第十話 神殿
「ここか……」
タクヤ達一行は、砂煙が舞う、見通しの悪い砂漠地帯に佇む、神殿に辿り着いた。その佇まいは不気味、という言葉が見事におあつらえ向きだった。
「ん? これは……?」
タクヤは何かに気付いた。そこには文字が刻まれた石碑が存在していた。刻まれている文字を読んでみる。
「えーと、何々? 『都会のカエルと田舎のカエル、クイズに正解したのはどっち? 都会のカエルなら右の、田舎のカエルなら左の石板の上に立て』だと? ……。ここでコテコテの日本語なぞなぞかよ!」
「こういうところが、エモくて流行ったんだけどね、このゲーム♪」
いつもの調子でセルジュが口を挟んだ。
「まあいい、都会……田舎……文明の利器に富んだ、都会!!」
タクヤは右の石板の上に立った。
すると――、
「ビュン!!」
「え?」
タクヤ目掛けて、槍が飛んできた。
「おあー!!」
タクヤは、寸前のところで槍を全部、避け切った。
「リーダー、しっかりー(笑)」
「これくらいの問題、解いてくださいよー、リーダーなんだから――」
タケヒコとノノの心無い言葉が飛んでくる。
「るっせー! 俺の素早さステータスと幸運ステータスが抜けてたら、串刺しになってたんだぞ!!」
「はいはい、仲間割れはここまで♪ 因みに正解は、都会のカエルが、街のカエル、マチガエルで、正解するのは、田舎のカエルでしたー♪」
「俺は! こんなだまくらかし問題、求めてねーからな!!」
セルジュからの正答を聞き、更に不機嫌になる、タクヤであった。
――、
田舎のカエルの方、左の石板に、一同は立った。
すると――、
ゴゴゴゴゴという地響きが鳴り、神殿の扉が開いた。
「っしゃあ! 行くぞ!」
「何か忘れているような……」
「……」
『第一の部屋――』
そこは、12畳程の広さの部屋だった。
「また何かあるぞ!」
タクヤは、またしても石碑の様なものを見つけた。タケヒコは思い出した様に言う。
「あー、これかぁ。忘れてたのは」
「既プレイ組は、把握済みってか、セルジュもなのか?」
「私はストーリークリアしてるから二周目で、勿論この正答を織り込み済みだよ♪」
「くっそー、今度こそは、正解してやるー」
タクヤは気合を入れて石碑を注視した。それには、こう書いてあった。
『りんご、イチゴ、キウイ、バナナ、桃、ナシ、ブドウ、みかん、メロンが徒競走を行いました。最下位になったのはどの果物? 果物の石板を押そう』
「……」
――、
「……」
――、
「……」
――、
「……」
――、
「……」
――、
「カーカー」
「……」
――、
「オイ!! 日が、暮れちまったぞ!!」
思わず突っ込むタケヒコ。一方でノノは、
「スピー……スピー……っは!! 寝ていませんよ! 寝ていませんからね!!」
「……」
セルジュは言葉を失った。
「りんご、イチゴ、キウイ、バナナ、桃、ナシ、ブドウ、みかん、メロンで9個の果物!! 最下位は9位でキウイが最下位だよ! このポンコツリーダー!!」
「いや、俺……この手のなぞなぞは苦手で……」
激昂しながら正解を言うタケヒコに、タクヤは何も言えなかった。
「フ―、こんなんじゃあいけないな。リーダー、交代するか?」
「!! それだけはご勘弁を」
「あのぅ、私もリーダー、タケヒコ君にした方が良いかと……」
「うーん……」
「ノノとセルジュまでぇ!?」
パーティは崩壊寸前だった。
「よし、まぁ仕方ねえ。次の戦いで、リーダーらしいコトできたら、リーダー続投していいぞ?」
「ありがたき幸せ!!」
(うーん、もう既にどちらがリーダーか分からなくなってる……)
タケヒコとタクヤのやり取りに、疑問を持つノノであった。
――、
「タクヤ、参考程度に言っといてやる」
「?」
「正解の石板を押したら、第二の部屋に進むことができるが、ゴーレムが待ち構えているぞ」
「まぢかタケヒコ!? 気い引き締めて行かねぇとな! 押すぜ!」
タクヤはキウイの柄の石板を押した。すると、ゴゴゴゴゴという地響きが鳴り、神殿の壁面が横に開いていった。
「!?」
そこには、3体のゴーレム達が待ち構えていた。よく見ると、大きさに違いがある。
「!」
タクヤはセレクトボタンを押した。すると、ミニゴーレム1体、ゴーレム2体との表示が!
「タケヒコ!! 俺ら二人で1体のゴーレムを倒すぞ!! ノノとセルジュはミニゴーレムに掛かれ!!」
「おうよ!」
「了解です!」
「うん♪」
『タクヤのターン:戦う――、殴る』
「とりゃああ!!」
「ゴッ」
『ヒット! 効果は抜群だ!! ゴーレム、HP:50/80』
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける』
「はぁああ!!」
「スパッ」
『ヒット! ゴーレム、HP:35/80』
「硬い!! 剣術は不利か!?」
「なーにやってんだ! もっとやる気出せよ! タケヒコ!!」
「るっさい、本気でやっとるわ!!」
「次は私達か……レベルアップして、覚えた技を……!」
『ノノのターン:戦う――、フルフレイム』
「ボッ!! ボワッ!! ……メラメラメラ」
『ヒット! ミニゴーレム、HP:3/50』
「惜しい!! 倒しきれなかった!」
「じゃあ私が♪」
『セルジュのターン:戦う――、杖で殴る』
「たあ☆」
「ゴッ」
『ヒット! ミニゴーレム、HP:0/50、ミニゴーレムは倒れた』
「やた♪」
「よし! 後はゴーレム2体だ!! HPの少ない奴から順番に攻撃していくぞ!!」
「おう!」
「ハイ!」
タクヤの号令に威勢よく答えるタケヒコとノノだった。




