ。『ここで自由主義軍を追い返せば、敵は迂闊に攻めて来ない!」と。そう伝えれば、士気を取り戻せれる。」


オーデンの部下1

「なるほど、承知しました。」


 幹部は急いで伝令を伝えに向かった。オーデンは平常心で軍服を着用する。軍刀を手にして、防壁の上に向かった。

 そこに、乗馬するエリカ率いる攻撃隊がプレッツェル要塞に到着。攻撃命令を出した。


エリカ

「敵は混乱している!突撃~!!」


 エリカの突撃命令。攻撃隊は雄叫びを上げて要塞に突撃する。


オーデン

「今だ~!撃て~!!」


 バーン!バーン!バーン!


 オーデンが軍刀を抜いて指示する。理想主義陸軍兵士はライフルと機関銃で迎撃する。攻撃隊は次々と犠牲を出す。

 目を疑う光景に、エリカは苦渋の決断を下す……


エリカ

「くっ、撤退よ!!」


 撤退命令だった。攻撃隊は、馬を方針転換して陸軍基地に撤退した。

 

オーデン

「よし!これで防ぐことが出来た。」


 暗い闇の中。理想主義陸軍兵士たちは歓声を上げる。歓声の中。オーデンは休む間もなく、部下に命令する。


オーデン

「A部隊とB部隊の2つの部隊に分ける。A部隊は私と共に、この要塞の守備。B部隊は、敵の陸軍基地を奇襲する。」


オーデンの部下1

「それでは、私がB部隊の指揮官として務めさせていただきます!」


オーデン

「よくぞ言った!……よし、数千の兵士を連れて陸軍基地に向かい、襲撃せよ。」


オーデンの部下1

「承知しました。理想主義に栄光あれ!」



 

【5.プレッツェル要塞奪還・反撃】

 翌朝。エリカ率いる攻撃隊が、無事に陸軍基地に帰還した。


エリカ

「敗戦のエリカが、大佐に拝謁します。」


 エリカは、リチャードがいる司令室に入る。片膝付いてリチャードに拝謁する。リチャードはエリカが無事で、胸をなで下ろす。


リチャード

「エリカ……無事でなによりだ。」


エリカ

「大佐、申し訳ありません。このエリカ、処罰を受ける覚悟は出来ています。」


 リチャードは首を横に振る。


リチャード

「何を言うエリカ?次の戦で名誉挽回すれば良いではないか。」


 エリカは再度、申し訳ない顔をして深くお辞儀をする。すると背後の司令室のドアが開く。入室してきたのはトミと1人の自由主義陸軍兵士だった。


トミ

「エリカ中佐。無事で良かったです。」


 エリカの生存にホッとするトミ。トミは改まった顔をする。それと同時に、自由陸軍兵士が報告する。


自由陸軍兵1

「申し上げます。大佐、先ほど我が軍の偵察部隊が、『数千の敵がこちらに向けて進軍中!』とのことです。」


リチャード

「何っ!?こちらに向けて進軍中だと?」


トミ

「はい。ただ幸いなことに、指揮している人物は、オーデン本人ではありません。この数千の軍勢を排除すれば、オーデンをさらに焦らせることが出来ます。」


エリカ

「焦る?あんな冷静沈着な男でも焦るの?」


 エリカは首をかしげる。さらにトミは、オーデンの心を推測する。


トミ

「表向きは怯えていません。……しかし心の中では、食糧庫と弾薬庫が破壊され、焦っています。オーデンは、この陸軍基地を制圧して優位を保とうとする気です。」


リチャード

「……なるほど。トミ、どうすれば良い?」


 トミは司令室の壁に掛けている地図を見て、作戦の説明をする。


トミ

「進路的に考えると。数千の敵は、最短距離で、この森林地帯から通るでしょう。……そこで、この森林に兵を伏せて待ち伏せします。」


 トミはエリカに目線を向けて話す。


トミ

「エリカ中佐。名誉挽回したいですか?」


エリカ

「ええ、当然よ!奴らをボッコボコにしたいわ!」


 エリカは右手をグーにして、闘争心を燃やした。


リチャード

「そこまで言うなら仕方ない。エリカ、直ちに数千の兵士を連れて、森林に兵を伏せて迎撃せよ!……ただし、追撃はするな。」


エリカ

「承知しました!」


 エリカ率いる迎撃隊。トミが指定した森林地帯に兵を伏せた。一方、進軍中のオーデン軍のB部隊。エリカの伏兵がいると知らずに、森林に近付きつつあった。




 その日の夜。静寂の夜。満月の光に照らされる森林地帯。数千のB部隊が静かに歩いていた。


――その時だった!


エリカ

「今よ!一斉射撃!」


バーン!バーン!バーン!


