新しいゲームで一日目!
錆びた剣、世界を救う。
初めてのMMOを彼は求めていた。
皆が言うようにVRMMOは本当に画期的なゲームだと思う。
実際、自分がゲームの中に入りこんでいろんな感触を体感できたり現実ではあり得ないような世界を冒険できたりするらしい…。
さて、彼、小田健(以下オダケン)もまたそのゲームをやりたくて仕方がなかった。
実際にお店の売り場を見て価格をチェックするのだが、オダケンはいつも決まって叫ぶのだ。
「ああ!高い!」
サイトのチェックも欠かさない。だが結果は同じ。
何分、学生の分際で給料もない。
オダケンの手持ちの金額では流石に手が届かない。学校ではバイトは禁止だ。
誕生日の時やクリスマスにも彼は親にお願いした。が買いませんと断言されるだけであった。お年玉は携帯代でざっくばらんに消えている。携帯代は自分で払いなさいとのことだった。
そんな彼がある日出逢ったのだ。それは探し求めていたもの。
「なんてことだ。」
ゲームを売っているお店の片隅。小さなワゴンの上にそれは鎮座していた。
「こ、これは!このゲームは!!」
ゲームの名前は
『スワロウテイル』
まさにオダケンがやってみたかったVRMMOである。
値段が低いわりには新品のゲームソフトのようだ。ソフトと本体一式をひとまとめにして売っている。何個か在庫が残ってる。店側は本体をつけてでもなんとか売ってしまいたいみたいだ。
その価格なんと
「500円!」
恐ろしい程、格安であった。
「うぉお!70%以上割引だ!!おいおいこのぐらい手持ちであったか?」
オダケンはポケットを探る。すると、
「あったー!!500円!」
ちょうどオダケンのポケットの中に入っていたのは持っていた500円であった。これは今日の晩ご飯になるはずだったお金である。彼はゲームと500円を持って速攻でレジへ行く。
「やったぁ!」
彼は待望のゲームを手に入れた。
帰宅後、オダケンは早速ゲームを起動する。