1.わたくしは猫である
魔女の弟子の選択した使い魔とは……!
魔女サンドラに弟子入りしたのに、サンドラのうっかりで、ヘーゼルには使い魔がまだいませんでした。
サンドラは慌てて、使い魔になる子猫を探しに、ヘーゼルを連れて近くの村へ……。
そこで待っていた運命の”子猫”は?!
語り手は、”使い魔の手袋”でお送りいたします。
※カクヨムにも投稿してます。
※カクヨムに投稿された第一章・第二章は、こちらを加筆修正したものになります。
――わたくしは猫である。名前は『手袋』。偉大なる森の魔女サンドラの使い魔でございます。
まずは、わたくしの自己紹介と、この家での仕事についてご説明いたしましょう。
魔女の使い魔といえば、黒猫が伝統的ではありますが、わたくしは完全な黒猫ではございません。顔の左右から胸と腹にかけて白毛に包まれ、前足もまるで靴下を履いているかのように白いのです。
「前足だけ白いから……そうね、手袋。手袋にしましょう! よろしくね、手袋!」
――と、まあ、そんな軽いノリで『手袋』と名付けられました。ちなみにご主人の機嫌を損ねると『靴下』と呼ばれます。何だか屈辱です。人間は前足に靴下なんて履きませんし。ぷんすか。
性別については、使い魔になってからはあまり関係ありませんが、一応メスでございます。自分で言うのもなんですが、どうやら愛想が悪いらしく、『オスなのではないか』と思われがちです。ですが、れっきとした『メス』ですので、念のため。
サンドラが魔女として一人前になり、一人暮らしをする前に住んでいた家には、わたくしの親や兄弟姉妹がおりました。それはもう賑やかな日々でありましたが、今はとても静かな毎日を送っております。いえ、『数日前までは』ですが。
先日、魔女の弟子となったヘーゼルが、今では家事をやっているので、わたくしは『ご主人のお世話と家事』から『ご主人のお世話とヘーゼルの監督』へと変わりました。少し暇になった……と思いきや、ヘーゼルが何かやらかさない日はほぼございませんので、その後始末に追われております。
……本当に暇になったのかわからないのですが。ファッ◯ン、小娘。
まあ、ヘーゼルの小瓶のキラキラが、日に日に増していってるので、ここは目を瞑りましょうか――。
ちなみにこれまでご主人は、何人もの行き場のない人間を一時的に住まわせていたり、弟子にして住まわせていたので、この家にはそれなりの広さに部屋数と裏庭がございます。裏庭では鶏を飼育しており、また野菜などを育てております。
それに今まで生活してきた人間たちが残していった、様々な日常雑貨や衣服などが揃っております。これらの管理はわたくしが行なっており、例えば突然、この家に住む人間が一人や二人増えたとしても、十分対応出来るようになっております。ですので、ヘーゼルの身の回りのものもすぐに揃えることが出来ました。
この家では基本的に自給自足の生活ですが、生活する上で足りないものがある時は、村や街まで出かけることもあります。この時、わたくしは留守番です。優雅に日向ぼっこをしております。もちろん、家事をこなしたあとですけれど。




