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#4:決闘

決闘、さあどちらが勝つか。答えは一つ。それでは本文スタート!


 俺たちはリラさんに案内されて、闘技場に入った。扉を開けると、そこそこ大きい場所が広がっていた。観客席も整備されており、先程の騒ぎを聞きつけた人が既に集まっていた。


「おう、やっと来たか!」

「ぎゃはっは、かかってきな」

「俺たちはいつでもいーぞ」


 3人はいつでも準備万端らしい……って、ちょっと待て。


「どうしてお前らは3人で戦おうとしているんだ?」

「がっはっは、そんなの勿論パーティどうしの戦いであって、2vs2で戦うとは一言も言っておらぬ」

「嬢ちゃんはこれで俺たちと来ることになるんだ」

「恨まないでください、罠に嵌まった貴方たちが悪いんですから」


 どうやら向こうは変更する気はないらしい。観客も観客だ。盛り上がりやがって、どいつもこいつも俺たちが負けると思っているらしい。


「静まりなさい」


 すると水色のローブを着けた女性が入った。すると周囲にざわめきが走った。


「あれは、ギルドマスターじゃねえか?」

「嘘だろ、あの人が審判するなんてこれはますます楽しみだ!」

「六大英雄の水の王女、アリア様ー」


 凄い人気なんだな。しかし、あの構えといい相当な実力者であることは間違いないだろう。


「静まりなさい」


 ギルドマスターが再び、それも先程よりもチカラ強く言うとあたりが静まった。


「この決闘は公平に行われるものとします。…それでは戦闘開始!」


「先手必勝!まずはお前だぁ!」


 男の一人がロングソードを持ち、突っ込んできた。し、しまった早い。


「『ウォーターシールド』」

「なんだと?」


 沙織が間一髪で防御魔法を発動したことで防ぐことが出来た。


「サンキュ、沙織」

「油断しちゃ駄目だよ!」


「ちぃ、さっさと決めたかったんだがなぁ」

「先にあの嬢ちゃんを狙ったほうが良くないか?」

「……いや、前の男を狙うべきです。シールドは一回しか展開できない。3人で叩けば2人は攻撃が通ります」


 向こうも何やら話しているようだ。人数差がある以上どうしてもこちらが不利だ。さらに相手があんな変な奴らでも、実力は本物だ。油断は禁物だ。


「覚悟しろ!」


 相手の一人が斧を使ってきた。さっきの人は剣、もう一人の人は動かないから魔法使いかなんかだろう。


「行きます!『ウォーターボー』ッッ!!!」


 沙織が技を発動しようとした瞬間に止めた。あの野郎何やってるんだ。相手の斧を防ぐだけならなんとかなっているが。


「横ががら空きだぜ!」


 すると剣士が右から襲ってきた。それを大剣で防ぐ。すると当然俺の前にいた斧使いは左にいるわけで、視線を左にそらしたのだが、いない。まずい後ろか。すると剣士が俺の右の腰を狙うのか少々大きな動きで攻撃してきた。俺は右足を下げて、沙織の方を向きながら、後ろに下がった。よし、避けきった。


「チッ、これも避けるのか」


 悔しそうに聞こえる言葉だが、男がニヤリと笑ったような気がした。


「…『ファイヤー』」

「寛太君!」

 

 俺は突然後ろから来た炎を防ぐことは出来ず、魔法をもろ喰らってしまった。痛い…けど、これぐらいならまだ大丈夫だ。俺は立ち上がり前を見た。味方の魔法に当たらないために上手く逃げたのか。悔しいけどうまいな。


「寛太君、どうするの?」


 うーん、相手はこちらの魔法を上手く防いでるんだよな。あの魔法使いさえ……そうか!


「見つけたぜ、突破口!」

「どういうこと?」

 

 沙織に俺の思いついた作戦を話してみた。沙織は少し考えた後に俺の作戦に賛同してくれた。


「最後のイチャイチャは終わったかい?」

「げっへっへ、これが終わったら嬢ちゃんは二度とそのガキのことを考えられなくしてやるよ」

「……あなた達は…まったく。まぁ、そろそろ終わりにしましょう」


 そうだ、この戦いは沙織を守るためのものでもある。絶対に負けるか。俺は剣士と斧使いに目掛けて、今までのどんな走りよりも早く走った。


「な!」

「早い!」


 そして大剣を思いっきりぶん回した。そして、予想通り相手はビビってそれぞれの武器で受け止めようとしてきた。連携して止めたならば、俺の大剣を止めることなんて簡単だろう。しかし、不意に2人がそれぞれの武器で止めると非常にやりにくい。少し力を入れただけで相手は後ろにバランスを崩した。


