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ワンダーリアル  作者: 淡水
第二章:暗殺阻止編
16/80

FILE:16 狙撃手 沢木

エリア王国 軍所。

「はっはっは。驚かしてすまなかったな・・・。科学の民よ。」

それまでは険しい表情で俺たちを連行していたイノセントが軍所に入るなり表情を和らげた。


「・・・?」

一同の顔に張られたのは唖然の表情。

「いやな、国王から話は聞いていたんでな。」

はっはっは。と今だ続く高笑い。

「しかし・・・。空の里を滅ぼしたのは・・・気に入らんな・・・。」

「・・・。確かに過剰防衛とも言えます。空士長に代わって私の頭を下げておきます。」

すっと頭を45度の敬礼の姿に変わる西。次いで基地の者は皆敬礼をする。


「分かっておる。君らにはこの世界が未知なのだ。攻撃されたら反撃するのもまた然り。今回は私の顔にかけても君らのことは不問にしておく。」


「ありがとうございます!」

一抹の不安が過ぎっていた彼らの表情が明るくなる。

「だが、来てもらった割りにもてなしが出来ずすまない・・・。実は国王暗殺計画が浮上していてな・・・。前に俺と同じ旧市街出身者のグループを見逃してしまった。これがいかんかったのだろう・・・。」

「大佐は現在の将軍と国王の政治をどう思われて?」

志木の切り出しに少し困惑した様子のイノセントは椅子に腰をかけることを伝える。


「確かに国王という貴族にうってかわって将軍という軍人が政治を行うのは非常に不味いと歴史が物語っている。結局武人というのは家臣という枠組みが一番しっくり来る。つまり、私はこの政治を見届けるしか方法は無い。ということだ。」

イノセントは見張りの兵士にコーヒーを注文する。


「客人に出せるようなコーヒーでは無いかも知れないが・・・。」

「いえいえ・・・。」

熱いコーヒーが全身を流れる。悪くない味と判断した西は美味いという言葉を連ねずとも目で語った。


「ふっ。西中尉と言ったか?君はコーヒーの価値が分かるようだな・・・。」

大人を漂わすイノセントはコーヒーを受け皿に置き、静かに険しい顔になる


「コーヒーの価値が分かる君に先ほどの暗殺計画を止めてもらいたい。正直、私は暗殺を練っているグループを見逃してから風当たりが強い。いつ監禁されるかも分かったものでない。そこで、私は君らに賭けて見ようと思う。」

「!?」

一同を稲妻が走った。

大佐クラスの人間が見知らぬ人間に頼る。いくらなんでも無謀とは思わないのか?

疑問はいくつもある。だが、彼らもまた何かに引き寄せられていた。


□■

エリア城 謁見所。

「どちらにせよ、君の渡航は不可能だ。いつ南部決戦が起きるか分からない。南部決戦が起こればそれこそセルノーツは大戦争に巻き込ませる。そんなところに滅んだ里の人間が参戦出来るとでも?」

「・・・。私の身のうちを知っていてそんなことを仰ってるのであれば、これはとんだ計算違いだ。まさに私の友’西シュンスケ’の様に。」

大和は腰に巻きつけてあった何かを取り出す。


「計算違いと言えど、これ一つで事象は起こすことが出来ます。彼はきっと今に後悔しますよ。」

9mm拳銃。それがしっかりと大和の手に握られていた。



「そして、世界は科学を必要とする瞬間があります。南部決戦、まさにいい舞台じゃないですか?きっと彼らは南部決戦に突入しますよ。」


「私には君が何を考えているのか分からない。」

ブラットですら大和を理解出来ずにいる一人。

「私が見た物が真であるならば、世界を見据えねばならないと感じたまでです。それ以外は’一瞬違わずあなたと同じ人間です’」


□■

数時間後、辺りが真っ暗になった頃の軍所。

「明日から遂にエリア祭。12:00に国王の演説が始まります。」

「殺るならばそこか。’あれ’持って着といて正解だったな。はい、基地に問い合わせたところ明日の気象で風は大きく乱れる様子は無いようです。」

彼らが持ってきたのは、M24対人狙撃銃。狙撃には沢木。

そして、西と滝は必要とあらば宿屋に国王を保護する保護組。


志木は現地潜入。白田は観測手として沢木のバックアップ。


万全の準備の下彼らは不安に駆られつつ眠りにつく。


AM 5:00

「では、作戦に移る。我々は先に確保した宿屋に向かう!」

軍所前でブリーフィングを行う部隊。それぞれは険しい顔つきで戦場に赴く。



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