一之瀬流の深淵 ―坐禅する剣聖と氷の刺突―
迷宮の曲がり角から、ゆっくりと一人の男が姿を現した。
その佇まいは、荒れ果てた地下道にはあまりに不釣り合いなほど静謐で、かつ威厳に満ちている。
リヒト:「お前……やはり、帝国の人間だったか」
宗一郎:「いかにも。だが、某はただの軍人に非ず……」
刹那
リヒトの視界から男の姿が消えた。
リヒト:「がはっ……!?」
次の瞬間、リヒトの体は凄まじい衝撃とともに後方へと弾き飛ばされていた。
常人ならば即死。異常な魔力量で身体強化を施していたリヒトでさえ、反応すら許されぬ速度の打撃。それは純粋な筋力の差か、あるいは、積み上げられた武の極致か。壁に叩きつけられる寸前、リヒトは空中で体勢を立て直し、着地と同時に剣を構え直す。
宗一郎:「申し遅れて、あいすまぬ……。某、サウスガルド帝国、剣聖が二席を預かる【宗一郎・衛善(そう一郎・えぜん)】。――【一之瀬流】剣術総代…。お主のような手練れ、嫌いではないゆえ……我が愛刀、【村雨】の養分としよう」
宗一郎は静かに腰を落とし、独特の居合の構えをとる。その周囲の空気が、真空にでもなったかのように引き締まった。
対するリヒトも、全身の魔力を極限まで練り上げる。先ほどの一撃によるダメージを瞬時に修復し、さらに幾重もの防護術式を重ねがけする。
正体不明の剣技。だが、逃げる選択肢はない。リヒトは眼前の「壁」を真っ向から打ち破るべく、魔力の輝きを強めた。
宗一郎:「……一之瀬流刀術、一式――【露払い(つゆばらい)】」
呟きにも似た静かな宣告
リヒトの視界が、一瞬だけ白く染まった。
死角から、物理法則を無視したかのような神速の切り上げが襲い来る。
リヒト:「くっ……!」
反射的に魔成剣を交差させ、致命傷を避ける。だが、防ぎきれなかった切っ先がリヒトの肩を浅く切り裂いた。
鮮血が舞う。しかし、その傷口はリヒトの体内を絶え間なく循環する膨大な魔力によって、瞬く間に塞がっていく。
宗一郎:「ほう……その再生能力。なるほど、一刀に伏すは成らぬ…か」
リヒト:「驚異的な刀術は最近、嫌と言うほど相対したからな……。簡単には死なないさ」
リヒトは不敵に口角を上げた。だが、その余裕は多分にブラフを含んでいる。
内心の焦燥は、地下道の湿った空気よりも重く彼にのしかかっていた。
リヒト(……デタラメな切れ味だな。練り上げた高密度の魔力を、抵抗もなく切り裂いてくる)
反応できないほどの神速。
それがどうにか「見えている」ように思えるのは、リヒトの膨大な魔力が半自動的に肉体を突き動かし、生存本能としての超反応を引き出しているからに過ぎない。
もし、一瞬でも魔力の供給が途絶えれば、その瞬間に首と胴が泣き別れになるだろう。
宗一郎:「ならば……弐式――【鏡水】!」
宗一郎の言葉とともに、リヒトの視覚が狂いを生じさせた。
突如として、宗一郎の身体が鏡写しのように二つに分裂したのだ。残像ではない。二つの実体が、同時に、そして一糸乱れぬ動作でリヒトの間合いへと踏み込む。
二人の宗一郎による、同時多角的な水平の薙ぎ居合。
放たれた一撃は、目に見える破壊の奔流――衝撃波となって地下道を震撼させた。
重厚な石壁に深々と刻まれる無数の溝。リヒトは魔力感知を全開にし、居合の軌道と衝撃波の射程を見極めると、紙一重の跳躍でそれを回避した。
だが、それこそが宗一郎の描いた「死の絵図」であった。
宗一郎:「参式――【氷釘】」
空中に逃れたリヒトの着地点。そこには、いつの間にか先回りしていた「本体」が、鋭く冷徹な構えで待ち構えていた。
直後、周囲の温度が劇的に低下する。宗一郎から放たれた極低温の魔力が、リヒトの細胞ひとつひとつを凍てつかせ、回避行動を強引に鈍化させた。
リヒト「っ……!」
氷のように硬直したリヒトの身体へ、上下左右から「釘」を打ち込むような神速の突きが殺到する。