「クソがぁ!……!?」

「ガキがなめた真似を……!?」



 体勢をなんとか立て直して前を向いた彼らの視線の先には俺はもういない。


「あの剣士はいったい何処にいるんでしょうか?」


 後衛にいた魔法使いは目の前に起こった光景に呆気を取られてしまい、詠唱を途中で止めてしまった。


「俺はお前の後ろだよ」


 俺は【気配隠蔽】を解除して、魔法使いの男を後ろから短剣で刺した。もちろん手加減はしているが、魔法使いは物理攻撃の耐性はなく、魔法使いはその場に倒れた。


「なっ!クソがぁ!」

「一人倒せたからって調子に乗るなよ!」


 ここまで予想通り。戦略とかは魔法使いの男が指示しているように見えた。つまり今のこいつらには作戦なんてものは存在しない。


 俺は短剣から大剣に切り替えて、斧使いの斧、更には剣士の剣を防いだ。ただの単調な攻撃ならば余裕で耐えられる。


「へっ、だが2vs1じゃ、俺達には勝てねえよ」

「げっへっへ、覚悟しろぉ!」


 確かに2vs1ならば防ぐので精一杯だろう。俺は力強く大剣を振り、相手のバランスを崩す。


「けど、いいのか?そこ、沙織さんの魔法攻撃のベストプレイスだが」

「なっ!」

「しまった!」


 魔法使いがいなくなったことで、周りを見れていなかったのだろうが魔法使いを倒した時点で、俺と前衛2人組の方向は反転している。つまり2人は沙織に対して背を向けていることになる。


「この時を待っていたわよ『ウォーター』」

「くっ、だがこのガキを道連れだぜ!」

「ぎゃっはっはっ!」


 相変わらず汚い手段を使うな…まったく。


「いつまで残像と戯れているんだ?」

「なんだとっ?ぐわっ!」

「なんだと!?ってうぎゃぁ!」


 彼らの道連れ作戦は成功することなく、沙織の魔法は2人に直撃した。


「そこまで!勝負あり!勝者カンタ&サオリペア!」


 3人を戦闘不能にするとアリアさんがコールを下した。場が少し膠着した。


「な…あのAランクパーティが破れたのか!?」

「うおおおお!すげー!」


 やったのか、良かった。結構危険な賭けではあったんだが、上手くいった。


「お疲れ様、寛太君!」


 試合が終わってしばらくすると、観客は徐々に減っていった。ちなみに3人のチンピラはギルドの職員に連れていかれた。何かあいつら小笠原たちみたいだな。あそこまで酷くはないと思いたいんだけどな。そういえば、あいつら西の魔族がいる方に向かうって行ってたけど、大丈夫なのだろうか。一応止めたけど、英雄になるとか言って行きそうだもんな。


 そんなことを考えている内に、観客は全員いなくなっていた。どうやらギルドの職員たちが全員を退散させたらしい。


「お前たち、見事だったぜ!」

「そうね、素晴らしい戦い方だったわ。人数のアドバンテージを感じさせないほどの戦いっぷりは特にね」

「えーとギルドマスター……と、おじさん?」

「お、おい。沙織」

「おじさんじゃない!」


 沙織はその男のことをおじさんと言ったのだが、おじさんっていう年齢でもない気がするんだけど。


「そういえば私たちの名前を言ってなかったわね。私の名前はアリアよ。それと、そこの馬鹿がアグニよ」

「アリアさんに、アグニさんですか。宜しくお願いします!」

「宜しくお願いします」


 沙織に続いて、俺もよろしくと言っている。名前は先程の決闘の際に言ってたし、知ってるだろうから言わなかった。


「そうそう、貴方たちのギルドランクをAランクに上げたいのだけど、どうかしら?」


 アリアさんがランクを上げるかどうか提案してきた。


小太郎:「ゆう!見たか。寛太のやつ凄かったぜ!」

正人 :「お前、それで伝わると思ってるのか?」

小太郎:「えー宗谷とゆうはどう思った?!」

宗谷 :「そもそも、本来暗殺のほうが得意なのに、大剣で戦っているのが凄いと思いますよ」

優  :「そうだね、それに彼女を守るために戦っている姿がカッコいいと思うよ。僕も頑張らなきゃな……憧れに追いつくために」

小太郎:「優、どうかしたの?」

優  :「なんでもないよ、次回『昇格試験』です」

正人 :「おい、それ次回のネタバレじゃ……」

宗谷 :「それでは来週もお会いしましょう」


 久しぶりに神崎組を書いてみたくなったので、後書きに登場させてみました。

※後書き人物紹介(超短縮バージョン)

•神崎 優

〈剣士〉と≪主人公≫の職業を持つ。ただし、主人公じゃないよ(-_-)

•阿部 小太郎

天然。馬鹿。だけど4人のムードメイカーであり、クラスの中心人物の1人でもある。

•酒井 正人

冷静な人間。突っ込み役でもある。

•石田 宗也

おとなしく、控えめな性格。けれど、4人の中では一番頭が回る。


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