第四十九話 意外な出会い
「ねぇねぇタクヤー♪ これからどこ行くぅー?」
「んー? そうだなー……」
始まりの村――、
その屋外でセルジュは次の行き先はどこか、タクヤに問いただしていた。
「ん? そういやこういう系統のゲームってミッションと言うか、クエストみたいなもんがつきものだと思うけど、そういうのってあるのか?」
「もちろんあるよ♪」
「それについては私が説明します!」
タクヤとセルジュの会話に、ノノが割って入った。
「通常、このゲームの進行において、1パーティは最多で4人ですが、クエストでは他のパーテも多くて3つ同時に加わることができます。つ、ま、り、は! 最大で12人でのプレイが可能になるのです!」
「おお! でもそんなに多く集まる意味ってあるのか?」
「ふっふっふ、侮ることなかれ……」
今度はノノとタクヤの会話にタケヒコが割って入った。
「それだけ、このゲームのクエストは難易度が高いというコトだ! その代わり、大量のコインやレアアイテムをたくさんゲットできるぞ。因みに、もう知ってるかもしれないが、タクヤの実家の離れでクエストの申し込みができるぞ!」
「おお! 俺の実家大活躍じゃん!! そんじゃ、ゼト戦へ向けて、高性能装備集めと行きますか!」
『おー!』
タクヤ達は早速タクヤの実家の離れ(ゲーム内の)へ足を運んだ。
離れ――、
受付の様なNPCとタクヤがクエストの申請について会話していた。
「よっ! 嬢ちゃん、久しぶり。今はどんなクエストに行けるの?」
「ハイ、タクヤさん達のパーティが今行けるのは『市街地のネコ探し』と『砂漠のサソリ退治』ですね」
「ネコ探しってネコさがすだけかよー、地味だなー。サソリ退治は面白そうだな。これにすっか」
「スト――――ップ!!」
タクヤのクエスト選びに待ったをかけたのはノノだった。
「これ、このクエスト……相当難易度高いですよ? 難易度の指標を見てください」
「ん? ……星4つ……?」
「そうです全クエストは、難易度5段階評価で成り立っているんです。星が多ければ多いほど難しく、今回のは4! 二番目に難しいのですよ!?」
「俺からもいいか?」
タケヒコも口を挟んできた。
「このクエスト、前回プレイの時にやったが、相当苦労させられた。他の強力なパーティが居なければ、全滅していたかもな。前あった、負けイベント以外での全滅はコインとアイテム、装備品を紛失するコトになるぞ……?」
タケヒコの忠告を聞き、フルフルと顔を下に向けて震え始めるタクヤ。
「ねー♪ どーする?」
セルジュがその様子を覗いてみる。すると――、
「行くっきゃねーだろ!? サソリ退治!! こんな楽しそうなクエスト、やらなきゃ損だぜ!!」
「はぁー、やっぱりそうなりますかぁ……」
「こうなったタクヤは、誰にも止められないな」
「うん♪」
パーティのタクヤ以外の三人も腹をくくった様だ。
「この前の、神殿の時みたいに私を力尽きさせたら、ただじゃおきませんからね! タクヤ君!!」
「他のパーティが弱そうだったら撤退するぞ、タクヤ」
「まぁ、いつも通りやろうね♪ タクヤ」
「おうおうおうおう、俺に任せとけ、皆。一応聞いておくけど、ネコ探しのクエストは、星幾つなんだ?」
「そのネコ探しは2ですよ」
「!」
受付のNPCの言葉に驚愕するタクヤ。
「(星1つじゃなかったんだ……そんな大変なのか、ネコ探し……)あ、そうなんスか。あざーす。ひとまず、サソリ退治、出発!!」
「おー」(約1名)
――、
サバサバ砂漠にて。
「暑っちいー。何だココ、やけに気温たけーな」
「そりゃ砂漠ですからね」
「……な」
ノノとタケヒコは、タクヤの発言にやや冷ややかだった。
そこへ――、
「行くよ! 皆!!」
『!?』
バサバサという音を立てながら、上空から一つの影が落ちてきた。タクヤ達は音のする方向を見上げる。
『――!』
そこにはドラゴンに乗った女性が空を滑空していた。
「何だアレ? かっけぇな! おーい!!」
タクヤは童心に戻った様に手を振った。
「ん? あなたは誰?」
ドラゴンに乗った女性はタクヤの目の前に降り立った。そこでタクヤは自己紹介ついでにパーティも紹介した。
「俺はタクヤ! で、こっちの剣士がタケヒコで、この魔法使いがノノ! で、この回復魔法系の魔法使いがセルジュ!!」
「そう……私の名前はガブリエル。ドラゴンナイトを役職にしているよ。私のパーティだけど……」
「?」
「ガブリエル、待ってー」
「!」
ガブリエルを呼ぶ、女性の声が――。その方向をタクヤのパーティは見つめてみる。そこには鎧をまとう女性と、乞食の様な格好のオッサンが居た。
「! タクヤ……!! タクヤじゃないか……俺だよ……! 私、だわよ」
「は!?」
鎧の女性はタクヤを見るや否や、急に男口調になった後、無理やり女言葉を使ってきた。
「鎧のねえちゃん、俺のコト知ってるの? 名前は?」
「……アキラ、だわよ」
「アキラ? ……アキラどっかで聞いたような……」
「あー!」
「ね♪」
タケヒコとセルジュは何かに気が付いた様子だった。
「タクヤ! アキラって言ったらあの人だろ!? ほら、野球部の!」
「アキラ……アキラ監督!?」
「あー、バレちまったか。タクヤにタケヒコ、元気にしてたか?」
どうやら、タクヤ達の高校球児時代の監督が、アキラという名前でこのゲームをプレイしている様だった。