氷を砕き、肉を穿ち、骨を断つ。
回避不能な状況で放たれたその凄まじい連突は、リヒトの強固な身体強化を貫通し、その身に深く、確かな致命の傷を刻み込んでいった。
リヒト:「がはっ……!」
無数の刺突が肉を穿ち、リヒトはその場に膝を屈した。
どくどくと溢れ出す鮮血。すぐさま体内を巡る魔力が修復を開始するが、その速度はいつになく鈍い。
リヒト:(……チッ、魔力による干渉を直接傷口に流し込んでいるな。術式を相殺しながら治すには、少々時間がかかるか……)
全身を焼くような激痛の中でも、リヒトの脳は冷徹なまでに冴え渡っていた。
再生に必要な数秒を稼ぐため、彼は最短の詠唱ですら省き、力技で一つの術式を構築する。
リヒト:「――【ファイア・ボール】!」
放たれたのは、魔導師見習いでも扱える基礎中の基礎、初歩の火球術。
だが、リヒトという規格外の器から溢れ出した膨大な魔力は、その下位魔法の概念を根底から覆した。
放たれた小さな火種は、宗一郎の手前数メートルで着弾。その瞬間、地下道の空間を真っ白に染め上げるほどの爆鳴と熱波が膨れ上がった。
基礎魔法とは思えぬ、戦術級の破壊力。着弾地点の石床は粉々に粉砕され、衝撃波が通路の壁を文字通り削り取っていく。
宗一郎:「っ……!?」
宗一郎は即座に判断を下した。
本来、この程度の魔法であれば己の魔力で相殺し、発動直後の硬直を狙って一気に首を撥ねるのが剣士の定石。しかし、眼前の火球に宿る殺人的な密度を見抜いた彼は、即座に後方へと大きく跳躍し、防御の姿勢を取った。
凄まじい爆風が収まり、煤煙が舞う中、リヒトは静かに立ち上がる。
リヒト:(……実戦経験も生半可じゃない。今のをただの下位魔法と侮らずに後退…剣聖、やはり化け物だな)
宗一郎の隙のない対応を見て、リヒトは認識を完全に改めた。
先刻言葉を交わした際に感じた微かな情や、知己としての感情。それら一切を捨て去らねば、この男の皮膚に傷一つつけることは叶わない。
ーーその瞬間、リヒトの瞳から人間らしい感情の光が完全に消失した。
彼を包む空気は、重苦しく、冷ややかな「殺戮者」のそれへと変貌する。ただ生き残るためではなく、眼前の敵を確実に「排除」するための、純粋な暴力の塊。
リヒト:「……やるか」
リヒトの短く吐き出された言葉と共に、その手に新たな魔成剣が錬成された。
それは今まで使用していた短刀よりも一回り長く、光を一切反射しない漆黒の刃を持つ。リヒトが真に「命を刈る」と決めた時にのみ生成する、最高練度の魔力結晶。
かつて二科の屋敷で死闘を演じた際でさえ、この剣を抜く必要はなかった。それほどまでに、眼前の男を「生存を許さぬ劇物」だと認識した証であった。
ゆらりと、陽炎のようにリヒトの体が揺れた。
宗一郎:「……っ!?」
次の瞬間、宗一郎の右肩から鮮血が噴き出した。
視認すら叶わぬ超速の刺突。反射的に周囲へ向けて渾身の薙ぎを放つ宗一郎だったが、その剣筋は虚空を裂くのみ。凄まじい衝撃波が壁を粉砕するが、そこにリヒトの姿はない。
リヒト:「どこを見ている」
冷徹な声が背後から響くと同時、宗一郎の鳩尾に凄まじい衝撃が走った。
肺の空気を強制的に絞り出され、宗一郎の身体が後方へと吹き飛ぶ。
それは奇しくも、戦闘開始直後にリヒトが受けた初撃と全く同じ構図であった。
宗一郎:「ふっ……やはり……良いな……」
壁に背を打ちつけながらも、宗一郎は短く笑った。
口の端から血を滴らせながらも、その瞳には武道を極めんとする探究者としての狂気的な本能が宿っている。
宗一郎:「これほどの強者……帝国広しといえど……そうはおらぬ……!」
不敵な笑みを湛えたまま、宗一郎は爆発的な踏み込みで間合いを詰め、愛刀【村雨】を打ち込む。
リヒト:「そうか」
ガガガガガガガ!!!
