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#2:デート

2話目です。今回はデート編です。

距離を縮めたい沙織と、恥ずかしながら受け入れようとしている寛太。そんな付き合いたてのカップルのぎこちなさを表現できてればいいなぁ……と思ってたり。


「そういえばさ、これから何する?」

「は?お前が適当に色々なところを2人で旅したいって言ってたから俺は何も考えてないぞ」

「そうでしたー!えーっとそうそうモココって所に行ってみたい」


 モココに行きたいって話は前に聞いたんだよな。問題はその後のことだったんだが、まぁ街に着いてからゆっくりと考えればいいことか。

 モココというと獣人の国だったっけか。確か、猫耳族とか兎人族とか、地球に居た一部の動物が擬人化したような種族の連合都市のようなものらしい。

 俺たちを召喚したシャレスト王国、ドワーフの国であるボルルア王国、エルフの国であるウィシュト王国、これらの国は基本的に大多数の種族がこれという感じに定まっているらしい。


「そういえばさ、あそこって獣人の国だよね!」 

「……そうだけど?」


 沙織が目を輝かせて、俺の方を見た。こいつは一体何を考えているのだろうか。


「獣人ってことは、猫耳に兎耳とかモフモフし放題ってことだよね?」

「……いや、流石にそんなことはないと思うぞ」

「寛太君もモフモフしたいのね!やっぱりそうだよね!」


 別にそこまで興味はないんだけどな。こうなったときの沙織を止める手段はないだろう。とりあえず人に迷惑をかけなければいいんだが。しかし最初からそれ目的でモココに行こうとしている時点で、絶対に何かしでかすとは思う。



 それから途中途中休みながらも俺たちはモココに着いた。門の前には行商人や旅人と思われる人が沢山並んでいた。


「じゃあ次、ステータスプレートを見せてくれ」


 門番の人に言われた通りにステータスプレートを見せた。すると彼が凄く驚いたような表情をしていた。


「あ、私も勇者でーす!」


 そういうと沙織はニコニコしながらステータスを見せつけていた。


「勇者様でしたか、これはとんだご無礼を」

「いや、気にしなくていい……です」


 俺が普通に話すように言ったのだが門番の兵士たちはそんなことは出来ないの一点張りで、改まって話すのは苦手である。沙織に助けを求めようとしたのだが、彼女はこの状況を楽しんでいるようで俺のことを助けてくれる様子はない。その後、周りの商人たちに若干目を付けられていたような気もしたが、何とか街に入ることが出来た。街に出入りするたびにこんなことするのか。


「おつかれさま、寛太君!」

「お前な……こうなること分かってたんだろ?」

「勿論!だってファンタジー世界の定番だよ!」


 ファンタジー世界の定番って、こういうのばっかりなのか?別に主人公があまり目立たない作品とかもあるって、自慢されたような気がするんだが。やはり、こいつの基準はよく分からない。


「じゃあ、折角街に着いたことだし、デートしよ!」

「ああ」


 彼女の笑顔一つで、さっきの出来事がどうでもよく思えてきた。やはり俺は沙織には勝てないんだろうな。2人で旅をしているのはどうやらデートに入らないらしい。観光スポットを巡ったり、のんびり過ごしたりするのが彼女にとってのデートらしい。


「屋台がたくさんあるね。何処から行く?」

「何処でもいい……というか俺はこの街に何があるのか良く知らないし、お前の好きにすればいいんじゃないか?」

「じゃあ、とりあえず食べ歩きでもしよっか!……それから屋台じゃなくて昔の市場じゃないか?明確な違いがあるのかは俺も分からんが」


 沙織は右の頬に人差し指を当てて少し考えるような仕草をした。少し頬を膨らませているのか、とても可愛い。


「細かいことは気にしないでいっか。そんなことよりも、早く行くよ!聞こえてる、寛太君?」


 思わず見とれていた。俺は何とか平静を装い、彼女に返事を返した。元の世界では三馬鹿がいたからかあまりデートをすることがなかった。この世界でも戦闘とかでちゃんとしたデートは初めてだ。嬉しいけど、少し恥ずかしい。顔を合わせると彼女にこの気持ちが伝わってしまいそうだ。


