#40:ポンコツテイマー
新クラスメイトが2人登場します。これでもまだ全員出せていない(-_-;)
キャラ設定集についてですが、第1章ではほとんど新キャラが出てないため、今更ですがキャラ設定集は挟まないことをここに明記しておきます_(_^_)_第2章の終わりには掲示する予定です。
ミスラがそう言って俺は驚いた。確かに俺も何かが引っかかっていたが、この手紙にどんな意味があるのだろうか。
〖この手紙を我から右下に向けて斜めに読んでみて〗
斜め?俺はもう一度手紙を見た。
――
我々はシャレスト王国の秘密組織、スマートである。この屋敷にある金目の物は頂いた。
これはお前ら憎き魔王軍に対する宣戦布告である。我々は力を付けてお前たちを必ず倒す。
これは王族と聖なる勇者及び勇者様方の意向である。お前たちが我々の下に着くと宣言しな
い限り、国をも滅ぼしてくれようぞ。
我スマートに。
我ら決して帝国に屈せず。
我らの神、魔王を許さず。
我らがこのを→滅ぼす。
――
斜めに読むってことは……〚我は王国ト帝王を〛っていう言葉になる。これの何処に意味が隠されているのだろうか。
〖この→っていうのがおそらくそのまま右に読めという意味なのでしょう。をの後に滅ぼすを付け加えて読む、おそらくこれが答えでしょう〗
「我は王国と帝王を滅ぼすということか」
王国はともかく帝王とはなんだろうか。聞いたことないな。俺がそう思っているとオリビアがとても驚いていた。
「王国と帝王を滅ぼす。やはりこの手紙を書いた人はシャレスト王国の人ではありません」
「王様と魔王様を殺すってことですか?一体何のためにそんなことを」
オリビアはシャレスト王国の関係者が書いていないことを見抜いていたらしい。メアリーは逆に凄く焦った表情で俺の事を見てきた。おそらく帝王とは帝国の王、つまり魔王のことだろう。俺が殺されると思ってか、泣きそうな表情をしている。
「大丈夫だ、心配するな」
気が付けば俺はそんなことを呟き、メアリーの頭を撫でていた。彼女はそれがあって安心したのか大泣きしながら抱き着いてきた。
スマートとはどうやら最近現れた盗賊団のことらしい。そこらへんの盗賊団よりも強く、世界最強の盗賊団と言われている。金目の物を漁り尽くし、必要であれば人をも躊躇なく殺すらしい。
王族と魔王を滅ぼす。今の世界のパワーバランスを崩す、あるいは新しい世界を創るといったことが考えられる。
「この手紙が仮にシャレスト王国にも送られているのだとしたら?」
「大変なことになりますね」
オリビアは珍しく焦っており彼女らしくなかった。単純に戦争になれば負けることはおそらく無いだろう。ただ、それでも少なからず被害を受けることになる。
「俺の旅仲間の王女に話をつけて来る」
俺がそう言うと、オリビア以外の4人は慌てふためいていた。オリビアも最初は怪訝な顔をしていたが、俺が意図を説明すると納得してくれた。
「じゃあ、早速行こっか!」
「ちょっ」
アメリアが俺に抱きついてきた。別に俺は『テレポート』を使えるんだけどな。そんなことを思いながら俺たちはシャレスト王国の近くまで『テレポート』した。
フィーシャはおそらく美涼たちと一緒にいるだろう。そして彼女たちなら恐らくここへ戻っていると思う。俺らが使うことの出来る屋敷に先生がいると言っていた。だから、まずはそこを目指してみようと思う。
貴族ようの屋敷が並んでいるエリアに行くためには商店街を抜けなければならない。しかし、この商店街なかなかに広い。
「そこの嬢ちゃんたち、ラビットで作った串カツはどうだい?1個銅貨3枚だ」
屋台のおっさんがラビットで作ったという串カツを進めてきた。そういえば、この世界に来てから魔物の肉を食べたことなかったな。
「良かったら食べていこうよ」
アメリアが俺に言った。ちょっと抵抗はあるけど、食べてみようかと言うと、アメリアのお腹が鳴った。ひょっとすると彼女はお腹が空いていたから俺を利用したのではないか?
