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元、チート魔王が頼りない件。  作者: 雪見だいふく
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砦終了

ふぅ……。

 よしっ……! 絶対に倒してみせるぞ。


「魔王様。とりあえず、あの勇者を倒せば、水晶は出てくるんじゃないか?」

「確かにそうかもしれねぇな。分かんねぇけど、ぶっ倒すことに変わりはねぇ!」


 ……そうだな。少しでも、可能性があるなら、砦を取り返すに、越したことはねぇからな。


「っしゃぁ! やるぞ!」


 俺だって、少しは魔法が使える。しかも、今の俺の想いは、かなり強い。


 ……絶対に倒す。


「いい威勢だねぇ」

「二対一だ! 俺達が、倒せる確率もあるんだぜ?」

「そうかい……まぁ、頑……って、危ないじゃんー」

「先制攻撃に限るからな……」


 魔王様は相手の足に炎を放っていた。敵はそれに対し、後ろに飛んで避ける。


「じゃあ、僕からもいかせて貰おうかな!」


 そう言い、相手は地面を這うようにして突っこんできた。


「危なっ!」


 俺と魔王様は両脇に転がるようにして避ける。


「そんな避け方で大丈夫かな?」


 敵は、すぐに体制を整えて、俺に近づき、剣を縦に振る。

 俺は、それを後ろへ、走るようにして避ける。

 その相手の走路を魔王様が日を放ち、足止めする。


「ナイス!」

「今だよ……」


 相手がそう言うと、俺の肩ががっしりと掴まれる。


「な、何だ!?」


「ここで死ね……」

「……悪いな」


 魔王様は俺を掴んだ何かに謝りながら、足に火を放つ。すると、俺の肩から離れ、後ろに引く、音がする。

 そのタイミングで、俺は振り返る。


「か、夏奈……?!」


 何で、こんなに強いんだ? 俺の実体験上、契約したから、強くなるなんてことは無いはずだ。


「お、おい! そいつ、本当に人間か? 身体能力の高さが人間とは思えない、機敏さだぜ?」

「さぁ、魔王? 余所見なんてしてる『暇』無いよ?」

「うわっ!!」


 魔王様が苦しむような声が聞こえる。だが、後ろなんて向いてる暇は無い。


「何で……。裏切ったの?」


 そう言い、空間から、剣を魔法のように取り出し、手に持つ。


「裏切ったんじゃ……!」

「嘘つき!」


 すると、その剣は雑に飛んでくる。

 俺は、それを見切って避ける。


「本当だ! 話を聞いてくれ!」

「嘘! 嘘! 嘘!」


 その声を掛け声に剣が何度も何度も飛んでくる。

 それを避けるために後ろへどんどん下がっていく。


 避け続けて、数分が経とうとしていた。


「はぁはぁ……」


 体力も限界。そろそろ危ういのではないか。何か……何か、対抗策を!


 バンッ


 すると、後ろなにかに当たり、その場に崩れ落ちてしまう。

 荒々しい息遣いが聞こえる。背中合わせでぶつかってしまったのは魔王様なのだろう。


「そこまでだ。魔王、それに浮気野郎。夏奈。君が制裁を下していいよ。そいつを殺れば、こっちも自然に死ぬから」


『ねぇ、最後に何か遺言を残してもいいよ』


「……俺は、お前を苦しめたくなんてない」


 最後に、ここだけは晴らしたかった。浮気なんてしてない。と、言うこと。

 魔王様を助けるための台詞が言えないのは本当に悪いと思っている。


「ほら、遺言は終わったよ。夏奈、さっさと殺っちゃいな」

「何で? 何で、あんなことをしたの?!」


『何……で?』


 夏奈の目から、一気に涙が溢れ、俺に剣が飛んでくる。


 うっ。


 死を確信し、一気に目を閉じる。だが、痛みも何も全く感じない。


 もしかして……死……んで、、ない?


 俺が目を開けると、時は止まっていた。この前と同じだ……。

 あの、忍の時と全く同じ感じだった。


『強くなれ……。と、言っただろ? だが、お前には死なれたら困……いや、死んで欲しくない』


 そ、その気持ちは嬉しいんだが、一体誰なんだよ。


『だ、誰なんだよ!』

『通りすがりのおっさんだ』


 格好良くないし、訳もわかんねぇよ。


『そこで、お前に手を貸してやろうってわけだ。『体』借りるぞ』



 ……俺はここで、意識が途絶えてしまった。



「っせぇな!」


 壮一の声が後ろからする。この、絶望的状況から、どうするってんだ?!


「痛っ」

「か、夏奈? どうした」

「ちっ。俺をここまで、追い詰めたことを後悔させてやるよ! バインド!」


 俺様が後ろを確認すると、壮一の魔法で夏奈とかいう女はエロい具合に縛られていた。

 特殊なプレイだなー。じゃなくて、壮一強っ! 何でだ?! 何でだ?! 気になって、しょうがねぇよ!


「てめぇはムカつくが助けてやるから、感謝しろ」


 壮一の本音か何かか!? 意味分か……。こ、この俺様が倒される……だと?

 後頭部を思いっきり叩かれ、意識が途絶えてしまった。


「やぁ! シャドウ君。君には、お世話になったけど、計画のために死んでもらうよ」

「お、お前は一体何なんだ!?」


 身を震わせて、後ろに引いてやがる。

 やっぱ、俺って強いなー!


「まぁ、君が知る必要も無い計画だね!」

「うっ……」


 ……ニコッ。完璧。

 そこの女の子は可愛いし、壮一の大切な人だから、助けてやるか。


 ……そろっと、意識を返してやろうか。楽しかったよ。

んっ……。

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