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ワンダーリアル  作者: 淡水
第二章:暗殺阻止編
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FILE:14 退学手続き

フォースノーツ 現在の四国。

「見事な着陸だった。」

「いえいえ・・・。では私は付近を旋回してまいります。」

西部隊はヘリから降り、私服に身を包んでいた。


「現地の人間はこれを着るのか?」

同様な格好をしている志木に聞く。

「感謝してくださいよ?王国の市民が着る服、戦時の田舎の里が入手するなんて指南の技なんですから。」

「しかし、似合うものだな。」

西が沢木の服装を見て、手を顎に添えながら興味深かそうに言う。

「中尉も似合ってますよ。」

「言っちゃなんだが、俺は背が高いから目立つな・・・。ははっ。」

今までの緊迫した一ヶ月の疲れがどっと抜ける。


「さぁ、行きましょう。」

志木がその空気を一変させるかのように指示を出す。一同は素直に応じついていく。


□■

エリア王国 市街地。

「おぉ・・・街という感じだな・・・。」

魔法の国に来てからこちら基地以外の街灯を見るなんて初めてだった。


―それだけ他人との交流に飢えてるんだな・・・。


西は上司として部下達の興味深かそうな眼差しをそう感じていた。

「旧市街地に戦前よく言ってた酒屋があるんです。行ってみますか?」

「あぁ。俺は構わないが?」

西は酒に強かった。しかし、部隊の連中は「酒は飲めない」らしく酒屋に行くこととなったのは結局志木と西だけだった。


エリア王国 酒屋。

「・・・。RPGゲームなんかによくある酒屋だな・・・。」

若い看板娘が居て、酒飲み、厳つい傭兵風な人間やダンディーな店主。店には大きな樽までも見え隠れする。THEゲームの酒屋というのが西の第一印象。

「ゲーム・・・?」

魔法の国にはそんなもの無いらしくゲームという単語を意味深そうに悩んでいる様子。

「酒は・・・任せた・・・。」

この世界の酒について知るわけが無く、取り敢えず志木に何でも良いと伝える。


「おまちどうさん!」

若い看板娘が差し出したのはビール。

「お!」

ビールが最も好きだった西は食物に飢えた狼の如く、それを飲み干す。


「かーっ!うまい!」


こっちに来て、戦闘が連続していた西にとってはこれが最高の褒美とも言えた。


一方、西部隊の面々は・・・。

エリア王国 広場。

「俺は酒がダメでね・・・。」

「俺もだ。」

全員が頷き、苦笑していた。


「しかし、これからどうする?中尉が飲んでるなら俺たちで先に散策してみるか?」

「それがイイかもな。中尉には後で連絡を入れておこう。」

直後に彼らは一斉にエリアの地に消えていく。


戻って西と志木。

「ですが、やはり空の里の雲を撃墜したときは驚きましたね・・・。」

志木があの時モニター越しに映っていた映像に驚きを隠せないようだ。


「あぁ・・・。だが、飯島にとっては良くなかったのかもしれないな・・・。」

そこで西は飲みかけてたジョッキをカタンと机に置き、少し下向きに笑いながら昔を話そうとする。


5年前、西が防衛大学校に退学手続きを提出しようとした日。

辞めようと思うんだをきっかけに西と飯島の喧嘩は直ぐに殴り合いに発展した。

「レーダーだけしか見えないお前のパンチなんてなんてことも無い!」

「お前は鍛えが少ないんだよ!」

と見栄を張った殴り合いも最終的には


「やるじゃねぇかよ・・・。はぁはぁ・・・。」

「ちっ・・・。」

と変化していた。


最後にドガッ!っと西のストレートが飯島の顔面にめり込む。

「ぐっ!」といううめき声と共に宙を舞う一枚の紙。


「なんだこれ?」

無風のそこでは紙など直ぐに地につき、西は拾い上げる。

「退学手続き!?何だよこれっ!」


「・・・。」

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