「はぁ、分かりました。魔王様も食べるんですか?」
「ああ、折角だから俺も食べてみたいな」
「私も食べたことないので食べてみたいです」
メアリーはどうやら食べたことがないらしい。アリーチェ、ルイズ、オリビアの3人は一応食べたことはあるようだ。ただ最近は忙しくて屋台に行くことがなかったそうなので、なんだかんだいって楽しかったらしい。
「あれ、街中にラビットとスライムがいます」
俺たちの前に2匹の魔物ラビットとスライムが現れた。メアリーが驚いて剣を抜こうとしていたが、普通の魔物ならば街中にいるわけがない。おそらくテイムされた魔物だろう。俺がメアリーが剣を抜くのを止めている隙にアメリアは2匹の魔物と遊んでいた。
〖珍しいほど人懐っこいですね。私もあそこまでの人懐っこい魔物は見たことありません〗
〖ノヴァもない。マモノはそもそもテイマー以外にハ懐かないシ〗
テイムされた魔物はパートナーとなり、頼もしい仲間になる。ただ、パートナーの人間以外に対しては本能で攻撃をしてしまったりすることも稀にあるらしい。知らない人を見ればどの魔物も警戒ぐらいはする。ましてや自分からパートナーの元を離れることなんてほぼないらしい。
「スラさんはどっか行っちゃうし」
「マロンどこ~?」
何処からか聞き覚えのあるような……ないような声が聞こえてきた。あいつらは同じクラスにいたような。するとコチラに気づいた彼女たちが走ってきた。
「あ、マロン!」
「あ、居たわ。こんな所にいたのね!」
すると2匹の魔物はアメリアの元を離れた。彼女たちはアメリアと何かを話しており打ち解けている様子だったのだが、俺は顔を背けた。俺が誘拐されたと思っている連中も少なくはないだろう。ここで他のクラスメイトとの接触は避けたかったのだが、世の中はこうも上手くいかないらしい。
「吉川君。何でこんな所にいるの~?」
「え!?本当だ。あんたなんでこんな所に居るのよ」
気づかれてしまった。彼女たちは俺が連れ去られてたことは知っているだろう。なるべくオブラートに誤魔化さなければ、どうなるか分かったものではない。
「佐倉さんたちと一緒じゃないの?あんたたちいつもべったりしてたから」
「そうですよ~いつも一緒だったじゃないですか」
あれ?この様子だと2人は俺が連れ去られていることは知らないのか?俺はとりあえずホッとした気分になった。しかし、それならば美涼たちがここにいない可能性も出てきたのか。それならば探すのは面倒臭い。
「えっと、そのお2人は」
「あ、紹介がまだだったわね。あたしは小平 紗莉。それでこっちのポンコツが青山 蛍よ」
「ポンコツって、紗莉ちゃんひど~い!」
そういえば、そんな名前だった気がする。完全に忘れてたわ。小平さんはともかく、青山さんは何度か話したことはある。そういえば、いつもこんな調子だったなぁ。2年生になってからはほぼ話してないんだけど。
「オリビアです、よろしくお願いします」
「妹のアメリアでーす!よろしくねっ!」
2人が先に自己紹介すると青山さんがアメリアに「可愛い~」と言って抱き着いていた。アメリアはアメリアで満更でもない様子だった。
「あ、そろそろあたしたちも行かなきゃ、スラさん行くよ」
「マロン行くよ~」
アリーチェとルイズ、メアリーの自己紹介が終わると、小平さんはスライムを、青山さんはラビットを抱えて走って行ってしまった。何か嵐が過ぎ去ったような感じだった。それから俺たちは再び屋敷に向かって歩いた。
「ヒカル?」
商店街を抜けて、貴族街に入ろうと行ったところだった。俺が、いや俺たちが美涼たちと再会したのは。
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