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ワンダーリアル  作者: 淡水
第五章:本土戦争開幕編
32/80

FILE:32 名乗る男

サウスアンゴル王国近郊。 王国非公式大陸船団。

「行きにも搭乗していた。志木です。」

男がその船団にそう言った途端、男たちの顔がえらく驚愕したものとなった。


「おっと。これは失敬。切符を忘れてましたね。」

切符と共に男は腕を巻くって文様を見せる。男たちは慌てて支度を始める。


3日後。エリア王国 軍所。

「何?大陸船団に志木と名乗る男が?」

その一報はイノセントに届いた。志木が早乙女基地から走ってどこかへ消えたと聞いていたイノセントもこの報告には驚き、そして喜んだ。

しかし、それは飛行場に行った事によって呆気無く打ち壊された。


大陸船団 飛行場。

「・・・や、大和タケルッ!!おい!憲兵ッ!大和タケルを王暗殺、他国への無許可での渡航の容疑で逮捕しろ!」

「・・・。」


ニヤッと。薄気味悪く蛇の手錠をかけられる大和。まるで、これも計算の内だと言わんばかりに。


□■

大和がエリア王国に逮捕されている頃。

車椅子に乗った浅田が基地へ一時帰還していた。目的は主に二つ。


西シュンスケ。飯島ヒデキの二佐昇進。西二佐の新司令への就任。


「二人はその肩の線に負けない様にな・・・。」

おぼつかない言葉が並びつつも彼らは素直に敬礼をする。プレッシャーと喜び、その双方があった。


「では、私はそろそろエリア王国へと戻るよ。」

CH-53ヘリに乗せられた浅田は上空へと消えていく。と同じ頃、通信兵が走って西の元に駆けつける。


「司令ッ!エリア王国ヒューズ・イノセント大佐より入電!大和タケルを国王暗殺並びに無断渡航の容疑で逮捕した。そうです!面接拒否らしいですけど・・・。」

「大和がッ!?あの野郎・・・よくも抜け抜けと帰ってきたな・・・。アンゴル地方にまで行って今度は何をしていた?」

今度は別の通信兵が西の前にやってくる。


「追加です・・・。サウスアンゴル・・・南米ですね。南米にて志木死す・・・。だそうです。」

その報告は基地全体を襲撃に走らせた。


「し、志木が・・・?」

「はい。アンゴル地方のパワーバランスを担ってい絶対王イヴィル・クラークを殺害しようとした際自分も転落し、死亡したそうです。」

語られた志木の死。志木はサウスアンゴルでは永遠の暗殺者として処理されるのだろう・・・。そこに至るまでの経緯も分からない状態。


しかし、きっかけはあの手紙に違いない・・・。


だが、そんなものなどもう無い。


「司令。提案があります。」

飯島が話の区切りを見て、そう話かける。


「我々も本土戦争に加担すべきです!生きていくためにも。」

「なッ!何を言ってる!それはだめだ。俺たちは全員で生きて帰るんだ。本土戦争なんかに構っている暇は無い。」


飯島は少し顔を顰め、


「では、目の前で死んでいく人命を見捨てろと?」

「そうは言っていない。だが、我々がわざわざ戦争に介入する必要は無い!」

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