第二百六十九話 不屈の国
翌日から国の名前について考えながら仕事を続ける。パッと思いついたものを傍にいるエイレアとエイミーに言うも、反応はいまいちだった。
ボキャブラリーがそんなにある方でもないので、決めろと言われてもそんな素晴らしい言葉は出てこない。色々考えた末に、捻りを聞かせたりおしゃれさや素晴らしさなど考えず、ストレートに行こうと開き直った結果、今の国が出来た象徴的な言葉にする。
「不屈国?」
二人に改めて提案すると腕を組んで唸り始めた。響きが良いかどうかは別として、この国が出来たのも困難から立ち上がった者たちの集まりなので、それを象徴する言葉が良いと考える。
「不屈か……男の子が好きそうな言葉よね」
「そうね。でもまぁコーイチが王様だし、皆にも当てはまる言葉だから妥当かもね。響きはいまいちだけどそのうち慣れるでしょう」
なんとか二人からオッケーが出たので、上層部を集めて名前を告げたところ、皆考えた末に良いのではないかと言ってくれた。
「エルフたちは身から出た錆とはいえ、何ども危機から立ち上がりましたし、それは陛下のお力あってこそです。今後同様なことが起こらないよう気を付けると共に、何があっても立ち上がる精神を持ち続けるためにも、この名前、私はとてもいいと思います」
エルフだけでなく皆の戒めにもなるとアインスさんは言い、他の皆も同意する。こうしてこの国の名前は不屈国と決定し、ライエンから決まったなら次の仕事にかかろうと言われた。
何のことかわからず聞いたところ、戴冠式に決まっているだろうと答える。
「戴冠式をすることで正式に建国したことを、内外にアピールしなけりゃならない。今の時点でも経済においても領土においても大きい状況で、やらないと怪しまれて標的にされかねない。これでも遅いくらいだがな」
そう言って席を立ち、各国の王に対して招待状を作ると共に、式典の準備を始めると言って部屋を出た。
他の上層部たちも慌てて部屋を出ていき、エイレアとエイミーと共に取り残される。
「そうなったら私たちも急がないとね」
「ドレスを作ったり王冠とかティアラも用意したり、来賓の料理も考えないと」
二人も慌てて外へ出て行ってしまい、一人だけ取り残されてしまった。溜まっていた仕事もある程度片付き、時間的にも余裕が出来たので視察を強化しようと考え部屋を出る。
式典の準備が始まる中、陛下は好きにしていていいと言われたので、エルフィードの町でモンスター討伐をしたり、魔族領でホリィと共に視察をし足りして回った。
ひと月ほどして式典の準備も完了し、日取りが決まって招待客に招待状をだしていく。人間族の国からは直ぐに使者が来て出席する旨を伝えてくれ、タウマス王は久しぶりの再会を楽しみにしている、という伝言を頂き嬉しかった。
獣族側にも使者が招待状を渡したが使者は来ず、返事も後でするとだけ言われたと聞いて不穏な感じを受ける。
リオン王ではなく名代のミルコンドル、という獣族の女性が対応したと聞いて、さらに嫌な予感が増した。
元々獣族には部内での衝突があるという情報を得ており、それが鎮火したと言う報告は受けていない。それに女性の名代が対応したことや、その名前が何となく引っかかる。
「……コーイチ、俺が調べに行こうか?」
勇太も同じような違和感を感じたのかそう声をかけてくれた。思えばこの国というかエルフや森に対し、敵意を抱いて何かしてきてもおかしくはない人物が、今はどこにいるのかわかっていない。
ひょっとして、と思った瞬間、兵士が部屋に飛び込んでくる。
「陛下大変です! 獣族より宣戦布告が成されました!」
建国のお祝いに宣戦布告とは、ある意味獣族らしいと言えばらしいのかもしれないが、恐らくそういう意味ではないだろう。
宣戦布告をしたというのはどういうことかと聞いたところ、ライエンが入ってきて手紙を渡された。勇太はそれを見て直ぐに外へ出ていく。
職業:不屈国初代国王
役職:エイレア(王妃)
エイミー(王妃)
ホリィ(王妃)
ライエン(宰相)
パルダス(国王親衛隊隊長)
ヴァルドバ(第一部隊隊長)
士元勇太(第一遊撃隊隊長)
ジンネ(中継部隊隊長)
ダーント・ミエナ(補給部隊隊長)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(後方支援部隊隊長)
ホルム(医療部隊隊長)
アインス(守備部隊隊長)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:クリスタルソード
サブ武器:神の使いの剣
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント
深紅の鎧




