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ワンダーリアル  作者: 淡水
続・第七章:セントラル衝突浅田視点編
51/80

FILE:51 主倉庫

FILE:51 主倉庫

「浅田さんとはいつでも連絡を取れる状態になっている。・・・大丈夫さ。あの方なら大丈夫だ。」

イノセントは浅田から預かった無線機を茂みの中で操作しつつ、心配そうな表情をするウィニーにそう言いかけた。

子供をあやす大人のように・・・。

ウィニーは「・・・はい。」としか言うことは出来なかった。


□■

連絡所。

―連絡所のさらに奥。そこが主倉庫か。

連絡所に張り付けれた地図に目をやりながら浅田は現在地を確認した。

現在地は恐らく医務室か休憩所なのかしてベッドがいくつか配置されている。


「おいおい・・・敵襲だって?」

浅田は窓から聞こえるその声の主を見た。敵襲でアベンズも飛行隊も全滅という状況下で彼らはえらく余裕ぶった表情をしている。

「ま、本当に不味かったら分かるさ。」


―大丈夫か・・・?


浅田は敵ながら警戒の薄さに驚いていた。本当にここが北部軍最大の要塞なのだろうか?


「そういや、今海戦の真っ最中だろう?」

「あぁ。両方一進一退だがな。だが、どこが隠し持っていたのか奇妙な戦艦がいるらしい。」

浅田はその話に興味を持った。僅か1週間前ほど我々、この世界とは離反したとも言える存在が空を舞ったという話を知っていたからだ。


「そうらしいな。何でも奇妙な飛行船で、強力な砲が3門。さらに後ろをついて回る物体だとか。どれも変な話だ。まるで妄想を語っているようだ。」

「・・・果たしてな。そうだとしても関係は無いさ。」

兵士達は談笑混じり去っていった。

―・・・。彼らか・・・?いや、飯島だけかもしれないな。


西は無意味な戦争に加担する人間では無いと完全に理解出来た。しかし、飯島の方は何とも言えなかった。

正直、時々飯島は突拍子も無い事は言い放つこともあった。それが所以だ。


そして、歩を包めると少し大きな箱へとたどり着いた。

脇には木板に『主倉庫』としっかりと書かれている。

―ここか・・・?

ゲートはしっかりと閉められている。さらにその入口には魔法陣らしきものが光っている。

解除方法を思いつく事が出来なかったため、浅田はまずウィニーに連絡をとることに。


この場での無線の利点とはテレパシーと違い言葉を発しなければならないものの、テレパシーを傍受されることは無い。

浅田は近くの茂みに隠れ、連絡を取る。


【こちら、潜入班。】

【こちら、待機班です。】

【現在、主倉庫の前に到着。しかし、扉に魔法陣が貼られている。君の意見を聞きたい。】

【そのタイプは継続して張り続けなければなりません。恐らく、それらを統制している魔法紙があると思います。】

【魔法紙?】

【はい。術者が存命している限り簡単なことのみ半永久的に呪文を唱え続ける紙です。主倉庫ほど重鎮な場所となれば、恐らく一枚二枚程度では無いと・・・。】

【決まった姿形を?】

【いいえ。ですけど、魔法陣が子機とするなら、魔法陣が親機にも書かれていると思います。紙は絶対だと思います。少し待ってください?】


すると、相手方はそれ以降応答に応じず、暫くすると返答が返ってきた。

【今、魂の感知をやってみました。地下です。地下があります。重要な物ですし、重要な場所にあると思います。】

【見つけたら?】

【見つけたら燃やしてください。】

【了解。任務を続行する。】


と、今度は完全にその通信が遮断される。

―地下か・・・。先ほどの地図には無かったところからやはり、重要な場所か・・・?


連絡所の最も中心で仕事の多くをそこで執り行っているであろう場所へと浅田は踵を翻す。


連絡所 中央地。

―なるほど。スーツが無かったら不味かったな。

人の出入りも激しい上、皆魔法陣の書かれた手袋を装着している。幸いにもその魔法陣は主倉庫を守っていたものとは違っていた。

すると、真ん中の方に下に繋がるであろうらしき扉が設置されている。


―難しいぞ?スタングレネードを使うか・・・?


しかし、それでは身を隠している浅田自身よりも待機班の身が危ない。

取り敢えず、その扉の上に立つ。


すると、そこに近づく一人の兵士。ヒラリと浅田はその身を少しどける。

ガチャンと兵士は扉を開ける。

そのタイミングを見計らって浅田兵士が扉を閉める寸前中に入り込む。小さな扉に対して中は広い階段。

ハシゴだったりすると厄介だったと己の幸運さに少し驚いた。


兵士が奥に入っていったのを確認し、後を尾ける。


曲がり角を曲がって、その奥には・・・―。


ただ広い空間。しかし、壁一面に一枚にくっついている魔法紙。

真ん中には先刻の主倉庫の警備魔法陣と同様の魔法陣。


―ここか・・・。


先ほど入ってきた兵士以外は誰も居ない。


バジジジジジ・・・。

「ガッ!?」

兵士は突然のスタンガンによる見えない奇襲を浴びその場に昏倒する。

―さて、燃やしますか・・・。


【こちら、潜入班。】

【こちら、待機班。】

【突入準備を開始してくれ。今から主倉庫の魔法紙を燃やす。しかし、非常に大きい上に重要な場所だ。直ぐに気づかれる。】

【分かりました。合図をください。】

【・・・了解。通信はこのまま繋いでおいてくれ。】


浅田はライターを取り出す。


ボォォォォ・・・。


そして、それを魔法紙にそっと当てる。

その瞬間―。


【『「(キャァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!)」』】

女性の叫び声が幾つも重なった様な声が地下室、いや連絡所全体に響きわたる。


「まさか・・・魔法紙がやられたかッ!?」


【突入をッ!】

【了解。】


茂みの中を破って出る待機班。


「敵襲だッ!」

そして、彼ら最大の戦闘が幕を開けようとしていた・・・。

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