第四十七話 神殿、再び
『りんご、イチゴ、キウイ、バナナ、桃、ナシ、ブドウ、みかん、メロンが徒競走を行いました。最下位になったのはどの果物? 果物の石板を押そう』
「……1分だけ待ってあげますよ?」
12畳程の広さの部屋、その部屋に果物の絵柄の石碑が存在していた。タクヤは石碑に書かれた問題を読み、悶々と悩んでいた。
(りんご……は違う。ナシが無しで最下位? 短絡的過ぎるか……? クッソ、前に誰かが解いて答え分かったのに……)
「58、59、ハイ! ここまで。分かりましたか?」
「さぁー?」
はぁーと、ノノは長い溜め息をつき答えを言った。
「りんご、イチゴ、キウイ、バナナ、桃、ナシ、ブドウ、みかん、メロン全部で9つのフルーツ。最下位は9位で、キウイが正解。ホント忘れっぽいですね。逆に凄いです」
ガクッとタクヤは首を傾けた。
「まあまあ♪ タクヤはデスクワーク派じゃないし……ね?」
セルジュの慰めが、タクヤにとっては逆に辛く感じた。
ともかく――、
ゴゴゴゴゴという地響きが鳴り、第一の部屋への扉が開いた。そこには――、
「ガギィン……ガッ!」
ゴーレム達と戦うタケヒコの姿があった。
「タケヒコ君!!」
真っ先に口を開いたのはノノ。タケヒコの身を案じた。
「! タケヒコ!!」
意気消沈していたタクヤだったが、そうは言っておれずに、正気を取り戻し、タケヒコの残りHPを確認した。
『タケヒコ、HP:12/140』
「!? タケヒコ!! 虫の息じゃねぇか!!」
「ピンチだね♪」
タクヤ、セルジュは身構える。タケヒコはようやく三人に気が付いたようだ。
「ノノ!? タクヤにセルジュもいるじゃねぇか! 俺がドンケツか。くーっ!」
タケヒコは何かしら悔しそうにしていた。
「そんな泣き言、言ってる場合じゃねぇ! タケヒコ行くぞ!!」
『タクヤのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ!! メガゴーレム1、HP:30/95』
「サンキュなタクヤ。俺も続く!!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「たぁぁああ!!」
『ヒット! 効果は今一つ!! メガゴーレム1、HP:10/95』
「くっ、倒しきれなかったか……ノノ! 頼む」
「タケヒコ君……(敵は2体……私は!)」
『ノノのターン:アイテム――、薬草』
「なっ!? ノノ!」
「私は! タケヒコ君に倒れてほしくない!!」
『ノノはタケヒコに薬草を使った! タケヒコ、HP:32/140』
「少しでも力になって!」
「ノノ……サンキュな……」
「涙ぐましいねぇ♪」
『セルジュのターン:回復魔法――、ギガントヒール』
セルジュはタケヒコに対し、杖を振った。
「シュイーン」
タケヒコの身体はまばゆい光に包み込まれたのち、HPが回復した。
『タケヒコ、HP:140/140』
「おお! 全回復! ありがとな、セルジュ!」
「お安い御用♪ でも気を付けて! 敵のターンだよ」
『敵のターン、メガゴーレム1:アームタックル』
「ゴォ!!」
「ぐあっ!」
『タクヤにヒット! タクヤ、HP:90/115』
「相手は2体! でもセルジュの回復魔法があればイケるぜ!!」
『メガゴーレム2:アームタックル』
「ゴォ!!」
「ぐあっ! またかよ!?」
『タクヤにヒット! タクヤ、HP:65/115』
「敵のAI、鬼畜過ぎぃいい!!」
「タクヤ、スキル『挑発』が無くても見事に標的になってくれたな」
「ステータス『守り』とHPが一番低いって感づかれたんだね♪」
「でも何とか凌いだぞ! こっちのターンだ!!」
『タクヤのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ!! メガゴーレム1、HP:0/95、メガゴーレム1を倒した!!』
「っしゃあ! 1体やったぞ!!」
「相変わらずだな、タクヤ! 俺も行くぞ!!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ!! メガゴーレム2、HP:75/98』
「へー、辛ぇー」
『ノノのターン:戦う――、サンダー!』
「ゴロゴロ……!! カッ!! ……」
『ヒット! クリティカル!! メガゴーレム2、HP:0/98、メガゴーレム2を倒した!!』
「やたっ!」
「ナイスだノノ!」
「ハイ!」
ノノはタケヒコとハイタッチを交わした。
(愛のパワーだね♪)
セルジュはひっそりと思うのだった。
『敵を倒し、薬草を3つ、復活の薬草を2つ、100コインを手に入れた!』
タクヤはテロップに過剰に反応する。
「おお! 久々に大量のコイン、ゲットぉー!!」
((金の亡者め))
パーティの三名は一致団結してタクヤを揶揄していた。
「それより、タクヤぁ♪」
「?」
「はい、ヒールっと♪」
セルジュはタクヤに対して杖を振り、回復魔法を使った。
『タクヤ、HP:115/115』
「おお! あざす!! セルジュ様!!」
「何で様付け? キモいよ、タクヤ♪」
「だってさー、ノノとか、タケヒコに対しては薬草やるのに、俺にはくれないんだよー。何でだ?」
「なっ、別に何でもありませんよ!」
「怪しいな、ん? ちょっと顔赤くなってる」
「なってません!」
軽く言い合いになるタクヤとノノに対して、タケヒコは声を掛けた。
「まー、何かあろうがなかろうがとりあえず、サンキュな。ノノ」
「あっ、ハイ。まあ、仲間としてトーゼンのコトをしたまでです!」
「そういうコトだよ♪ これ以上は詮索も検索も、禁止!」
「どーやって検索するんだよ、セルジュ。でも、まあこれで……」
『全員集合!!』
「だね♪」
パーティは一瞬ではあったが、心を一つにしていた。




