最終回 不屈国国王コーイチ、出陣!
ー決着を付けましょう、陛下。
それの文だけでもう誰だかわかったが、ミーファというサインを見て予感が当たったと知る。恐らく建国の式典当日に攻めてくるだろうと考え、タウマス王には延期を伝える使者を出し軍の準備に入った。
国の中は動揺していたので準備をしながら皆に声をかけて回り、自分が先陣に立つと言うと安心してくれる。
日頃からパルダスやヴァルドバ、それに勇太たちが非常事態に備えてくれたおかげで、あっという間に出陣の準備は整った。
出陣の当日、エイレアとエイミーそれにホリィに行ってくると告げ、家を出ようとした時
「いってらっしゃいコーイチ。私たちも子供たちも、あなたが無事に帰ってくるのを待っています」
そう言われて驚き動揺して転びそうになる。元の世界で独身で死んだ自分が、まさか人の親となれるとは思えず、信じられなくて聞き返してしまった。
「そんなことを聞き返すな。行くぞコーイチ」
まだ話は終わってないのに勇太に引きずられ家を後にする。もう少し話をと粘るも、粘って何を聞くと言うのだと問われ答えられなかった。
出陣前に大混乱状態で本陣に辿り着き、ライエンに活を入れられて目を覚ます。
「ったく子供が出来たくらいで動揺しすぎだ。鬼神、英雄、伝説という名を欲しいままにする男とは思えんな」
いや動揺するだろと反論するも、皆には溜息を吐いてスルーされ、獣族を迎え撃つための戦略と戦術を説明し始める。
相手は南下してくる上に、その森の中は未知の生物もいるため、こちらは迎え撃つことを念頭に置いて動く。
ただ以前にエルゴが暴れた場所付近は今は麦畑になっており、貴重な食料源なので出来ればそこでの戦闘は避けたいため、こちらもある程度北上して陣を構え踏ん張る必要があった。
「食料が無くなったら民心は荒れる。金で解決できないこともあるから、この防衛ラインは下げられない。いつまでも子供のことで動揺してないで、しっかりしろ陛下。ここで負けたら子供の未来もないんだぞ? 分かってるのか?」
ライエンに言葉で活を入れられ、目を覚ましただけでなくこれまでにない力が、腹の底から湧き出てきた。
皆の未来を守るための出陣だとはわかっていたが、自分の子供の未来を守るための出陣でもある、そう考えるだけでより負けられない気持ちになる。
準備が整いましたとパルダスから声が掛かり、本陣を出て兵士たちが待つ場所へ移動した。陛下からひと言と促されたので、思いのまま語ることにする。
「皆の者、我ら不屈国初の戦いが、襲い来る者たちから守る戦いであることは、ある意味運命ともいえよう。そして何よりこれまで負けずに立ち上がってきたからこそ、今の我々があるのだ。今回も必ず勝つ。マナと森の加護が皆にあらんことを……出陣だ!」
「不屈国国王、コーイチ陛下、ご出陣!」
皆の叫び声と共に全軍出撃し防衛ラインまで進む。まさか異世界に転生し冒険者となって英雄とまで呼ばれ、最初に目指した通り一国一城の主になれるなんて夢のようだった。
元の世界で突然死んだことに悔いはあったが、転生して多くの者たちを守れ、向こうで成しえなかったことを多く出来たことは感謝しかない。
だからこそ自分に付き従う者たちを一人でも多く守るため、与えられたチート能力と武器を使って戦い続ける。
王となっての初陣で改めて決意を固め、戦いに挑むべくサジーを走らせた。
「陛下、敵がこの先に居ます。連中思ったより早い」
エルゴの報告を聞いて頷き、サジーに行くぞと声をかけ敵陣へ突っ込んでいく。相手も此方を見つけて声を上げ始めたので、名乗りを上げることにする。
「我は不屈国国王コーイチである! 我が国に仇なす者たちよ、怪我をしたければ掛かってくるが良い!」
目指した通りに一国一城の主となったからには、この命尽きるまで我が国民と共にあり、可能な限り殺さずを貫きたい。
迫りくる敵をすべてを蹴散らすべく、魂斬りを放ち戦いの火ぶたを切った。
完
職業:不屈国初代国王
役職:エイレア(王妃)
エイミー(王妃)
ホリィ(王妃)
ライエン(宰相)
パルダス(国王親衛隊隊長)
ヴァルドバ(第一部隊隊長)
士元勇太(第一遊撃隊隊長)
ツクヨミ(遠距離部隊隊長)
ジンネ(中継部隊隊長)
ダーント・ミエナ(補給部隊隊長)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(後方支援部隊隊長)
ホルム(医療部隊隊長)
アインス(守備部隊隊長)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名物や名産及び特産品:カジノ・マナ蚕による衣料品・燻製肉や干物
医療品各種・船による観光や輸送・馬の繁殖と育成
建国宣言時の人口:約五百人
所持品
メイン武器:クリスタルソード
サブ武器:神の使いの剣
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント
深紅の鎧




