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ワンダーリアル  作者: 淡水
続・第七章:セントラル衝突浅田視点編
52/80

FILE:52 ウルフVSウルフ

FILE:52 ウルフVSウルフ


「攻めるぞッ!」

ゲートの奥に入ったらそこは慌ただしい空気。しかし、それを無視する様にイノセントは焦りだした兵士達を斬りつけていく。

それはまさに剣豪の闘い。ウィニーは全身が総毛立っていることに気がついた。


―これがウルフの次期将軍とまで言われた男の闘いッ!


ウィニーは後を尾けるだけしか出来なかった。


「そこまでだ・・・。」

しかし、今までの呑気にも見えた兵士達とは違い一人完全に格が違うといっても過言で無い様な男。

軍服を羽織っており、胸元には狼狩りをする狼の様な図。

「テンペスト・ウルフッ!」

何故、南部軍に所属しているとも言えるエリア王国の兵隊が北部軍の地にいるのか・・・?


―もしかすると、我々の想像を超える様な戦争が起こっている!?


イノセントは実は自分たちの予想を超えた戦争がこの本土戦争なのでは無いかと疑って止まなかった。

「君にはいつも助けられていたな。ヒューズ大佐。」

「私は、使命に則って行動したまでです。」

普通の上司、部下の言葉にも聞こえる。


「ならば、最後の命令だ・・・・。私に殺されろ。そして、これ以上主倉庫の積荷には関わるな。」

その言葉を最後にテンペストはみるみる内にその形容を変化させていく。

《私の体は魔物と同化しているということは知っているな・・・?》

イノセントは相手が本気を出していることなど直ぐに理解出来た。彼の全て体現していると言えた。


《’元’大佐と手合わせをするのは初めてか・・・?》

「手合わせ・・・ではなく、死合でしょう?」

イノセントは手のひらから双剣を取り出す。そして、それを合体させる。

二本は一本となり、伸びる剣。


フッという音と共に周囲に砂煙が撒かれる。


―先手必勝ッ!

しかし、斬りにかかったイノセントは目標の手応えが無い事を察する。


「ッ!?」

《落ちてるぞ・・・。》


イノセントの背中に衝撃。と同時に体内から何かが確実に減っている様に感じられる。

直ぐに後ろの目標に斬りかかる。


が、やはりその姿を特定出来ない。


カキンッ!


火花が散らばる。瞬間的に襲ってきたテンペストを瞬発でいなしたのだ。

「無双乱舞ッ!」

先刻とは異なる刀形状でありながら同様の魔法技を使おうとするイノセント。

刀を地面に差込、動きを止める。


ザッ!と地面と刀の擦れる音。そこからの跳躍―。

それからは一気に降下。


《ぐおぉぉッ!?》

テンペストは体に傷が入ることを感じた。その艶のある黒い毛並みが分かりくいとは言えど真っ赤な血に染められる。

そして、肉は絶たれ傷が生々しく・・・。


生々しかった・・・。


それはふさぎ込み。


上からは新たな毛。


《・・・私は不老不死・・・。》


□■

連絡所 地下。

「誰もいないッ!」

その声が浅田にも聞こえた。しかし、浅田の姿を捉える者など居ない。

浅田は直ぐに地上にもどる。


主倉庫前。

―良し。魔法陣が消えている!

浅田は主倉庫のゲートを遂に開ける。



そこは色々な物ばかり。息を潜めてゆっくりと奥へ足を運ぶ。


すると、一人の男が丁度おり男は一際大きい木箱を眺めている。

「よいしょ・・・。」

男は木箱の上に登り、そして、チェーンに手をかけ大きな木箱の蓋を取り外す。

中には物々しい雰囲気で置かれている円形状の物体。


「動くな・・・。」

浅田は遂に姿を現し、銃口を男―アレスト・リサイトに向ける。

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