第三十話 スキル、盗む
「ビャン!!」
毒蛇がタクヤの後方を襲う――
瞬間、
「ガギン!」
タクヤは振り向きざまに所持していた装備品、『ナイフ』で毒蛇の口を塞ぎ、バックアタックを防いだ。
「おー。俺、カックイイ!」
「カッコつけてる場合か、タクヤ! 戦闘始まるぞ」
タケヒコが一声、言い終わるか終わらないかのところで、戦闘が始まった。
『毒蛇達が現れた』
毒蛇は草むらにもう1匹居たのかスルスルと現れて、計2匹との戦闘となった。
「シ―フになってからの初陣、行くぜぇー!!!!」
『タクヤのターン:戦う――、斬り付ける!』
「スパッ」
『ヒット! 効果は抜群だ!! 毒蛇1、HP:0/32、毒蛇1を倒した!!』
「さっすが俺! 初陣でも決まってんねー」
「ううん、タクヤ♪ ここ、『底無しの沼地』は『神殿』の様に敵キャラが強いマップと言うよりかは、どちらかと言うと『深き緑の森』よりで、マップ探索が難しい感じなんだ。だから出てくる敵はちょっと弱めなんだよ♪」
「えぇ……」
セルジュに口を挟まれ、意気揚々としていたタクヤは一転、意気消沈してしまった。
「次は俺か。行くぞ……!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける』
「ズバッ」
『ヒット! 効果は抜群だ!! 毒蛇2、HP:0/33、毒蛇2を倒した!!』
「ふぅ……」
タケヒコは剣を鞘に納めた。
「おー。お二人とも、相手が格下とは言え、流石です」
「今回は出番無かったね♪」
ノノとセルジュは口々に言った。
『毒蛇達を倒した! タクヤ達は経験値をもらった』
「え……? これだけ?」
タクヤはポカンと、開いた口が塞がらない様子だった。敵を倒したときにもらえる経験値が少なく、ゲットできるアイテムも無かったからだ。
「相手がよええからな、仕方ないだろ」
タケヒコはタクヤよりは現実を見れるタイプの様で、今回の戦闘を客観視できている様子だった。
「――! ちぇっ、仕方ねぇか」
タクヤも渋々、その事態を受け入れる様子だった。
――、
パーティ一行は闇雲に沼地を歩き続けていた。じとじとと、湿度と温度が高い気候、ぬかるんだ土地の、沼地を――。
堪らずタクヤがセルジュに向かって弱音を吐く。
「セルジュ―、いつになったらゴールに辿り着けるんだよー? もう2、3時間くらい歩いてるんじゃないかー?」
「タクヤ、正確には1時間40分だよ♪ 流石に、疲れてきたね。このマップを攻略するのにも、前の“森”同様、地図である『詳細マップ』を手に入れないと厳しいんだ。詳細マップは、敵キャラを倒したときに、ランダムで手に入るんだけど……“神殿”で運を使い果たしたかな? 運が良いこのパーティだったけど今回はあまり運に恵まれてないね♪」
「アレ、また要るのか!? めんどくせーな。……! あっ」
何かを思い出したの如くタクヤは声を上げた。
「? どうしたの、タクヤ♪」
「ん、まー見てなって、セルジュ!」
「?」
数分後――、
沼地を散策している一行。そこへ――、
「グゥウウウー!!」
『沼ワニ達が現れた!!』
「きゃつらめ、ようやく姿を現しおったな?」
「タクヤ♪ どうするつもり?」
「しかと見届けよ、セルジュ。行くぞ!!」
『タクヤのターン:スキル――、盗む!』
「!」
「!!」
「!?」
パーティの他3名に、電撃の様な衝撃が走る。
『薬草を手に入れた』
「チッ、外れか。皆、逃げっぞ」
「!」
「!!」
「!?」
パーティの他3名に、更に電撃の様な衝撃が走る。
『逃げる――、上手く逃げ切れた』
――、
「ハァ……ハァ……今のは何だ? タクヤ」
ぬかるんだ、足場の悪い沼地。そこを全力で走り逃げ切った後、少し開けた場所でパーティは足を休めていた。
「んー? ヒットアンドアウェイってヤツだ、タケヒコ。ふー。それにしても、走った走った」
パタパタと手で顔を扇ぎながら、タクヤは言った。
「あのなぁ!?」
「うん♪(怒)」
「ですよ!!」
3人がそれを赦すコトは無く、
「もしかして詳細マップ出るまでアレ続ける気か!?」
「流石にやめた方がいいよ♪」
「ぜぇーったい、やめましょう!!」
パーティの過半数に反対され、ポリポリと頭を掻きながらタクヤは呟いた。
「良いと思うんだけどなぁー」
『どこが!?』
「あー、じゃあもう一回! もう一回だけやらせて! 次ダメだったら皆の指示に従うから」
「しゃあねぇな、それなら次が多分最後だからな」
「じゃあそれで♪」
「もー、仕方ない人なんだから」
「ありがとな、皆。おし! 最後のチャンスにかけるぜ!!」
タクヤは意気揚々と声を上げた。
――、
沼地を進む一行。すると……。
「シャ――!!」
『毒蛇達が現れた!』
「きたぜ、敵!! セルジュ、蛇達も詳細マップ持ってることがあるのか!?」
「うん♪ このマップでは稀に敵が地図、詳細マップを持っていることがあるのだけれど、どの敵も一律の確率で持っているコトがあるよ」
「よーし! じゃあ決まりだな!!」
『タクヤのターン:スキル――、盗む!』
「よしゃ! 盗ったどー!! これは……!」
『血清を手に入れた』
「は?」
「外れ、ですね……!」
「その様だな」
ノノとタケヒコは身構える。
「こっからは従ってもらうぞ!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「スパッ!」
『ヒット! 効果は抜群だ!! 毒蛇1、HP:0/32、毒蛇1を倒した!!』
「うっし!」
「私の番ですね、行きます!」
『ノノのターン:戦う――、フルフレイム!』
「ボッ! ゴオオオオ!!」
『ヒット! 毒蛇2、HP:0/30、毒蛇2を倒した!!』
「よし!」
『毒蛇達を倒した! タクヤ達は経験値をもらった』
「こっちの蛇のアイテムは!?」
『敵を倒し、薬草を手に入れた』
「!!」