火花が地下の暗闇を激しく照らし出す。
宗一郎が放つ神速の剣戟を、リヒトは最小限の動作で、文字通り「こともなげに」捌き切る。
防戦一方に見えて、その実はリヒトが完全に主導権を握っていた。攻めているはずの宗一郎の表情に、次第に隠しきれない焦りが滲み始める。
宗一郎:(……某の速さに完全に対応しておるか…。 弱ったな……これ以上の魔力解放は……ルーグ殿に止められておるゆえ……)
リヒト:「考え事か?」
ガキィーーン!!
金属同士が激突する高音と共に、宗一郎の剣筋が強引に跳ね上げられた。
完璧に剣戟をいなされ、宗一郎の正中に致命的な隙が生じる。
宗一郎:「――っ!?」
言葉にならぬ驚愕の声が漏れる。
刀を弾かれ、両手を天に掲げた無防備な体勢。そこへ、リヒトの膨大な魔力と加速、そして一切の手加減を排した渾身のかかと落としが脳天を直撃した。
凄まじい衝撃音と共に、宗一郎の顔面が地下の石床へと沈み込む。
床は蜘蛛の巣状にひび割れ、轟音が地下通路に長く尾を引いた
リヒト「……終わりか?」
地に顔を伏せ、微動だにしない宗一郎を見下ろし、リヒトは冷たく吐き捨てる。だが、その瞳に油断はない。あれほどの衝撃を受けながら、魔力感知が捉える心音は驚くほど一定に保たれている。
リヒト「そんなはずはないだろう。下手な芝居はやめろ」
その言葉に応じるように、宗一郎がゆっくりと顔を上げた。
石床を粉砕するほどの勢いで叩きつけられたはずだが、その面輪は驚くほど清潔だった。数箇所の切り傷と砂埃を纏っているものの、威力に見合わぬ静謐さを保っている。
宗一郎「見事……。今のは、某の油断であった……」
宗一郎は音もなく身を起こすと、リヒトと対峙した。リヒトは即座に漆黒の魔成剣を構え直し、追撃の体勢をとる。
だが、次の瞬間。リヒトの戦闘本能を困惑が上回った。
宗一郎が静かに刀を鞘に納め、その場にどっかと坐したかと思うと、静かに結跏趺坐を組み始めたのだ。
リヒト:「……何をしている」
宗一郎:「見てわからぬか。……坐禅だ」
リヒト:「いや……意味がわからんな。先ほどまで殺し合っていた相手を前に、なぜ座り込める」
坐禅。東方の国に伝わる、精神統一のための古式ゆかしい修行法。だが、この場は敵前、しかも戦闘継続中にそれを行うなど狂気の沙汰だ。
宗一郎:「肉体を鍛えるは容易し。だが、精神を練るには座すが一番。いかなる窮地にあれ、己が内面と向き合い、肉体と魂の調和を図る……。それが武の理であろう」
リヒト:「だから……なぜそれを、今やるんだと言っている!」
リヒトの苛立ちが爆発した。漆黒の刃が風を切り、宗一郎の首筋へと振り下ろされる。それは見逃しでも威嚇でもない、確実に首を撥ねるつもりで放たれた「本気」の一撃。
だが、鋼の刃は皮膚に触れる直前で止まった。
宗一郎は、瞬き一つしなかった。
宗一郎:「某は、先ほど主に一本取られた。戦場なれば、それは即ち死を意味する。……これは某の精神の弱さが招いたこと。戦いの最中、余計な思慮に囚われ、刃を鈍らせた。未熟ゆえにな……」
リヒト:(こいつ……本気で言ってるのか……)
宗一郎:「ゆえに、主がこれからどこへ行こうと、某に止める筋合いはない。今、某の首が繋がっているは主の情け。……その情けには、情を以て応えねばなるまい」
リヒトの胸中にあった殺意が、肩透かしを食らったように霧散していく。
