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ワンダーリアル  作者: 淡水
続・第七章:セントラル衝突浅田視点編
53/80

FILE:53 千年後の世界

FILE:53 千年後の世界


「不老・・・不死ッ!?」

イノセントの顔は一抹の恐怖が貼り付けられている。


《狼や魔物によくあるだろう?不老不死。》

対峙するテンペストはその狼の表情からでもはっきりと余裕と理解出来る。

―このまま、諦めるのか・・・?否・・・。あの方のためにも。


□■

主倉庫 奥地。

「私はアレスト・リサイトです。」

「・・・行方不明となっていた考古学者・・・・だな。」

浅田は木箱の上の男の話を知っていた。


「考古学者の私はあの日あの夜の海の中で沈んだ。ここにいつ私は’大和タケル’に救われたエネルギー学者だ・・・。」

「ッ!?」

大和の単語が浅田を駆け巡った。


「やはり・・・あいつかッ!!」

’想像通り’という言葉以外見つからなかった。

―大和は・・・エネルギー学者であることを知っていた・・・だから助けたんだなッ!


再びイノセントとテンペストの戦闘。

「まだ、諦めるわけにはいかない。」

イノセントはさほど大きな怪我を負ってはいないと奮い立つ。


再び双剣に戻し、イノセントは大きく跳躍。双剣をクロスさせ、テンペストへと斬りかかる。

しかし、種明かしが終われば・・・という考えなのだろうか。テンペストはそれを避けようともしない。


グサッ!!テンペストの腹回りにしっかりと入るバツ印の切り傷。

ダンッ!と地上に腕を広げ、着地するイノセント。そして、振り返ると・・・。


《ククククク・・・。》


そこには口角を上げ、嘲笑うか如くの表情のテンペスト。

「ッ・・・。」


―何か・・・何か・・・!


その時、イノセントの脳裏に揺さぶり出てきたのはある呪文。

―しかし、そのためには紋章を描かなければならない・・・。とは言え、将軍は今動きを遅くしている。出来るか・・・?


その時、イノセントは短剣が5本あることに気がつく。

「短剣・・ッ!」

左手で握り、短剣を有り得ない速度で飛ばす。


《甘い、甘い。》


だが、テンペストが余裕を持った行動をした上でイノセントの方を見る。

《ッ!?》

そこには誰もいない。残るのは砂煙のみ。


《消えた・・・。いや・・・。》

奴は俺の目を欺くための短剣かッ!?その疑問が一瞬で沸く。そして、その砂埃はまるで円を描いている様。


《ま、魔法陣か・・・!?》


「遅かったですね。将軍・・・。俺の命を賭けた魔法を!」

魔法陣が怪しげに黒く光りだす。


《ま、まさか・・・死の魔法ッ!?》

「はい。死の魔法とは使用者の命を利用する道連れの魔法・・・。その内の一つです。」

絶対的存在の悪魔にとってはただ相手を殺す魔法。しかし、単なる人間にとっては道連れの魔法。


魔法陣を中心に火が生まれ、渦を巻き・・・。


それは10mを超える火の竜巻。

しかし、イノセントの身に異変が起きる。


《い、イノセントーーーッ!!!!》

その声が漏れ始める。


《き、きさまとて死ぬのだぞッ!!》

「構いません。逝った先で仲良くしましょうよ。今度はウルフなんて関係も無く。」

《・・・私の話を聞くか?》

突然の申し出だった。時間は無いようであった。イノセントはそれを承諾する。


《・・・。私の生まれの話だ。私は、今から120年以上前、遠い異国の地で生を成した。しかし、私の体は先天性よりの異常を持っていた。片親が魔物でも無いのだから当然だ。私自身狼の力を理解したのはそれでも14の時だった。その頃の私は一人荒れていた。一人で生きていた。最初はこの異常を理解出来なかった。だが、こうやって死を前にした時気がついた。私は運命を友達も恋人も親を信用することなく、たった一人で生きていくこと生まれる前から知っていたんだ・・・。定めだ。被害と思っていたこの定めは俺の心が生んだ加害の定めだった・・・。だが、もう遅い・・・。もう・・・な・・・。》

その声は消え失せた。


「あ、熱い・・・!」

「大佐ッ!」

見かねてウィニーが近づく。


「・・・ウィニー・・・。お前に頼みがある。」

徐々にイノセントの体内を炎を襲う。



「この、・・・本土・・戦争を記録しろッ!。西・・・飯島・・・浅田さ、ん・・・。あの人たちのためにも・・・死後千年・・・二度とッ!戦争なんて・・・!起こってはッ!!ならないだッッ!!」

その言葉の返事をしようとした瞬間―。



イノセントの全身から力が抜けるというのを確かに実感する。


「大佐・・・?大佐ッ!!!」

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