第二百四十話 魔族の思惑
朝食の支度が済んで皆と食事をとり、片付けを済ませると森の探索へと向かう準備を始めた。さすがに全員で行くわけにはいかず、自分とエイミー以外は誰を連れていくかとなり悩む。
「ここは私だけでも連れて行っていただきたいです陛下! 私こそが陛下をお守りするに相応しいと自負しております!」
人選をしているところにパルダスが来て鼻息荒く言ってきたが、即却下するも何故ですかと食い下がってくる。
一番管理している兵が多い将を探索のためだけに連れていけない、と説明したが陛下は良いのですかというので、ライエンやパルダス、エイレアやアインスさんのお陰で、諸々捗っていて自分が一番手が空いてるから行くと答えた。
「ならば俺たちは連れて行くんだろうな?」
次は最近大人しかった勇太君が来たがこちらも却下する。理由は大体同じ。兵士を率いてる人間が抜ければ、クロウ教徒がまた性懲りもなく来た場合に防ぎようがないからだ。
兵士を率いた経験がないことが有利になるなんて、我ながら良いんだか悪いんだか分からないが、今回に関しては感謝しておこう。
「まぁまぁ。私たちが付いているんだから大丈夫よ」
ホリィがそう言うと魔族たちも陛下は命に代えてもと言う。実のところ一番信用ならないのだが、彼らの言葉が本当がどうか確かめるなら、森であり今回の案件が一番良いと考える。
エイミーには事前にライエンに用意してもらった、自分が身に着けているマントと同じものを付けてもらい、魔法に対する攻撃があった場合には軽減できる様対策しておいた。
今回の先導者は前にマナの木に襲い掛かってきた、たしか鳥族のだったかの覗き屋だと思う。予想通りだとしても、何か変な者を従えていないとも限らない。
……変な者といえばアリエルに魔族の魔法を授けたのは魔族だったが、ひょっとして今回の件にも魔族が絡んでいて、協力して点数稼ぎと言う名の痕跡消しではないだろうか。
ホリィたちには先に里の入り口で待ってもらうことにし、ライエンと勇太を呼んで考えを打ち明けると、ありえなくもない話だなと同意する。
「で、陛下としてはどう対応するんだ?」
ライエンにそう聞かれたので、出来れば相手が痕跡消しをするなら証拠を押さえたい、と答えた。
一旦ライエンには里に残ってもらって後詰めの指揮を、勇太の班は中間に位置取って魔族の監視をしてもらい、証拠を押さえるのを優先してもらいたいと頼む。
「良いだろう。うちはそういうのは得意だからな。どんな小さな動きも見逃さず、妙なことをしたら即捕まえてやる」
久しぶりに悪い顔をした勇太を見て頼もしいというと、当たり前だ俺は隊長だからなと胸を張る。少し見ないうちに大人になったなと感想を言ったところ、なぜか挙動不審になりしどろもどろになって去って行った。
「まぁ仕事になれば冷静になるだろうから心配せずに行ってくれ。連中には探索だからと陛下とエイミーだけ出すというふりをし、油断させる。あいつらだって戦いで名を馳せた魔族だ。いくら陛下が強いと言えど、魔法戦なら負けないって思ってる節があるからいけるだろう」
彼らは曲がりなりにも敵地に居て、さらに伝説の勇者だという俺がいるにもかかわらず、リラックスしているのは引っかかっていた。が、ライエンの言う通りだとするなら辻褄は合う。
エルフは一部しか魔法が使えなかったうえに、魔族がそれを提供していた可能性もあるので、自分たち魔族が上であるという確証がある。
エルフや魔族からすれば人間族は格下だし、竜を倒したのも自分が見たわけではないので、ひょっとしたら嘘かもしれないと疑っている可能性もあった。
疑い出せばキリがないが、自分が敵地で余裕でいられる理由があるとするなら、それは相手より自分が上の時だろうなと思う。
「さ、待たせるとこっちが疑われて面倒だ。さっさと済ませて帰って来てくれよな」
そうライエンに言われながら送り出され、エイミーと共に馬に乗って村の入り口に行く。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