究極なまでの武人気質
あまりに真っ直ぐで、あまりに歪んだその理に、リヒトは毒気を抜かれ、剣を消滅させた。
リヒト:(……帝国への潜入を、見逃すってことか)
奇妙な沈黙が流れる。
だが、それと同時にリヒトの脳裏には、先ほどから拭えなかった違和感が鎌をもたげていた。
リヒト:「……一つ聞かせろ。なぜ、こんな場所に『剣聖』がいる」
その疑問は、この地下迷宮の構造以上に不可解だった。
地下道の警備など、軍の下部組織に任せておけばいい。もし重要拠点の防衛ならば王城直下に陣取るべきだ。ここはまだ帝都の外周付近に過ぎない。
帝国最強の一角である剣聖が、わざわざ出向いて見回るにはあまりに「格」が合わない場所なのだ。
宗一郎:「……大したことではない」
ほんの一瞬、宗一郎の言葉が淀んだ。
武人として一切の迷いを見せなかった男が見せた、わずかな反応。リヒトはその微かな揺らぎを、逃さず捉えていた。
リヒト:「何を隠している」
鋭い追及に、宗一郎は坐禅を組んだまま、虚空を見つめるように視線を落とした。
宗一郎:「……主も、この地下道にて数多の命が失われていることは知っておろう?」
リヒト:「……ああ」
宗一郎:「地上で禁を犯した者、生きるに耐えかねた者……軍を追放された者、あるいは他国より流れ着いた者……さまざまだ」
語る宗一郎の横顔には、先ほどまでの闘争心は微塵もなかった。そこにあるのは、救いようのない悲劇を見届けた後のような、深く静かな悲哀。その表情に、リヒトは言葉にできない「ただならぬもの」を感じ取っていた。
リヒト:「そうだな……」
肯定する声が、自分でも驚くほど低く沈んだ。
帝国に属していた過去、リヒト自身もまた、この冷たく暗い地下道で地を這い、辛酸を舐め尽くしてきたのだ。その記憶は、喉の奥にこびりついた錆びた鉄の味のように、どれほど時が流れても消えることはない。今でも深い眠りの底で、あの光景が呪いのように蘇ることがある。
――脳裏を過るのは、あまりに鮮烈な一人の女性の最期
胸から腹部にかけて、容赦なく刻まれた巨大な斬撃の痕。
溢れ出す朱い熱は、冷え切った地下道の石床を無慈悲に染め上げていく。もはや言葉を交わすことすら叶わぬ、物言わぬ亡骸。
それを震える腕の中に抱き締め、枯れた声で独り、絶望を叫び続ける青年の姿。
リヒトにとって、この場所は単なる地下道ではない。かつての自分が死に、今の「リヒト」が生まれた、呪われた揺り籠なのだ。
リヒト:「俺も……この地下は好きじゃない」
吐き捨てるように言葉を紡ぎ、自らの感傷を断ち切るように宗一郎へ先を促した。
宗一郎:「ゆえに……無駄な殺生は好まぬ。命とあらば従わねばならぬが……果たしてそれが正しきことなのか。ここに居れば、少なくとも地上のような無駄な殺生に巻き込まれることもなかろう。……それに」
言葉を区切り、宗一郎はある方向――暗闇の奥深くを見つめ、深く黙祷を捧げるように瞼を閉じた。
宗一郎:「ここは……忘れてはならない。かつて、某の『大切なもの』が……ここで失われた。せめて某だけは、ここを忘れてはならぬのだ」
リヒト:「……お前ほどの強さがあっても、失うものがあるのか」
宗一郎:「ははっ……過去の話よ。某の『弱さ』を忘れぬため、某はここに弔問しているに過ぎぬのだ」
剣聖という肩書きの裏側に隠された、癒えぬ傷。二人の間に流れる空気は、敵対する者同士のそれではなく、同じ「喪失」を知る者同士の、重く沈んだ共鳴へと変わっていた。
