↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第四章 現実(リアル)のひと時

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/117

第三十三話 コンビニアルバイト

「いらっしゃいませ!」




とあるコンビニの一軒――、


そこでタクヤはアルバイトをしていた。小さ過ぎず大き過ぎない、爽やかな声でタクヤは客に対して挨拶をしていた。


「298円が一点――、480円が一点――、100円が二点――、合計978円になります!」


タクヤはアルバイト三日目を迎え、徐々にレジ打ち、品出し、商品棚の整理等が様になってきた。そこへ――、


「タクヤ君、ウォークインの補充、行ってきて」


「ハイ!」


コンビニの店長が現れ、タクヤに飲料の商品整理をするよう、指示してきた。




ウォークインとは、ウォークイン冷蔵庫の事である。前だけでなく、店員しか入れない後ろ側にも商品補充用の扉があるタイプの冷蔵庫である。コンビニで、ジュース等を買う時、ジュースの向こう側で人がゴソゴソ動いていたら、その人はウォークインでの作業をおこなっているのである。結構寒い。




(うひょー、今日も冷えてんねぇ。夏にこの温度は快適っしょ……。おーっと、長居はしてられねぇ。快適さを感じつつ、サッサと終わらせっぞ)


タクヤは作業をせっせとこなしていく。売れている商品はウォークイン冷蔵庫裏側から見ても数が減っているため、開けた段ボールから同じ商品を取り出し、滑らすように並べていく。




「ガラガラッシャー」


「ガラガラッシャー」


「ガラガラッシャー」


タクヤはただ黙々と飲料商品を並べていった。商品は寸分狂わず並んでいく。それは隊を成す軍人達の様に、一定の間隔を保ち並んでいった。




――、


「っし、終わり!」


タクヤはウォークインでの作業を終えた様だ。


「店長! 終わりました」


「22分かぁ……タクヤ君、まぁまぁの早さだけど、あと数週間後には15分~20分くらいで終われる様に、ガンバってね」


「ハイ!(やっべー、まだ遅いか……)」


「ああ。後、ファーストフード、チキンが切れそうだから、作っておいてね!」


「ハイ! すぐ作ります!!」




コンビニのレジ横にあるファーストフード――、


それらは一度加熱処理がなされており、数分、フライヤーにかければ商品として陳列することができる。レジにいる店員は、レジ打ちの合い間に、フライヤー等の調理器具を動かし、調理中にレジを打ち、レジが終わって調理が終わっていたらファーストフードを陳列していく――と、いうピク〇ン張りの作業同時進行をおこなっていく必要がある。




タクヤは、調理器具を作動させてその場から離れると、いう事に始めのうちは躊躇していたが、バイト三日目ともあればササッと調理器具を動かし、レジに戻りお釣りの補充をしたり、公共料金支払い等の代行収納の用紙を整頓したりと、手慣れた手つきで作業ができるようになっていた。




「♪~」




「! いらっしゃいませ! ……!!」


客が来た。


しかし、その客はタンクトップを着、両腕に刺青を入れ、顔面には一筋の傷が入っている、そんな如何にもな、大男だった。


「赤マルのミディアム」


「マ……マルでございますか?」


「煙草だよ! タ! バ! コ! 早くしろ」


客はイライラをストレートにぶつける様、タクヤを恫喝してくる。タクヤはテンパって声が裏返りながら対応した。


「赤マル……のミディアムですね……少々お待ちください。赤マル……赤マル」


タクヤは恐怖に怯えながら赤マルミディアムをレジ後ろの棚から探した。


(くっそー、健全な高校球児だったから、タバコなんて見たことすら滅多にねぇよ。てか、このオッサン怖すぎ。ギガゴーレムよか怖えぜ……)


「早くしろ!! ったく……13番だよ!!」


客は更に大きな声でタクヤに噛み付いた。


「ハイ! 13番ですね(やっと見つかったー! てか、最初からそれで言ってくれよー。初心者なんだからー)」


「2個」


「600円が二点で……」


「いちいち話し掛けんな!! 早くしろ! クソ店員!!」


「! 申し訳ありません……。1200円になります(店長に一点ずつ言えって言われてんだよこっちは……)」




「ジャリン!」




「フン!! ペッ! 二度と来るかこんな店」


客は店内に唾を吐き、店を出ていった。


(1200円丁度、お預かりします。ありがとうございました)


言ってない。


と、そこへ――、


「タクヤ君」


「!」


タクヤに話し掛けたのは店長だった。何やら、苦笑いを浮かべ、少しだけ申し訳なさそうにしている。


「大変だったでしょ? 色んなお客さんが居るからね。気にしないコトだね。タバコの銘柄、少しずつ覚えていこうね? お客さんが居なくて、商品も並べ終わってたら、レジの後ろ見ながら覚えるトレーニングしていけばいいから……ガンバろう!」


「て……、店長……」


店内の冷房は効いていたが、タクヤの胸は熱くなり、じーんとした。救われたような気がした。タクヤは、バイト先がここで良かったと、心から思った。




小一時間後――、


「ん?」


タクヤはレジから、挙動不審な様子の客を見つけた。キョロキョロと辺りを見渡している。目深に帽子をかぶって、黒いマスクをしている男性のその客は、化粧品コーナーの前に居た。タクヤは、何となく物陰からその客を観察するコトにした。


数十秒後、


「すっ」


その客は化粧品をエコバッグ(エコじゃない)に入れた!!


(ッハ!! 窃盗だぁぁああああああ!!!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。