第二十二話 ニュース速報
「ここでニュースが新しく入ってきました。
ファイター・タクヤさんが率いるパーティがマップ神殿の終の部屋にてギガゴーレム2体を倒し、神殿をクリアしたとのことです。
パーティはまず、タクヤさんの挑発で、いつもの様にギガゴーレム達の注意を引き付けて、セルジュさんが防御魔法を使い、敵の攻撃を受け切る作戦に出ます。
ノノさんは手堅く大ダメージを与えられる攻撃魔法、フルフレイムを序盤使い、先手を取ります。
タケヒコさんはモンスターとの相性が悪いと踏み、主にアイテム、薬草をノノさんに使いサポート役に徹していました。
ギガゴーレム達のターンの攻撃を受け切ったタクヤさんは、一転攻勢、装備銀のグローブと相性の良さから敵に大ダメージを与える活躍を見せます。また、タケヒコさんはセルジュさんの回復魔法でHPが全回復できないと踏み、薬草を今度はタクヤさんに使います。
ノノさんはここで賭けに出ます。クリティカルが出ればよりダメージが大きいサンダーを使った攻撃を繰り出しました。これが功を奏して見事にクリティカルを引き当て、ギガゴーレム1体を撃破。ギガゴーレムは残り1体となります。
ここに来てセルジュさんは冷静で、タクヤさんの回復を優先。回復魔法を使います。これによりタクヤさんのHPが全回復。万全の状態で敵の攻撃ターンを迎えます。
敵の数も1体となっていた為、余裕をもってタクヤさんは敵の攻撃を受け切ります。
タクヤさんのターンにクリティカルが出てギガゴーレムは大ダメージ。タケヒコさん、ノノさん、セルジュさんンも最後のターンには総攻撃を仕掛け、ギガゴーレム2体目も撃破。見事、パーティはマップ神殿をクリアしました。
今後の活躍に期待です。以上、ニュースでした」
『カンパーイ!!』
タクヤのパーティは、始まりの村の、飲み屋で打ち上げ的なものを開いていた。
「いやー、それにしても――」
タケヒコがビールを飲みながら気分よくしゃべる。酔いもかなり回ってきたらしい。
「タクヤの“挑発”、あれほど便利なモンはないよな!」
「るせっ、タケヒコ。毎回の如く囮になる身にもなれ。この薬草係が!」
「あん? 何だとタクヤ。レベルも勝っているしこの前のリベンジしてもいいんだぜ?」
「なんだよ、やるか?」
「まあまあ、二人とも。マップ神殿、クリアできたんだし……」
今にも決闘を始めそうなタケヒコとタクヤの間に入って、ノノは仲介しようとする。
『フン!!』
二人は顔を背けた。
(ケンカする程、仲が良い♪)
セルジュは朗らかに笑いながらその様子を目にしていた。
「そ、そういえば……」
ノノは何とか話と二人の機嫌を変えようと話題を振る。
「終の部屋で得たアイテム、アレは強力でしたね」
「お、おう。ノノとセルジュには水晶の杖、俺は光の剣、タクヤは銀の鎧。どれも終盤まで使えるアイテムのうちの一つだな」
少し機嫌を戻したのか、タケヒコはノノに対しては怒った様子もなく普通のトーンで言葉を返した。タクヤも、平静を取り戻し、言葉を発した。
「でも、戦いで食らったギガタックルの威力(読者様のご想像にお任せします)は、相当なもんだったぜ? 何かを得るには、それ同党の代価が必要になるってヤツ? あ、焼き鳥もう一皿!」
フーと、ため息をついた後、タケヒコは呟いた。
「それにしても――、俺ら現実の腹が満たされる訳でもないのに、こんなもんよく食ったり飲んだりしてるな」
「雰囲気が大事なんだよ、雰囲気が」
もぐもぐとタクヤはピザを頬張りながら言う。
「でもこれ以上やってたらコインなくなるぜ? 次の皿平らげたら、そろそろ店出ようや」
「待って♪」
『!?』
口を開いたのはセルジュ。毎度の如く、地図を広げて次のマップ攻略の作戦会議を始めた。
「丁度机もあるしね、ここでやっておこう。次に行く場所は“深き緑の森”。その名の通り、木々で覆われた緑豊かな森だよ♪ 難易度としては、神殿が4面目とすると、2面目くらいだから大して問題はないと思うけど……」
「何だよセルジュ? 新しい装備も揃ったし、ヨユーだろ!」
「そうだなタクヤ。神殿では手こずったけど、深き緑の森くらいなら前回プレイの時は、簡単だった記憶もあるぜ?」
「そうかタケヒコ。じゃあ、早速出発しようぜ? セルジュ」
「分かった。じゃあ早速――」
「そこは待って!」
『!?』
叫ぶように口を挟んだのは、ノノだった。
「神殿攻略中、結構時間が経過しているから、現実世界では夜になってると思うの。だから……休憩、欲しいです」
「あー」
「確かに」
「だね♪」
――、
「とりあえず、ここ、タクヤの実家の離れで♪」
『セーブしました』
「あっ、セルジュ。このゲーム、前はよくわからんとこでスタートボタン押してセーブしたり、セーブポイントがあったりしたけど、セーブの仕様、どうなってるんだ?」
「ああ、言ってなかったね。マップ内では不正対策でセーブできない場面があったりするから、逆にセーブポイントでは必ずセーブできるようになっているんだ♪」
「この離れはセーブポイントなのか?」
「ううん、正確に言うと、この始まりの村ではどこにいてもセーブができるようになってるの♪ だから、各マップからここに帰ってきてセーブするプレイヤーが多いかな」
「なるほど!」
うんうんと、タケヒコとノノは首を縦に振っていた。
「なら次の集合時間を言うぜ!! 皆疲れてるかもだから、明日の朝9:00から! 遅れんなよ!!」
『おう!!!!』