宗一郎:「もうよかろう……行け。短時間とはいえ、某と主の衝突に気づかぬほど帝国はザルではない。もうじきに雑多どもが駆けつけよう。そうなれば、某も本気で主を斬らねばならぬ……」
宗一郎はそれ以上語ることはないと言わんばかりに、再び深く坐禅に集中し始めた。閉ざされた瞼の奥で、彼はすでに周囲の気配――こちらへ急行する軍靴の音を捉えているのだろう。
リヒト:「……ここでのことには礼を言う。だが、地上で遭遇すれば敵だ」
リヒトの言葉は短く、冷徹だった。恩義に縛られず、あくまで目的を遂行するという決意の表れ。
宗一郎:「それでよい……」
その返答を聞き届けると、リヒトは二度と振り返ることはなかった。帝都内部の地上へと続く隠し通路。相棒であるリュドとの合流地点を目指し、闇の奥へとその姿を消していった。
それからほどなくして。
静寂を取り戻したはずの地下道に、数人の帝国兵たちが荒い息を切らせて駆け込んできた。
兵士:「宗一郎様! 地下道にて宗一郎様と思わしき巨大な魔力の揺らぎを感知したとの報を受け、参じました!」
先頭の兵士が報告し、周囲を見渡した瞬間、その言葉が喉に詰まった。
異様な光景だった。
鋼の如き硬度を誇る石壁には無数の斬撃痕が深く刻まれ、床は巨大な質量に叩きつけられたかのように粉々に爆ぜている。つい数分前まで、ここで「人外の戦い」が繰り広げられていたことは明白だった。
兵士:「し、して……賊徒は、如何様にされましたか……?」
ただならぬ破壊の爪痕に、兵士たちは本能的な恐怖を抱きながら、恐る恐る坐禅を組む宗一郎に問いを投げかける。
宗一郎:「……見てわからぬか?」
宗一郎がゆっくりと目を開き、鋭い眼光を一瞥させた。
その一言には、説明を拒絶し、この無残な光景から結末を察しろと言わんばかりの圧倒的な圧が込められていた。剣聖という頂に立つ者だけが放つ威圧感。それは、軍の下部層である彼らを黙らせるには十分すぎるものだった。
兵士:「……っ! あ、跡形も残らぬほど……粉微塵に、消し飛ばした……ということでしょうか……」
兵士のひとりが、震える声で勝手な推測を口にした。この惨状で「誰もいない」のであれば、相手が消滅したと考えるのが、彼らにとっては唯一の合理的な結論だったのだ。
宗一郎は何も答えなかった。
真実を知る者は、この場を去ったリヒトと自分だけ。説明する必要も、否定する理由もない。
宗一郎は無言のまま立ち上がると、リヒトが向かった方向とは真逆――重厚な石造りの王城方面に向けて、悠然と歩を進め始めた。
その背中を見送る兵士たちは、ただただ圧倒されていた。
「やはり、剣聖は格が違う……」
その畏怖の念は、確固たる事実として彼らの胸に深く刻み込まれていったのである。
いつもお付き合い、愛読くださりありがとうございます。
ここまでお付き合いいただいてること、時間をかけて読んでくださってることに感謝です!
帝国武闘会と名付けておきながらなかなか帝国に辿り着かない…(笑)
書きたいこと、入れたい内容が非常に多くなっており作者自身困惑してますが…。
ストックはまだまだありますのでお楽しみいただければと思います。
現在も執筆を続けておりますので更新頻度がゆっくり目になると思いますが今後ともお付き合いお願いします。