 エリカの命令と同時に、周囲から銃声。B部隊は大混乱する。B部隊の指揮官は撤退命令を出す。しかし。統率力を失った兵士。ドミノのように次々と倒れていく。


エリカ

「くたばりな!」


ババババーン!!


オーデンの部下1

「ぐはっ!」


 エリカの短機関銃が指揮官に向けて発砲。指揮官は身体中に無数の穴が開く。……指揮官はその場で倒れる。B部隊は壊滅したのだった。




 一方、プレッツェル要塞の司令室。この報告を聞いたオーデンは驚愕する。トミの推測通り。食糧庫、弾薬庫、そしてB部隊も失ったオーデンは焦る。


オーデン

「くっ……これでは、ライナス大統領閣下に合わせる顔がない。」


オーデンの部下2

「されど。ここで出撃して将軍が失ったら、プレッツェル方面は敵に渡ります。」


 その時。廊下から慌ただしい表情した1人の幹部が司令室に入る。


オーデンの部下3

「申し上げます!……将軍、プレッツェル要塞が包囲されました。」


オーデン

「包囲されたか。……仕方ない、こうなったら戦い抜くぞ!」


 オーデンは抗戦する決断を下した。部下たちも同意する。防壁の上には、多くのオーデン軍兵士が迎撃に備えた。両軍の激しい攻防戦が続く。

 ――10月下旬。攻防の末。オーデン軍は多くの兵士を失う。要塞内に残った食糧も底が尽き始める。

 オーデンは、幹部や数人の兵士と共に突撃攻撃をする。


オーデン

「行くぞ~!!」


 要塞の門が開く。門の正面には、エリカと自由陸軍が銃を構えていた。――そして……


エリカ

「撃て~!」


バーン!バーン!バーン!


オーデン

「うわぁ!?」


オーデンの部下2&3

「ぐはっ!」


 突撃するオーデンと幹部と兵士たちは、自由陸軍に撃たれた。その場で倒れ、オーデン軍は壊滅となった。




 その後。リチャード軍とトミは、プレッツェル要塞に入る。プレッツェル要塞の中央広場の1本の旗ポール。

 全体が赤色。中央に黒くて両翼を広げる鷹の理想主義軍の旗が立っていた。


リチャード

「漆黒の鷹を落として、自由主義軍の旗を掲げよ!」


 リチャードの命令で、理想主義軍の旗が下ろされる。代わりに。全体が緑色で中央には、白いコスモスの花。自由主義軍の旗が掲げられた。


リチャード

「トミ、エリカ。ここまで来れたのは、2人のおかげでもある。感謝する。」


トミ

「そんな事はありません。むしろ、リチャード大佐が抗戦を唱えたおかげです。……これで、首都ヴィール奪還に向けて一歩前進しました。」


エリカ

「はぁ~……相変わらず、次のことを考える子どもだな。まぁ、君のおかげで助かったよ。これからもよろしくな?トミ。」


トミ

「はい、よろしくお願いします。……ところで、今回の報酬は?」


リチャード

「祝勝会だ。トミ、今夜は大いに盛り上がろう!」


エリカ

「ただし、参加費を払ってね?」


トミ

「それ、僕が得するどころかそっちが得するだけじゃん。」


リチャード&エリカ&トミ

「アハハハハハ!」


 3人の笑い声が要塞内に響く。こうして、自由主義軍はプレッツェル要塞を奪還。また、プレッツェル方面は自由主義の領地を解放した。

 ――そしていよいよ。自由主義の首都【ヴィール】奪還作戦が、始まろうとしていた。



~完~


※読み飛ばしていただいて大丈夫です!

【キャラ紹介】


トミ・ブレッド(主人公)

年齢・性別: 18歳・男性

設定: 少年傭兵。過去の記憶を失っているが、文武両道で優れた頭脳を持つ。


リチャード・ワフル

年齢・性別: 35歳・男性

設定: 自由主義軍の陸軍大佐。解放軍司令官として、トミと共に理想主義軍に立ち向かう。


エリカ・マカロン

年齢・性別: 25歳・女性

設定: 自由主義軍の陸軍中佐であり、解放軍の副官。男勝りな性格で、責任感が強い。常に先鋒を務め、理想主義軍に立ち向かう。


フィン・ドーナツ

年齢・性別: 55歳・男性

設定: 自由主義軍の最高司令官。反理想主義派。西側諸国へ追放された後は、そこを拠点に活動している。


ライナス・ジャスティス

年齢・性別: 60歳・男性

設定: バレンタインブルク島の大統領(理想主義派)。「島を平和な理想国家にする」という目的のため、自由主義派を西側へ追放した。私生活では家族想い。娘のティファニーを溺愛している。

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