「……行くぞ」


 俺は沙織の手を掴み、顔を見られないように歩いた。


「うん!」


 俺から手を繋いだという事実に、沙織はとても嬉しそうな顔をしていたそうなのだが、そんなことは俺には知る由もなかった。


「コボルトのシチューはいらんかね?一杯銅貨3枚!」


 たくさんのお店が並んでいる中、威勢のいいおっちゃんが言った。


「コボルトのシチューだって!」

「へぇ、シチューか」


 シチューはこの世界にもあるんだな。コボルトのシチューってことはおそらくコボルトの肉を使っているのだと思うけど。沙織も食べたがっているし、正直俺も食べてみたい。


「俺も食べようかな」

「分かったじゃあ買ってくるね!」


 そう言うと、沙織は注文しに行った。


「すみません、シチューふたつください」

「はいよ、銅貨6枚だ」


 沙織が少しオドオドしながらシチューを頼んでいた。そういえば、沙織がこんなに積極的に話すのって俺と二人きりの時だけなんだよな。どうしてなのか本人に聞いたことはないけど、まぁ直せるなら直した方がいいと思う。


「買って来たよ」

「ありがと」

「どういたしまして」


 やっぱりこっちのほうが自然でいい。けれど、誰も知らない彼女の魅力を俺だけが知っているのも悪くないのかもしれないな。


「じゃあ早速食べるか」

「ちょっと待って」

「どうかしたのか?」


 沙織がアツアツのシチュー食べようとする俺を止めた。どうしたのかと思い沙織の方を向くと、彼女はスプーンでシチューをよそって、俺の口元まで持ってきた。


「はい、あーん」


 俺はされるがまま口の中に彼女のシチューを食べた。


「どう美味しかった?」


 正直に言おう。めちゃくちゃ恥ずかしかった。けれど、とても美味しく感じた。その後、もうやりたくなかったのだが、沙織に押し切られてしまいお互いに食べさせ合うことになった。道行く人の視線を浴びるかと思ったが、幸いにもあまり視線を感じなかった。


「次は服を見に行こうよ!」

「分かった」


 次が服が売ってあるお店に行った。一応城を出る際に貰ったお金があるので、庶民用ではなく、貴族用の店に来た。


「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか」


 お店に入ると猫耳の可愛らしい少女が来て、そう言った。


「ちょっといろいろと見て回りますね」

「分かりました。ごゆっくりどうぞ」


 沙織がそう言うと、少女は別の客の所へ行った。




「ねぇねぇ、どっちの服がいいかな」

「水色のやつがいいんじゃないか?」

「うーん」


 またか。今俺は水色のフリルのついた可愛らしい服と、黒の露出が多い大人向けな服選ばされている。というのもさっきから聞かれては一応答えてはいるのだが、そのたびに納得がいかないようで、また似たような服の色違いを持ってきてを繰り返していた。女の子の買い物は長いと聞いていたけど、まさかこんなに長いとは思ってもいなかった。さて、どうするかな。自信を持たせればいいのだろうか。個人的にはさっきの水色のフリルのついた服は沙織に似合うと思ったんだが、それを言うか。


「どっちがいいかな」


 一人で考え込んでいる間に、沙織はまた服を選んで持ってきた。二つの服を見たけど、どうもパッとしなかった。


「さっきの水色のフリルがついた服が似合ってる思うよ。……凄い可愛かったし」

「本当⁉じゃあ、それにするね!」


 俺がそう言うと、沙織はものすごく嬉しそうにしてそう言い、さっきの服を持ってきた。




「いい買い物したね!」


 店を出ると、沙織は俺にそう言った。銀貨4枚と高価ではあったものの、貴族用の服であればこれぐらいするらしい。なので、総合的に見てもいい買い物をしたのだろう。


「何考えてるのか分からないけど……寛太君が気に入ってくれれば私は十分だよ」


 沙織にそう囁かれて、俺は何も言葉を返せなかった。


ティーシャ:「今回の後書きは私たちのようですね」

サーシャ :「面倒くさくないか?作者がやりゃあいいのに」

ティーシャ:「では、貴方はいなくてもいいんですよ?元ヒロイン候補さん?」

サーシャ :「そういや……なんかそんな話あったな。本来サーシャって名前姉上みたいな性格の奴をパ ーティに入れる予定だったとか」

ティーシャ:「なるほど、つまりフィーシャがすべて持っていったと?」

サーシャ :「そういうことだな?今度王国を訪れた時に……」

ティーシャ:「じっくりと話を聞きましょうかね?」


フィーシャ:「ハックション」

ヒカル  :「風邪か?」


ティーシャ:「次回予告はまた出来てないらしいですよ」

サーシャ :「多分ギルドに行くんじゃないかな。まぁどうでもいいや。次回もお楽しみに!」

 

作者 :「グタグタじゃん。今回」


 ちなみにもともとサーシャがフィーシャの位置になる案もありました。

次回もよければ見てください!

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