34 私の気分はいいですよ
マールの大暴走…。
お酒は適量を飲みましょう☆
テーブルの上に転がる空き瓶たち。
…勝ったのはもちろん、わ・た・し☆
「あはははっ!ツブれてやんの、なっさけねぇっ!!」
只今、私のテンションはMAXですっ!あ~、頭がぼ~っとする。
テーブルに突っ伏したまま、ピクリとも動かなくなったレイに、急性アル中か?とも思ったが、うん、上手く考えがまとまらないので放置する。
そして、レイを指差しながら放った言葉に、周りが一歩下がったような気がしたが、コレも気にしない。しっかし、頭が安定しないなぁ。
かくかく揺れる頭を軽く振り、まだ飲めそうなので、目についたマッチョにお願いする。
「お前、酒もってこい」
言われた相手は、青褪めた顔で、慌てて食堂から出ていった。どこに酒をとりに行くんだか。
早く戻って来いよ~っと。
そして、まだ私の近くにいたチョビひげのおっさんを見てから、にっこりと笑ってやる。
これだけは伝えなければならないんだっ!!
「負けたアイツに、掃除させとけ」
まずは顎でレイを差し、それから、レイが床に落とした物体を指差した。
「お…っ、おうっ!」
何やらビビっているおっさんに首を傾げていると、
バッゴォーーンッ!!
と、ものすごい音が食堂内に響いた。次いでざわめく周囲に、またもや首を傾げる羽目になる私。
う~~~んっ、眠たくなってきた?
「マール…」
おぅ、おぅ、どこの魔王だよ?その身体の芯まで冷えそうな声の持ち主は?
だんだん下がってくる瞼と格闘していたら、眩しく煌めく銀髪と碧と金のオッドアイ。
「ザ、今夜の寝床ぉぉおぉぉおおおっ!!」
忘れていたが、漸く迷子から開放された様で、嬉しさのあまり、両手を広げた。
ガツンッ
左手に何かが当たったような気がして、総長ぉぉおおおぉぉおっ!!とマッチョたちが叫んだ。
ランドリックさんがどうかしたのかと思えば、相変わらず床に大の字になっている。
おぉうっ、ランドリックさん!そんな姿も麗しい!!
よいしょと立ち上がると、地震が起きているようだ。ぐらぐらとどこもかしこも揺れている。
べしょっ
…尻もちついちゃったよ、あはははっ!
そのままずりずりとランドリックさんに近づき、ランドリックさんの頬をぺしぺし軽く叩く。
「ランドリックさ~んっ。おきてくださ~い。あたし、勝ちましたよぅ。ほめてくださいよ~ぅ…」
そう言って起こそうしたが、うぅ~、もう限界。…ランドリックさんの筋肉でも枕にするか。
ランドリックさんの腹部めがけて頭を振り落とそうとしたら、ガクンと中半端に頭が止まった。
「まぁる?何をしようとしてるんだ?」
んんっ?クソ甘ったるい声ですねぇ。
上から降ってきた声の方向を見れば、笑顔のジェイがいた。
「黒っ!!ジェイ、黒過ぎぃ~!あはははっ!!」
その黒過ぎるオーラが私のツボに入り、爆笑してしまう。
爆笑している私に、微妙な顔を向けるジェイは相変わらず綺麗だが、なんか距離近くね?
ぐわんと上体が傾げたので、慌ててジェイの肩に縋りついた。
「…帰るぞ」
なんだが不機嫌ッスね!?カルシウム足りてないんじゃね?
「あいよぉ~。その前に、あの生意気な若造のところまでお願いします」
帰る前にやっぱり、自分でお灸据えなきゃねぇ。
「おい、そこのお前。そいつを起こせ」
レイの近くにいたスキンヘッドの若造に、潰れているレイを起こしてもらうように頼む。
「マール?」
ジェイが、怪訝そうな顔をするが、まぁ、待っとけ。つか、足が浮いてる?
「ジェイ、降ろしてぇ~」
足をバタバタさせると、ジェイが私の腰を持ちつつ、立たせてくれる。
「ありがと~」
おぅ、地震はまだ続いているぞ?
テーブルを伝って、レイの所までたどり着き、私の方にレイを向けてくれるように、スキンヘッドの若造に頼む。
お前はハゲか?
レイは操り人形のようにぐでんぐでんだったが、その顔を両手でしっかり持って、自分の方に向けた。
「マールッ!?」
『うおぉぉぉおおぉぉおおおおおおっ!?』
何やら周りが喧しいが、気にしない!こいつには天誅を食らわさなければ!!
顔をゆっくり近づけ、狙いを定める。
「よせっ!!マールッ!!」
『ぎゃあっ!!レイの唇がぁっ!!』
ジェイの悲愴な声がして、マッチョたちの意味不明な悲鳴が響く。
「せいっ!!」
ゴツンッ!!
あはははっ!私の頭は石頭なんだよ☆
「食べ物を粗末にすんじゃねぇぞっ!?もったいないお化けがくんだからなっ!!」
ビシッと指を差して、決めゼリフ。
うん、今の私はかっこいいっ!!
周りがやけに静かになった気がするが、まぁいいか。それより、私の眠気は限界です。
「ジェイ帰る…」
目をごしごし擦ろうと思ったら、うまく擦れない…。
あっ、眼鏡してたわ。眼鏡をとって、ごしごしすれば、おぅ!上手くいったよ☆
身体がふわりとして、鼻に何やらいい匂いが掠める。
「いい匂いがするぅ…」
くんくんすれば、耳元でジェイの声が。
「お前は酒臭い」
さーせん。ちょっと、飲み過ぎましたわ…。
マール:…
ジェイ:…
マ:…何も言うなよ?
ジ:…あぁ
マ:…それより、久しぶりの登場だね?
ジ:…そうだな
マ:…あのアホ、もうすぐこのお気に入り登録が、400件になるから500件目指そうって、調子乗ってんだ
ジ:…そ、そうか
マ:無理だよな
ジ:そうだな
マ:…くっ!
ジ:ど、どうしたマール?
マ:ジェイのアホッ!ハゲッ!お前なんかっ、お前なんか…っ、ハゲ散らかして死んでしまえっ!!
ジ:ま、まぁる?
マ:どうせっ、酒癖悪くて、口も悪い不細工ヒロインが主人公の話なんて…っ!!誰も見ちゃくんねぇよぉぉぉぉぉおおお~~~っ!!(泣)
ジ:まっ、待て!!
マ:誰が待つかっ!!バカぁぁぁああっ!!(逃)




