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【全年齢版】部長と私の秘め事  作者: 臣 桜
第三回女子会

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プレイヤー

 仕事で冷酷な一面を見せる姿も、完璧な御曹司と言われる澄ました面も、私たちに見せる必要はない。


 そして私も、涼さんにツンツンする必要はない。


 尊さんは、物事も人も色んな面を持っていて、自分が認識している面がその人、出来事のすべてじゃないと言っていた。


 けれど恋をする人は「好きな人だからすべて知りたい」と言うかもしれない。


 でも付き合っている人が自分にとって〝いい相手〟なら、無理にそれ以外の部分を暴かなくてもいいのだろう。


 私も、尊さんの『荒れていた』時代を詳しく深掘りすべきじゃない。


 宮本さん以外にも大勢の女性と〝関係〟していたかもしれないけど、今は私だけだと分かっているし、その人たちが現れる気配もない。


 私がそんな事を考えている間、二人はバカラのテーブルに向かい、ディーラーさんと英語で話をしている。


 バカラはディーラーさんがカードを配り、プレイヤーと呼ばれる先攻が勝った場合は2倍、バンカーと呼ばれる後攻が勝ったら1.95倍、引き分けになったら9倍の配当があるらしい。


 その際、カジノの取り分であるコミッション(手数料)が5%引かれる。


 バンカーが6点で勝った場合だけ、配当金から50%引かれるのを、シックスバンカーハーフと言われるそうだ。


 二枚のカードの合計が8、または9になると、ナチュラルエイト、ナチュラルナインとして無条件で勝つ。


 バカラでも10以上のカードは意味を持たず、0扱いされてしまう。


 たとえばエースとクイーンが出たら1、4と9が出ると合計13になり、一の位の3、エースと9だと0。


 基本的に二枚ずつカードが配られるけれど、〝条件〟を満たせば、三枚目のカードを追加する事もできる。


 三枚目のカードを追加する条件は、プレイヤーとバンカーとで違っていて、とても難解なルールになっている。


 配られたカードの合計が、プレイヤーの場合0から5まで、バンカーが0から2までの場合、三枚目のカードを引ける。


 プレイヤーのカードの合計が6、7だった時は、バンカーだけが三枚目を引く。


 バンカーのカード二枚の合計が3から6の場合、プレイヤーが引いた三枚目のカードの数字により、バンカーも三枚目を引けるかが変わってくる。


 ……と、こんな感じでルールがややこしいけれど、私たちがルールを覚えてプレイしなきゃならない訳じゃない。


 まぁ、尊さんや涼さんならスルッと覚えそうだけど。


「バカラはすぐ終わるから、待っててくれ。終わったらホテルに戻ろう」


「はい」


 尊さんに言われ、私たちは二人の後ろに立って待つ。


「勝ちますように」


 私は尊さんの背後に立ち、両手をかざして念を送る。


「……勝ちますように」


 すると恵も同様にして、振り向いた涼さんにニコッと笑われていた。


 尊さんも涼さんも、全額プレイヤーに賭けた。


(わぁ……、これ、バンカーが勝ったら二人で大負けだ)


 これまでのゲームで、私たちはともかく、尊さんと涼さんはそれなりの勝ちを積み重ねている。


 最初、彼らが五万円近くチップに変えたお金は、慣れなのか運なのか分からないけれど、三十万円近くに膨れ上がっていた。


 それに加えて、私たちのなけなしのチップがプラスされている。


 自分の分はどうでもいいけど、総額三十万以上を全部スると思うと、怖くて堪らない。


「うわぁ……、アアアア……」


 私はバックンバックン心臓を高鳴らせ、恵の手をギュッと握る。


「マジ心臓に悪い。もう二度とカジノ来ない」


 恵もまた、顔色を悪くしてブツブツ文句を言っていた。


 やがて、バンカーとプレイヤーに二枚ずつカードが配られ――、オープン!


(プレイヤーは!?)


 息を呑んでカードを見ると、なんと、6と3の9、ドンピシャ!


「よしっ!」


「っしゃ!」


 尊さんと涼さんはハイタッチし合い、私と恵はお互いを抱き締め合ってヘナヘナと崩れ落ちてしまった。


「マジもうやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ……」


「心臓口から出る死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……」


 しゃがみ込んでいる私たちを見て、尊さんと涼さんは笑顔で笑い飛ばす。


「なーにやってるんだよ。ほれ、立て」


 尊さんは私の腋の下に手を入れ、ヒョイッと立たせる。


 隣では恵も同様にされていた。

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