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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第六章 オープンワールド

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第六十七話 詫びる!

「はっはっはっ。よくやった、人間」




カノンの面前――、


タクヤ達はカノンの館に足を運び、宝玉奪還の報告を済ませた様だった。


「『人間ー』じゃなくて俺様にはタクヤというれっきとした名前が……」


「黙れ」


「もがもが!」


小言を言うタクヤの口を、タケヒコが塞いだ。


「宝玉はマリン族大聖堂に戻ったと、現地のマリン族から報告は受けておる。さて、褒美をやろう。そこのお前……」


カノンはマリン族の使いの者に何かぼそぼそと伝言をする。一分もしないうちに、マリン族の使いの者は宝箱を持ってタクヤ達の前に現れた。




「おお!」


「褒美だぁああ!!」


「わくわく」


「♪」




タケヒコ、タクヤ、ノノ、セルジュは上機嫌で構えていた。


「さあ、受け取るが良い」


宝箱が、カノンからタクヤ達に差し出された。タクヤは、その宝箱をウッキウキの状態で開ける。


「何が出るかな、何が出るかな」


「おい、どっかの放送局に訴えられるぞ?」


「まーまー、気にしない。開けるぞ!」


タケヒコの突込みにも動じず、タクヤはついにその中身を確認する。


「これは……」


『魔導書を二つ手に入れた』


「んー、魔導書かぁ……何か既視感あるよなぁ」


「何じゃ? 不服か?」


「あー、あのぅ……頑張ったんだから、もうちょっと良いのを……」




「滅相もございません!!!!」




「!?」


タクヤとカノンとの会話に割って入るものが――。


ノノだった。


「何だ? ノ……」




「このような豪勢な宝物を頂けるとは!! ありがたき幸せ!!」




「ほう、気に入った様じゃな。良い良い」


ノノからの感謝の言葉に、カノンは気分よく満足気になっていた。その裏でタクヤとノノはひそひそ話をする。


(てめっ、ノノ! マリン族の女王ってくらいなんだから、もう前に手に入れた魔導書なんかじゃなくて初見で感動するような豪華な褒美貰った方がいいだろうが!)


(がめついんだから……。この後実家の離れでクエストクリアの報酬ももらえるから、大丈夫ですよ!)




「何!? 本当か!!」




思わず、タクヤは声を上げてしまった。先程の小声より、遥かに大きな声を出してしまった為……、


「何じゃ? 急に大声を出しおって」


当然、カノンの耳に届いてしまった。


「あ……」




「無礼者!!」


「カノン様の前で、この狼藉はなんたるか!!」




カノンの家来たちは槍をタクヤ達に向けた。




「あらー……」


「どうするんですか!?」




唖然とするタクヤに、動揺するノノ。


そこで――、


「先程の非礼をお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」


タケヒコが右膝を立ててひざまずいた。


「そして多大なる報酬、誠にありがとうございました。今回は魔将軍ゼトの手下、堕天使ルシファの襲来による危機に対し、我々が対処致しましたが、これ以降も有事の際には、報酬が無くとも我々は駆け付け、問題解決に尽力しますので、どうか宜しくお願いします」




「そ……そこまで言うなら」


「ああ……」




カノンの家来たちはどよめきながらタケヒコの物言いに納得した様子だった。


「もう良い、下がれ」


『はっ!』


カノンの家来達は、命令に従いタクヤ達に向けていた槍の構えを解いた。そしてカノンは更に口を開く。


「其の者、先程の言葉、嘘ではないな?」


「はい! ウソはありません」


「ははっ、それは頼もしい」


「今回は一件落着ということで、これにておいとまさせてもらいます」


「そうか、またな」


「失礼します」


こうしてタクヤ達一行は、カノンの館を後にした。




カノンの館入り口にて――、


「いやー、危なかったな」


「誰のせいだと思っているんですか。全く……」


ノノはプンプンと怒った様子でタクヤに返した。


「それにしても、タケヒコ。何で咄嗟にあんなセリフ言えたんだ?」


「そりゃー、会社で謝罪文書く時の研修を参考にしただけだよ」


「礼儀正しい企業なんだな……つくづくブラック企業に入社しちまった過去の自分がかわいそうだぜ(涙)」


「タケヒコ君はホワイト企業に入社してたんですね。それにしても……」


「ん?」


「タケヒコ君、カッコよかったです……」




「! ――」




タケヒコは思わず顔を赤らめた。ノノも少々、うっとりとしている。


「あー! ノノがメスの顔してるー!」


「!! っはぁ!?」


「タケヒコも、顔赤くしちゃって」


「!! んだと!?」


二人は赤面しながらも戦闘態勢に入る。ノノは身構えて、言う。


「この前みたいに丸焦げにしてあげてもいいんですよ? さあ、サンダーとフルフレイム。どちらが好みですか?」


「あ……」


タクヤは事の重大さに気付き始める。タケヒコはタクヤの喉元に剣を突き付けて、言う。


「タクヤぁ……この高くなった『攻め』ステータスから繰り出される斬撃をその身体にぶち込んでやってもいいんだぜぇ?」


「あらー……」


タクヤは事の重大さを完全に理解した。


そして――、


「誠に、申し訳ございませんでした」


パーティのリーダー、タクヤ、パーティの一員二名に、深々と土下座をするのだった。




――、


『今日は一日、ありがとーございましたー!!』


タクヤ達一行は、舟に乗り、『水の都』から『始まりの村』まで帰ってきた。


道中、舟を漕いでくれた船頭に挨拶をしたのだった。


「また舟を借りる際には言ってくれよ。勿論、コレは頂くがな」


船頭は親指と人差し指で輪を作っていた。


「はは……」


苦笑いをする、タクヤであった。




ともあれ、クエスト、『水の都の秘宝』クリア!!

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